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なぜ日本人は、草木や山川までもが成仏できると考えるのか? なぜわれわれは「ご先祖様」をお祀りするのか?――ふだんは当たり前のこととして、何気なく見過ごされている何気ない日常の習慣、思考パターンにも、それぞれに隠された精神の歴史がある。縄文から現代まで。土偶から「ゆるキャラ」まで、日本思想史の第一人者とともに、さまざまな事象の中に「日本人の心の歴史」をたどる。
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Posted by ブクログ
古代から近代にかけて、日本人がカミを捉えてきたか。 宗教感は過去から変わらないものと無意識に捉えがちだが、古くから信じられていると思っている感覚も時代と共に変容を続けている。 現代という時代に、改めてカミを考える必要性も感じた。
期待以上に面白かった。論拠や展開が厳密に言えば曖昧なところもあった気がしたが、読み物としてはかなり楽しめる。ときどき心に刺さるような文章もあって、なかなか貴重な読書体験だった。
古代から近代にいたるまでの、日本における宗教的世界観の変遷過程をえがき、それぞれの時代の特徴について考察をおこなっている本です。 著者はまず、仏教と神道が入り混じっている日本の宗教のありかたを、「神仏習合」という概念でとらえることへの疑義を提出しています。「神仏習合」という概念は、仏教と神道をそれ...続きを読むぞれ独立した宗教と規定したうえで、その二つが混淆している状態を表わすものですが、著者は日本の宗教的世界観を「基本ソフト」とし、その上で仏教や神道という「応用ソフト」が成り立っているというモデルによって、日本人の信仰のありかたを解き明かそうとしています。 著者自身も「あとがき」で、「タイトルから推測される、日本の神に関する穏当な概説書というイメージを裏切って、みたことも聞いたこともないような説が延々と展開されている」と語っていますが、著者自身の日本宗教史の概要が、やや性急に展開されている本という印象です。とはいえ、本書で提示されている日本人の信仰のとらえかた自体は興味深く、今後の著者の研究のガイド・ラインのような役割を果たす本になってほしいと感じます。
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