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最大の臓器が、身体と心の内を映し出す! ドイツで20万部 世界20カ国以上でベストセラー入りした書籍がついに日本でも刊行。皮膚の構造や機能、病気や年齢変化、そしてスキンケアまで 皮膚のすべてをドイツの女医が解説した一冊。 「皮膚を観察し、さわり、匂いを嗅いで、病気の原因を探ると、皮膚の素晴らしさに鳥肌が立つほど感動するばかりです!」(はじめに、より)
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Posted by ブクログ
化粧品品メーカーがすすめるスキンケアは皮膚に対する攻撃。皮膚に塗るものは、少なければ、少ないほどいい。洗いすぎるから臭う。 【感想】 一般的な皮膚のイメージと逆説的な記述・説明が多く、興味深く読めた。というのも、この「一般的な皮膚へのイメージ」は生活消費財企業がコマーシャル・広告によって作り上げ...続きを読むられたものだということに気付いた。「皮膚はこまめに洗浄、保湿をしないと悪くなる」という認識は、医療科学に言わせれば、ウソということが分かった。洗いすぎると皮膚は痛むし、保湿によって余計に炎症は酷くなるし、雑菌が増えて臭くなる。これが皮膚の実体である。人の皮膚も数千年、数万年と人の身体を包んできただけあって、天然のバリア機能ももちろん有している。大体はその天然のメカニズムでなんとかなっている所に、現代的なライフスタイル、清潔感のイメージによって化粧品や洗浄品を利用し、あえてダメージを与えてしまう、といったところ。生活消費財はマスコミにとって一番の広告主であるから、なかなかマスメディアでこういったことは語られない。本で学ぶのが一番だ。本書は、私にとっての「皮膚に関する本質本」だ。日常的な皮膚ケア、人体と匂いの関係、セックスや性器と皮膚の関係性、サウナと水虫等、生活に根差した具体的な話が多かった。 【本書を読みながら気になった記述・コト】 >>本書の助言に従い、化粧水も乳液もクリームもボディーローションも全部やめてみたところ、乾燥もニキビも湿疹も治ってしまった(訳者) >>緊張すると汗がでるのは、皮膚のグリップ力を上げ、敵から逃げられるようにするため。例えば、熊に遭遇したときに、木に登って逃げやすくなる >>身体の皮膚は毎日常に入れ替わる。一日に剥がれる皮膚の量は約10グラム >>皮むけの減少は皮膚の炎症。病原体や乾燥から皮膚を守るため、新しい皮膚を作るために皮膚がはがれる速度が速くなる →皮むけの原因の全てが乾燥ではない。炎症が原因の場合に油分たっぷりのクリームを塗ると、症状を悪化させる >>脇の下、肛門、性器周辺には多くのアポクリン腺が集まっている。アポクリン線は身体が携帯するにおい袋のようなもので、性誘因フェロモンが出る →肛門が匂いは受け入れるしかない。洗ってもムダ。皮膚を傷つければ余計に大変なことになる。 >>合成繊維の服では、低い温度の水では細菌は落としきれない。したがって、汗をかくとすぐに臭いやすい >>皮膚の黒さを決めるのはメラニンの量。このメラニンには赤外線から身体を保護する働きがある。黒人は白人よりも、日光を浴びても体温があがりにくい →陰部や肛門の色が黒ずみやすいのは、メラノサイトが性ホルモンの影響を受けるから。成長するにつれて性ホルモンが分泌されるようになったのなら、黒ずんで当然 >>傷口は乾かせない方が治りが早い >>保湿クリームは夜だけ、必要な時に塗りましょう >>スキンシップでオキシトシンが放出される。抗うつ効果があり、ストレスを和らげ、パートナーとの絆を深める >>他人がかゆがるのを見て、自分もかゆくなるのは、原始人由来の防衛機制のなごり。自分も同じようにかいて、虫を払落そうとしている >>脇の下や陰部に毛が生えているのは、皮膚と皮膚の間に隙間を作り、蒸れるのを防ぐため →しかし、毛は細菌の繁殖場でもある >>女性の髪をかきあげるしぐさは、脇の下をあらわにして、フェロモン・においを分泌し、男を誘うため >>皮脂は基本的に細菌の繁殖を防ぐ。ただ、稀に皮脂が好きな菌もいる。 >>皮膚を乾燥させる化粧水やジェルなどを使った皮膚ケアは、皮脂膜を除去し、バリア機能を破壊しているだけ。薬品や化粧品には皮脂分泌活動を制御する力はない。そのような皮膚ケアをしていると、乾燥肌と脂性肌の両方に悩むことが多い >>皮脂の過剰分泌、皮膚の炎症は食事の内容を変えることで予防できる。小麦粉、砂糖、牛乳などトランス脂肪酸が多い食事を控える。その代わりに、ナッツ、野菜、全粒粉、魚、食物繊維を多く含む食事を摂ること >>ひげ剃りなどの剃毛は皮膚を傷つけ、炎症、細菌の侵入をもたらす恐れがある。