笈川博一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
本書も、2025年1月1日~4日のエジプト旅行(カイロ・ルクソール)の副読本として、読んだ。
今回の旅行で、最も印象的であったのはルクソールにあるカルナック神殿、ルクソール神殿の巨大かつ精巧さである。
本書では、古代エジプトの歴史や文字、宗教や死生観について幅広く紹介しているが、すべてについてメモする時間もないので、筆者が推している?イクナトンについて記しておく。
イクナトンは、改名前はアメンホテプ4世と言うが、アメンホテプ3世の息子である。アメンホテプ3世は、それまでの好戦的な王たちによる拡大と収奪による巨万の富を持っていたとされる。そして、その富を惜しげもなく使い、世界一の都市として現在の -
Posted by ブクログ
物語 エルサレムの歴史
旧約聖書以前からパレスチナ和平まで
著:笈川 博一
中公新書 2067
おもしろかった、中東は複雑すぎて、1つの都市の歴史を追うぐらいで分かりやすのかなと感じました。
エルサレムとは、宗教上の聖地であること以外では、たんなる地方都市にすぎない、農業が経済の基礎だった時代、ろくな水源もなく、山の上にあって本格的農業をする土壌にも貧しい
歴史上は、超大国である、ギリシア、エジプト、メソポタミア=バビロン=ペルシャが、パレスチナを通過するときの小さな拠点の1つにすぎない
旧約聖書とは、BC3世紀ごろまでのユダヤの歴史である
・モーセ5書=トーラー
・ダビデのカナン -
ネタバレ 購入済み
聖書から現代まで
私には難しい内容で、理解は不十分ですが、エルサレムがややこしい土地であることはしっかりと感じました。
聖地であるが故に平和が難しい土地なんて、皮肉な感じですね。
「武力以外の方法でエルサレムに平和をもたらしたのは、一三世紀のフリードリッヒ二世一人だけだ。フリードリッヒ二世はこの和平に来世を賭けたのである。」
破門されても平和に賭けたフリードリッヒさんについても、もっと知りたいと思いました。 -
Posted by ブクログ
まさしく新書にうってつけのテーマですね。
エルサレムという一都市の歴史を神話時代から現代まで一気に綴っています。
ページ数も300と、読み応えがあります。
著者はイスラエルの大学に留学し、卒業後はそこで教鞭をとったほどのイスラエル通です。
エルサレムって知っているようで、全く知らないに等しいんじゃないでしょうか。
ガザ地区?ヨルダン川西岸?インティファーダ?ハマス?ファタハ?PLO?ゴラン高原?嘆きの壁?・・・・・
言葉では聞いているけれど、その実態を正確に説明できる人います?
自分が懐いた一番の疑問は、なんでエルサレムなの?です。
三大宗教の聖地なのは何となく分かるのですが、エルサレム自 -
Posted by ブクログ
[その聖ゆえに]様々な宗教にとっての聖地であり、その都市の性格故に絶えず統治者が変転してきたエルサレム。一見しただけではわかりづらいこの都市の歴史を、時系列に沿って、旧約聖書の時代から現代に至るまでわかりやすく解説してくれた一冊です。著者は、ヘブライ大学で教鞭をとった経験を有する笈川博一。
その歴史を概説するにあたっては、詰め込まなければいけない要素が大変多い都市の1つだと思うのですが、ときにコラムや筆者の滞在経験を織り込みながらの魅力的な記述になっています。宗教面や政治面にとどまらず、地理的観点や社会的側面も加味した記述になっており、ともすればイメージだけが先行してしまうこの都市に関する -
Posted by ブクログ
聖地として有名なエルサレムの実際を、歴史的に物語として追いかけていく内容になっています。そこには過去に何があったのか。そこからどのような物語が伝説が生まれたのか。そしてそれが現代の人類にとってどのような意味があるのか。ユダヤ教、キリスト教、イスラム教と、それぞれにとっての意味とは。それを知ることで、今の中東として有名な問題について理解を深めることができます。
この地域が、地域としては全く魅力が無いにもかかわらず、重要な地として、歴史の主要舞台にありました。それは、重要と思っている人々と、そうではなく実利的な面での扱い方をしてきた人々との、意見の食い違いの歴史でもあったのではないかというところも -
Posted by ブクログ
著者の笈川博一氏は、東京教育大(現・筑波大)卒業後、エルサレムにあるヘブライ大学に留学し、同地に25年在住した中東近代史の専門家である。
私は、本年1月にエルサレムを1週間ほど一人で旅をするにあたり、この街の、長く、複雑な歴史を知るために本書を手に取り、旅にも持参した。
エルサレムという街は、世界でも極めて特異な街である。古代の重要な街道からは外れ、標高800mの岩だらけの丘陵地に広がり、水の供給にも問題があるため、農業生産力も決して高くない。即ち、地理的にも経済的にも不利な立地条件にあり、それ故に、歴史上の大部分の時間、一国家の首都ですらない単なる地方都市に過ぎなかった。にも拘らず、21世紀 -
Posted by ブクログ
複雑怪奇すぎる。
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教
元を辿れば同じなのに争い
それぞれの宗教の中で宗派を作って争う。
そこに民族、文化、国家という枠組みが存在する。
争いの歴史の中で何が正しかったのか
わからないが、民衆はただ生きていくための
選択をしていかなければならない。
助けられることもあるが、
弊害になることもある。
本書は聖地エルサレムを巡る歴史である。
ローマ帝国、オスマン帝国、アラブ諸国、
十字軍にレバノン戦争、湾岸戦争、などなど
いろいろな出来事がこの聖地中心に起こり
今のイスラエルとパレスチナの紛争にたどり着く。
今後のこの地域で何かある時に
本書で得た知識がどう影響するの