福間良明のレビュー一覧

  • 「勤労青年」の教養文化史
    ノンエリート層の「教養」について、戦後〜1970年代までを主な射程に、青年学級・定時制・人生雑誌への眼差しをまとめた本。おそらく資料収集に相当力を注いだのではないか。その苦労は察せられるが、引用とまとめが繰り返され、やや冗長に感じた。最後の歴史趣味への論考や、高度成長以降、ノンエリート層から「教養」...続きを読む
  • 「勤労青年」の教養文化史
     1950年代後半を中心に、上級の学校へ進学できなかった「勤労青年」たちの「教養」への渇望の実相と、何が彼らを必ずしも「実利」と結びつかない「教養」へと向かわせたか、農村では青年団・青年学級、都市では定時制高校や企業の養成所、さらにそれらからはじかれた若者たちの学習欲求の受け皿として機能した「人生雑...続きを読む
  • 「勤労青年」の教養文化史
    戦後から高度成長期にかけての教育現場の一側面を、豊富な史料を繙きながら解き明かした労作。「人生雑誌」という出版文化を産み出した社会構造の析出は見事。しかし引用があまりにも多く、それらの合間に著者の主張を細切れに挟み込むスタイルは、「一体何を明らかにしたいのか?」という気分にさせられた。
  • 殉国と反逆 「特攻」の語りの戦後史
     戦争末期の特攻に関して戦後おびただしい書物が編まれ、映画がつくられてきた。本書は特攻に対する批判『きけわだつみのこえ』とその後のわだつみに対する批判、反批判にかかわる言説を紹介する。特攻の映画をつくった人たちのスタンスが東映の任侠映画をつくった人たちのそれと同じであったというのも興味深いが、ぼくに...続きを読む