毎度清潔で綺麗な新品の刃を使うのが理想。肌が弱い人は脱毛を進める →この記述は私の行動を変えた。やっぱり、脱毛(それも医療機関で)したいと思った。ひげ脱毛の予約をした。 >>皮膚がんは顔で発症しやすいので、日焼け止めクリームを塗るのは顔にするとよい※服を着ておらず、常に露出している >>日焼けサロンは紫外線とと同じく、身体によくない。しわを生み、シミの原因となる。 >>曇りの日でも紫外線の量は10%しか減少しない >>日焼け止めは塗り直しは必須。外に出るときは基本的につけるべし >>p218「化学業界はいったい何をしているのでしょうか。彼らは日々、危険な製品を世に送り出し、その害を埋め合わせるかのように、新商品をどんどん開発しています。残念なことに世間では、洗顔後に化粧水をつけて肌を整えるのが常識とされています。「肌がよみがえる」、「肌が健康になる」という謳い文句は化粧品メーカーのデマです。「化粧水を使った後は油性の保湿クリームを塗りましょう」などというのもあり得ません。」 「化粧品メーカーがすすめるスキンケアは皮膚に対する攻撃です。皮膚がまったく健康な人であても、そのようなスキンケアをすると、皮膚が感想s足り、かゆみが生じたり、ときには接触皮膚炎を発症したりします。私達が皮皮膚に対してやっていることは、過失傷害に近いものなのです。 「お忘れでしょうか。表皮が薄い角質層を再生するのには、四週間を要します。角質層は皮膚バリア機能の全てを担っています。それなのに私たちはいったい何をしているのでしょう。ブクブクと泡立つ、色と香りのついた洗浄剤え皮脂膜、つまり防御壁の煉瓦とレンガとの間を埋めているモルタルを洗い流し、皮膚が苦労して築いたバリアを破壊しています。とどめに、弱った皮膚に香料や合成着色料や乳化剤や防腐剤などのアレルゲンをなでつけているのです。これは皮膚に対するテロ行為です。」 >>一般的な石鹸はアルカリ性で、弱酸性の皮膚をPHを7~8に変えてしまう。こうなると、皮膚が正常なPHを取り戻すのに2~6時間かかる。この時間帯は、皮膚が保護機能を失うため、 健康的な皮膚フローが危険にさらされるリスクがある。結論を言うと、洗いすぎると臭くなる。 >>皮膚のかゆみの原因は「洗浄不足」と考えられがちだが、実際はその逆。 >>皮膚の弱酸性を保つため、洗浄剤は使うにしても基本的に弱酸性にすること。アルカリ性はNG。 >>洗顔も水だけでいい。身体の分泌物や垢は水溶性である >>オイルは油脂だが、液体であり、ボディケアには適さない >>フレグランス、柔軟剤などに含まれる香料は皮膚にとってアレルゲンとなる >>入れ墨の塗料は皮膚に悪影響をもたらすリスクがある。爆弾を抱え続けるようなもの >>ナッツアレルギーのない人は、毎日適量のナッツを食べると良い。炎症発生のリスクを下げ、長寿、若返りの効果が期待できる >>牛乳の摂りすぎが、皮脂腺を増加させ、体内の炎症を増加させる。牛乳に含まれる、がゼイン、乳糖などに注意 →ただ、発酵乳食品は悪影響が無い >>人口油脂..長期保存でき、安いが、死に至る。トランス脂肪酸はやはり体に悪い。スナック菓子やフライドポテト、ケーキなどに含まれる。 →ニキビに悩む人は、野菜、穀類、ナッツ、種子、汚染されていない魚、果物を積極的に摂り、トランス脂肪酸や精製小麦粉や砂糖や牛乳の摂取を控えると、改善が見込めるだろう
年齢よりも若々しく見られる方法は、笑顔でいることだと思っています。不満そうな顔でいると、どんどん老け込んでいくような気がして、危ない、と思った瞬間に、顔の形を変えるように努力しています。 実際に、その努力が実っているかどうかはわからないですか、少なくとも、私の名前を聞いて想像する顔と表情は、笑顔だ...続きを読むと、よく言われます。 さて、そんな顔の表情と密接に関わるのが、表情筋であり、皮膚であります。 400ページに及ぶ、皮膚の秘密。私たち人間の進化は実によく考え尽くされていて、メンテナンスをほどほどにしておけば、美しいまま保つことができると著者は述べています。 このご時世、仕方ないといえど、手を洗いすぎたり、顔を清潔に保とうと化粧水を塗ったり、洗剤でゴシゴシ臭いが取れるまで洗う行為は、皮膚科医でもある著者からすると、スキンケアからは程遠く、皮膚をいじめているように見えるそうです。 人間の器官の中で、最も面積の広いとされる「臓器」である、皮膚。「スキンケア」が文字通り、皮膚の表面を綺麗に保つためにする行為でなく、内部までいたわるためにはどうすればよいか。 種々の学説はありますが、一つの学説に囚われず、総合的に判断して、自分にあったケアの仕方をしたいものですね。 網羅的でかつ、読み応えのある1冊でした。
