反逆する風景

反逆する風景

660円 (税込)

3pt

鋭い眼が「風景」の叫び声を捉えた。『もの食う人びと』と風景は、解釈や意味を超える、腸のよじれるほどのおもしろさを秘めている。ベトナム、ブータン、中国、ウガンダ、ロシア……、世界を旅した気鋭ジャーナリストが見た、かくも狂気じみた風景の数々。前著と表裏なす傑作。
北京でチェルノブイリでウガンダで……世界のいたる所を旅した著書が見たものは、風景そのものこそ真実を語っている現実だった。『もの食う人びと』が陽当たりのいい地表部分なら、本書は湿った地下茎だ。その地下茎が異議を申し立て、抑制と我慢から解放された、新しいノンフィクションが生まれた、話題の好著。

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反逆する風景 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2013年03月27日

    文体が好みなのですごく読みやすかった。
    「もの食う人々」には書かれなかった、泥の中に埋もれていた著者の本音が見える。
    ドラマの途中に突然脈絡のないシーンが挿入されるような、突然風景のフォーカスが外されたような、それまで積み重ねられた意味が、突然差し込まれた無意味によって中断される。嘲笑うみたいに。
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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    何回でも読み返す価値がある 文体がきれい

    風景は解釈されることに反逆している
    モノも使用価値も交換価値もそれ自体に備わっているのではなく人間が規定する
    核軍縮と哲学の貧困
    一次元的人間

    最高

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    Posted by ブクログ 2024年01月26日

    辺見庸(1944年~)氏は、宮城県石巻市生まれ、早大第二文学部卒、共同通信社の北京やハノイの特派員を務めた。外信部のエース記者として知られ、1979年に日本新聞協会賞を受賞(共同受賞)、1987年、胡耀邦総書記辞任に関するスクープにより、中国当局から国外追放処分を受けた(国外追放処分を受けるのは、ジ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年06月09日

    目を覆いたくなる現実を前にしても、決して目を背けない。そして、数字や文字で片付けられてしまいそうな事象を、そこにいる人の生きる姿や息づかい、感性としてとらえようとする真摯さ。そんな辺見先生が、世界で見たひとの暮らし。地位とか、思想とか、障がいとか、ひとはなにかとレッテルをつけ、意味合いを付けたがるけ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年09月30日

    長らく読みさしていたものを、ようやく気分が乗ってきて読み終えることができた。筆者の場合は世界を見て回りながらの経験だが、私にも時々、見慣れたはずの光景が、出来事の中で全く違った意味を持って反逆してくるように感じることがある。そういうのを捕まえるには晴耕雨読か昼耕夜読か知らないけれど、たくさん読んで、...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年08月02日

    作家のオリジナリティはどのように主張するのか。題材の選択、筆致に加えて、事件に遭遇する”ツキ”もあるか。”事実とは、限りなく無意味に近い”という言葉を換言すると、世の事象は各自がてんでバラバラに存在し、統一的な意思を欠くという事だろう。実存主義、だったか。

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    Posted by ブクログ 2010年01月20日

    風景が言葉を決めることってありますよね?下町での会話と山の頂で語るのとは、まったく言葉が変わります。

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    Posted by ブクログ 2009年10月04日

    この本を(そしてこの方を)ジャーナリズムと定義するには少し文章がくどいかも知れない。
    でも、多分本人でも止められていないんだろう(と推測する)筆力がビシバシ伝わってきって、とても憎めはしない。

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    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2013年05月25日

    本著の作者辺見庸が世界中を旅しながら”いまこの世界で人は何をくっているのか”をテーマに書いた「もの食う人びと」。

    「反逆する風景」は、その「もの食う人びと」と表裏一体をなす作品。「もの食う人びと」が善なるもの、新聞的なもの、自己規制されたものであれば、対して「反逆する風景」は、悪なるもの、新聞には...続きを読む

    0
    ネタバレ

    Posted by ブクログ 2014年05月10日

    出だしの表題作は良かったが、ほとんど駄文が多い。
    再読したくない。

    複数の週刊誌に書いているせいか、似たようなネタを使い回しているのも散見される。
    話題になった『もの食う人々』の裏バージョンというべきで、あちらは新聞記者として肩の凝った書き方にしてあるが、こちらは週刊誌だからだろうか、かなり下策と...続きを読む

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