失われたいくつかの物の目録

失われたいくつかの物の目録

解体された東ドイツの宮殿、絶滅種のトラ、太平洋に沈んだ島、老いたグレタ・ガルボ……自然や芸術作品が雄弁に語り始める。テキストと、ダークな線画(カラーデバイスでの閲覧推奨)が織りなす夢の目録。第七回日本翻訳大賞受賞。

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失われたいくつかの物の目録 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    目録となっているが、12篇の短篇集のようでもある。
    今はない物への偏愛、憧憬と幻視による物へのオマージュ。論文調だったり、小説のようだったり、日記のようなものまであって一つ一つが面白い。
    カスピトラがローマの見世物になったりフリードリヒのグライスヴァルト港の絵がリク川の源泉を辿る旅仕立てになったりし

    0
    2023年03月17日

    Posted by ブクログ

    『ユリイカ』のハン・ガンのインタビューで「今読んでいる本」として挙げられていたもの。章ごとに差しこまれる黒い表紙には、光の加減でその章のテーマとなる「失われた物」のビジュアルが浮かび上がる。「失われた物」と続く物語の関連性が自分には上手く見出せずしたがい物語に入っていけず、眠くなることもしばしば。し

    0
    2025年01月25日

    Posted by ブクログ

    棄ててしまった物、失われた物は二度と取り戻すことができない。世の中にはそういう物があるのに、処分しようとする「断捨離」という考え方には真っ向から反対する。その対極にいて、物を棄てられない質の自分にとって、この本の序文は心に響いた。
    本書は、12点の「永遠に失われた物」を取り上げている。ただし、その「

    0
    2025年01月16日

    Posted by ブクログ

    地図から消えた島、絶滅した生きもの、散佚した古代の詩、燃やされた聖典……。歴史上たしかに存在していながら今は消えてしまった、あるいは存在しないことが明らかになってしまったゆえに忘れ去られてしまった物たちに捧げる、黒と金のレクイエム。


    墓石、それともモノリスのような佇まいのハードカバーを開くと、各

    0
    2020年12月31日

    Posted by ブクログ

    読者を選ぶ本。博物学や、内容紹介で挙げられているモチーフに惹かれた人には面白いかもしれない。でも文体も話ごとにバラバラでどうしても苦手な文体もあったし、基本的に教養が高い人じゃないと単語がいちいちわからず調べたりするはめになる。きりがないのでわからないまま読み飛ばしたりしたけれど、本当は全部わかって

    0
    2020年09月04日

    Posted by ブクログ

    文章と装丁によって創り上げた「本」という空間、その著者の
    ヴィンダーカマー(博物陳列室)に収められた十二の物語。
    ・はじめに  ・緒言
    ・ツアナキ島・・・失われた島への夢想と島を求める冒険家たち。
    ・カスピトラ・・・古代ローマのコロッセオ。死せる運命にも
           本能を露わにする、絶滅したトラ

    0
    2020年07月27日

    Posted by ブクログ

    2021年NHKラジオドイツ語講座のテキストでドイツ文学を毎月一冊紹介していた中から。

    失われた物を展示する博物館に陳列された物の背後あるストーリーを、著者の想像を膨らませて書いたエピソード。読み始めて、文章が長い。説明が冗長。教養書読んでるみたい。飲み込みのに頭のしわ使う。しんどいな〜と思いつつ

    0
    2025年06月19日

    Posted by ブクログ

    題名で読むことを決めたので、どういう内容かは全く把握しないまま読み始めた。
    失われてしまったもの12個に関する話を短編小説のような形で書いたもので、翻訳ということもあって正直読み進めにくかった。
    お気に入りは、森の百科事典と共和国宮殿。

    0
    2024年03月10日

    Posted by ブクログ

    緒言を読むのから、結構な気力・知力を要求される。

    地図と、辞書またはスマホを側に置きながら読み進めないと、文字だけが頭を流れて、イメージが浮かばず、世界が形作られない。

    様々な文体、対象について描かれていて、この本の読書を通じて、この本に慣れることはなく、常に挑むような感覚。
    一読だけでは内容を

    0
    2021年06月28日

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