無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
もともと著者夫妻の「おべんとうの時間」のファンで、こちらのエッセイも素敵に違いないと思って手に取った。
幼少期〜おべんとうの連載が軌道に乗るまでの著者の半生が語られている。両親の話、留学の話、夫と娘の話、、どれも淡々と語られているけど、すごく刺激的で、なぜか心に刺さりまくった。そして、決して飾らず、すべて「いい話」にきてしまわない姿勢が、より私に感情移入させてくれた。読めてよかった。
・想像以上にアグレッシブな生き方で素敵だった。家庭環境や生い立ちを言い訳にせずに、留学に、転職に、今の仕事に…と自分の手でチャンスを掴みにいっているのがかっこいい。
・留学による収穫がなんと大きいことか、、それも現地で受け身にならず、ちゃんと、もがいた結果だとも思う。
・そのときは未解決のまま終わっていても、時間が経てば自然に理解して、受け止められることもあるんだな。キムとお互いに思いをぶつけ合っても、その後の生活は完全修復とは行かず距離のありまま。数年後、お互いきっと色々経験して大人になって、「愛してる」と言い合えたシーンが良かった。
・めかじきだけの茶色いお弁当も、当人たちが満足してれば、きっと「いいお弁当」
・カバーにある著者のお写真が素敵。旦那さまの撮影だろうか。自分のいいことも悪いことも全部受け止めたような清々しさのようなものを感じる表情。こんな雰囲気の大人になりたい。
・親からもらったものしか、自分の子どもに与えられないんじゃないか、自分の子どもを幸せにできるのかなと不安になることがあるけど、勇気をもらえた。
Posted by ブクログ
「手作りは愛情」「お弁当箱には愛がつまっている」という安易でのんきな方向に行かないところが信頼できた。
自分の境遇や気持ちと似た部分が多くて(下で引用した部分はわたしの実感と全く同じ)、トラウマ再放送で読んでいて苦しかった。苦しいけどもなんだか泣けた。
"あの父と母のもとに生まれたから、今の私がいる。(p.230)"
といえるところにまでわたしはまだ到達できていないが、いろいろ経て年齢も重ねてだいぶ近づいてきている。これを読んでいろいろ思い出して、考えさせられて、また少し何かわかりそうな気がした。読めてよかった。
----------------------------------------
"家の中で自分が怒鳴られる分には我慢できても、人を怒鳴りつける姿を見るのは忍びなかった。 その娘だと見られることが、耐えられない。 家から一歩出て家族で行動している限り、私はいつだって連帯責任を負わされている気分だった。油断できない。地雷はどこにあるのか、見当がつかない。"(p.102)
"いつも、家族のことばかり考えていた。何をやるにも、家族が絡んでいた。 家族なんてくそくらえと一九歳で家を出た私は、家族というものに心底うんざりしていたのに、いつだって電話が鳴り、その本の細い糸を切ることができなかった。断ち切れたらどんなに楽になるだろうと思っても、ぎりぎりのところで踏みとどまってきた。"(p.194)
"父は死にかけていても父であり、母はどんな状況にあっても母なのだった。"(p.209)
Posted by ブクログ
ANA機内誌の人気連載「おべんとうの時間」
の著者です。
最近はお弁当ブームであり、関連本も花盛り
ですが、連載当初は全くマイナーな企画であ
ったそうです。
その著者自身が体験してきた「おべんとうの
時間」はさぞかし華やかで楽しいものであっ
たと思いきや、全く違うそうなのです。
米国留学時代のランチタイムも含めて、苦い
思い出しかないが故に、他人の「お弁当」に
対して真正面に向き合って、深く優しい目で
その背景を文章にすることができる理由が、
この本から読み取れます。
単なるエッセイではなく、一人の女性の波乱
万丈の人生が詰まった一冊です。
Posted by ブクログ
「おべんとうの時間」という連載は知らなかったけれど、サラメシは好きで、たまに観ている。
阿部直美さんの子供時代から現在までを詳細に綴ってあるのだけれど、子供時代について記した前半部分は読んでいるだけでつらくて、胸がぎゅーっと縮こまるような気分だった。
怒ると手がつけられず、家族にも周りにも怒鳴り散らす父親と、不満を抱えながらも父の言いなりで、かといって娘に寄り添ってくれることもない母親。
家庭内には、本来あるはずの安らぎがなく、絶えず重苦しい。そんな著者にとっては、お弁当の時間が何よりも苦痛で、家族の重苦しい気がそのまま詰まったような茶色い弁当が嫌で嫌でたまらない。
正直、阿部さんがよく精神的に参らずに過ごすことができたな〜というくらい、父も母も強烈…。「亭主関白」ではくくれないくらい、いびつだ。
お弁当に詰まっているのは、おかずだけじゃなくて、家族の姿そのものなのだと改めて思う。どれだけ手の込んだものを作っても、作り手が暗い気分であれば意味がないし、たとえ冷食でも、作る人が鼻歌交じりならばそれはハッピーなお弁当になる。
この本を読んで、私の家族のことが頭に浮かぶ。
私の幼い娘にも、いずれお弁当を持たせる日が来る。私の作ったお弁当を、できればにこにこ食べてもらいたい。
そして、高校時代には朝5時過ぎに起きて、お弁当を毎日作ってくれていた母のことも思い起こされる。母と私は何でも話せるような関係ではないし、ヒリヒリするような喧嘩を何度もしてきたけれど、母のお弁当には、私が健康で美味しくお昼を過ごせるようにとの思いが詰まっていたなとようやく気づく。
お弁当を通して、家族の姿が見えてくる一冊です。きっとこの本を手に取る人は、家族というテーマに何かしらの思いがあるはず。これから何度も繰り返し読みたい。
Posted by ブクログ
ANA派なので何度も読んだことがある「おべんとうの時間」。
その連載を書いている著者の子供時代から現在に至るまでの軌跡が記されたエッセイ。
見映えのよくないお弁当を持たされ、それが恥ずかしくてたまらない上に、あまり好きではない自分の家庭環境を思い出さざるを得ない、そんなお弁当の時間が嫌いだった中学時代。
著者の根っこには、どんなに大人になっても、その時代のあらゆる記憶があって、家族と食卓、というものが自然と自身の人生のテーマみたいになっていたのだと思います。
とは言え、家族とはかくあるべき、とか家庭料理やお弁当はこうあるべき、とかそういうお説教じみた結論に帰するのではなく、
ただ淡々と彼女が思ったこと、感じたことが書かれているのも個人的にはとてもよかったです。
大きな事件やハプニングがあるわけではないのに、引き込まれるように読めてしまうのは、読み手である私との共通点を感じたから。
恐らく多くの読者が、自分と重なる部分を見つけるのではないでしょうか。
それくらい、良い意味でごく普通の一般市民の感覚で書かれた一冊です。
この本を読み終わって思うのは、自分と家族との関係性。
あれこれと思いを巡らせています。
2021年28冊目。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
小説・文芸
小説・文芸
ビジネス・実用