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25歳で血液がんの一種「ホジキンリンパ腫」を発症し、33歳までの8年間に治療、入院、たびたびの再発などジェットコースターのような治療生活を送っている青年がいます。あのマラソンの瀬古利彦氏の長男昴さんです。
その治療はまことに過酷なものでした。抗がん剤投与、再発、骨髄移植、オプジーボ投与、脳への転移、放射線照射……頭痛や吐き気、呼吸障害など半端ない苦痛にさいなまれ、なかなか出口の見えない治療生活の中、時には心が挫けそうになりながらも、昴さんはある言葉を胸に、明るく前を向き続けています。
それは、2020年の実業団対抗ニューイヤー駅伝を入院中の病室のテレビで観ていた時のことでした。問診に訪れた医師がテレビを観ながら「昴くんはトップランナーですからね!」と言ったのです。昴さんは、トップの選手を後ろの選手が追いかけている映像を観ながら頭の中で何かが繋がり、ぶわっと涙が出てきたそうです。
「ああ、僕はトップランナーなのか。今味わっている辛さも、副作用も、いい作用も、もしこれから僕と同じ状況になる人たちがたくさんいるとしたら、先例としてその人たちが生きて行くための手助けになるのか。これが自分が病を頂いている意味なのか。誰かのためになっているのか」と。これが今の昴さんの治療へのモチベーションであり、本書のタイトルの由来です。
本書は過酷な現実を明るく、時には笑いを誘う筆致で描き出しています。昴さんは言います。「『人生は近くで見ると悲劇だが遠くから見れば喜劇だ』というチャップリンの言葉のように、経験を客観的にみることでユーモアに変えられる。それをやってみたいと思っています。ユーモアに変えられたなら、その経験を『本当に乗り越えた』と言えるのではないか」。この言葉の通り本書は、祖母・両親・兄弟ら家族とのユーモラスな交流を交えつつ書かれた、笑いとひたむきさにあふれた「人生の応援歌」です。
Posted by ブクログ 2022年02月23日
日常はもちろん治療や病状についても終始ユーモアを交えた文章で綴られています。
これからやりたいことや将来の夢も沢山書かれていて、表紙に負けないくらい中身も明るさでいっぱいです。
もちろん実際のところはお辛いことも多かったでしょうが、昴さんの「読む人を楽しませたい」という気持ちが文章から滲むどころか溢...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年07月24日
瀬古利彦氏の息子であるこの著者が、亡くなったというニュースを1年前ぐらいに聞いたときにこの本を知った。
発症した20代前半からの闘病生活について、書かれている。
ホジキンリンパ腫という血液のがんで、かなりの重病で次から次へといろいろな症状に襲われるが、暗い思い感じではない。あえてそうしていたのか...続きを読む
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