左遷騎士と恋する羊飼い

阿部はるか / ウエハラ蜂

どんな場所でもいいんです。貴方と一緒にいられるなら

「いつかいなくなる人」に恋してしまった羊飼いの少女

羊飼いのニナは、行き倒れたところを国境警備兵のアルベルトに救われる。精悍で奢らない優しさを持った彼は、実はわけありの王都の騎士らしい。彼の元に身を寄せ、字を習い、辺境の慰めに羊の歌を歌う時間は、ニナにとってかけがえのないものとなっていく。でも彼はいつか王都に帰る。離ればなれになったら二度と会えない。一瞬でも彼の心を惹きたくて、ニナは聞きかじった「夜伽」を試みることに…。

• カテゴリ: TL
• ジャンル: TL小説
• 出版社: 二見書房
• 掲載誌・レーベル: ハニー文庫
• ページ数: 256ページ
• 電子版発売日: 2019年12月01日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 16MB

[aya · ★★★★★]

素敵な物語

とても優しく素敵な物語です。作者さんの後書きにもありますが、王子様やお姫様、舞踏会なんて煌びやかなものは一切出てきません。でも、主人公のヒロインとヒーローが優しく芯が強く、時には情熱的で飽きることなく読み進めれます。切ない展開もあり、涙する場面もあります。読み終えた後はなんだか1本の映画を見終えたくらいの気持ちになりました。そして意外にも閨シーンは結構濃厚に描かれていますよ。でも下品ではなく、物語に合っていて素敵でした。また読み返したくなる作品です。

[nyauko · ★★★★☆]

作者も言ってる様に舞踏会もドレスも宝石もキラキラした華やかさがない田舎が舞台の物語です
ＴＬ作品ですが、穏やかに物語は進みます。閨のシーンは濃厚ですが愛し合う二人が切なくて愛おしいと感じるました。
物語のストーリーとは無関係ですが、羊のフンを肥料にして畑にするともっと土地が肥えるのになぁーなんて。違う方向を見てしまいました。
個人的に羊さんがお気に入りだったので王都でも元気に暮らしてほしいです😁

＃胸キュン ＃切ない ＃深い

[うみたろう · ★★★★☆]

ほのぼの

うん、なんだろう。
ドロドロがある訳でも激しい描写がある訳でもありません、でもほっこりさせられる、そんな作品です。

[ぺりー · ★★★★★]

とても好きです

よいお話でした〜。
大きな山場や展開は無いけど、ヒーローとヒロインが穏やかに心を繋げていく過程がとても微笑ましく、飽きることもなくどんどん先に読み進められるので、文章力のある作家様なのだなぁ、と思いました。
王道展開、大好きです！！
ヒーローのために身を引くヒロインって、ベタベタなんですけど、やっぱり泣けますよねー。
その後二人は結ばれるとわかってるですが、やっぱりそのシーンは胸が切なくなります。
面白かったです！！

[匿名 · ★★★★★]

羊🐑

TLには珍しく、左遷された騎士と羊飼いの少女という一見地味な組み合わせで、華やかさはなく淡々と物語が進んでいくんだけど、そこがいい。
アルフレドとニナと羊との静かな暮らしの中に少しずつ降り積もっていく愛が心地よくて、とてもよかったです。

[ブクログ · ★★★★★]

本屋で見かける度に気になってたので、ついに購入。
いやもう泣いた泣いた。
すれ違いに泣かされ、ヒーローの朴念仁ぶりに泣かされ、そこからやっと結ばれたと思った矢先の不穏な展開に泣かされ。
あの雨の中追いかけてきたシーンは胸が本当にギュッと締め付けられて……最高でした（語彙力）
相手のために身を引く覚悟をしてからのあの展開、弱いんです、分かってるんです。
その時の鍵となったのが二人（と一匹）だけが知る歌というのもまたいい！
主人公が羊飼いの女性ということもあり、羊が色々ナイスアシストしてくれてました。
騎士道を見失っていたヒーローが主人公のお陰で自身の道を取り戻し、何も執着するものがなかった主人公はヒーローに求められて居場所を見つけた。
これからの未来はお互い環境や置かれた立場的に大変だと思うけれど乗り越えて、前例ない壁も乗り越えて行ってくれると信じています。
「お前は少し身軽すぎる。ひとつくらい、歩き出すのに躊躇するくらい重たいものを抱え」ることができた羊飼いの彼女がもう流されることがないように、繋ぎ止めておいてくれよ、ヒーローさん。