皮膚科医である著者が、皮膚の構造からはじまり、その一生、陽の光との関係やにおいなど、身近で大事な問題との関係を分かりやすく解説する。 皮膚に常在する様々な菌、また感覚器としての皮膚は危険回避やセックスとも密接に関連することが、ドライにしかも面白く描かれる。 皮膚も身体の一部であることから、食べ...続きを読む物との関係もあり、まるで体丸々皮膚との関係で説明できてしまいそうで興味が尽きない一冊。
読者の興味がありそうな話題に寄り添って書かれているので、週刊誌を読むような面白さ。つまり、健康や美容の話とか、性的魅力の話など、世俗的な関心事を拾い、皮膚だけの話ではなく、皮膚関連の話で盛り上げる。著者はドイツの女性医師だが、男性の友人にパーティで性病検査を迫られ、トイレの個室で診断したなど、攻めて...続きを読むるなーと。そんな感じでライトでポップに解説が進むので、結構分厚い本だが、楽しく読めた。以下は、そんな内容の一部。 - 皮膚の表面積は約2平方メートル。紫外線は真皮まで届く。表皮は、バリア機能と酸性の保護膜を管理。手や足の襞状の皮膚には毛も皮脂腺もないが、多くの汗腺がある。身体からは自然に角質細胞が剥がれ落ちていて一日で10グラム、皮膚が普段より速く多く剥がれたものがフケ。 ー 女性ホルモンの分泌が増えている時に太陽光線を浴びると、肝斑、つまりシミができやすい。 ー 身体は痛みを感じると、逃避・ストレスホルモンのアドレナリンと並んで痛みを和らげるオピオイドを放出する。オピオイドは痛みの緩和に加え、多幸感をつくる。性交のオルガスムは快感と痛みの境目で起こる現象で、オピオイドが放出されて生み出される。性交は他に男女とも、オキシトシンを放出する。オキシトシンには絆、痛みを生成する。抗うつ効果もある。 ー 男性の皮膚の代表的な常在菌はコリネバクテリウム属菌。アポクリン腺から出る分泌物を好んで食べる。女性はミクロコッケンという常在菌。男性はツンと鼻をつくような汗のにおいで、女性は少し酸っぱい匂い。 ー アンドロスタジエノンと呼ばれる性誘引物質は女性よりも男性の体臭に多く含まれ、精液や脇の下の毛や皮膚に多く存在。女性はにおい物質を介して互いに生理周期を同調させる。 ー 皮膚の表面をいくらケアしても皮脂腺の活動はコントロールできない。皮脂腺の活動は男性ホルモンと多く関わっており、去勢した男性にニキビはできない。皮脂の過剰分泌はインスリン様成長因子と呼ばれるホルモンの増加が原因であり、牛乳や小麦粉や砂糖などを多く含む大量生産型の食品やファーストフードなどの取り次ぎが原因とされている。 ー 男性は魅力的な女性と話をすると、唾液中のテストステロン値がすぐに上昇する。性ホルモンが体内で多く分泌されている人は異性から魅力的に見られる。よって排卵前後の女性はモテる。長い独り身期間の後、再びパートナーに恵まれ、定期的にセックスをし始めた人も突然モテ始める。体が魅力的な匂いを発するから。 - 牛乳には牛から子牛へ成長情報を伝えるための遺伝情報伝達物質が含まれている。その物質はマイクロRNAと呼ばれ、遺伝子を調節したり、改変したりする小さな調節因子で、ナノ粒子に匹敵するほど微小な物質。最新の研究によると、人間は牛乳から約245種類の牛の遺伝情報伝達物質を摂取し、これが11,000以上の人間の遺伝子に影響与えている可能性のあることが指摘されている。組織の過剰な成長、がんや糖尿病の発症リスクの上昇、老化と肥満の加速にも関係していると言われている。
タイトル通り私たちの体の最大の臓器である「皮膚」について解説された一冊(著者はドイツの皮膚科医のヤエル・アドラーさん)。400ページあり、皮膚の構造~一生のうちに皮膚がどのように変化していくか~日焼け対策~ボディケア~皮膚によい食べ物まで説明されおり、皮膚に関する多くの知識を吸収できる。いわゆる刺青...続きを読む(タトゥー)についても語られていて、体に刺青を入れる際には「皮膚から見るとホラー映画状態」と表現されており、この部分を読むと、たとえワンポイントでもタトゥーを入れたくなくなると思う。
皮膚科医として活躍しているY.アドラーが 皮膚の構造や働きについて書いた一冊。 個人の体験談などではなく、 科学的な観点から書かれていたのがとても良かったです。 癌やアトピーなどの疾患から、 ヒアルロン酸やボトックスなどの美容医療まで 網羅されています。 生化学の専門的な説明も、 比喩などを...続きを読む用いて分かりやすく書かれていました。 ただ、生化学や医学を大学である程度学んでいる身からすると、 エビデンスが物足りないと感じてしまったので☆4です。
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