無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
山本多津也(1965年~)氏は、名古屋市の住宅リフォーム会社・山本ハウジングの社長であり、読書会コミュニティ「猫町俱楽部」の主宰者。
「猫町倶楽部」は、2006年に、山本氏が読書やスキルアップに意欲的な友人と4人で作った読書サークルとしてスタートし、口コミで参加者を増やし、更に、SNSのmixi上のコミュニティの立ち上げにより約2年で参加者は1,000人を超え、その後、中日新聞やNHKニュースでも紹介された。現在は、名古屋、東京、大阪、金沢、福岡の5都市で、年間約200回の読書会を開催し、10代から70代まで、延べ9,000人が参加する、日本最大規模の読書会コミュニティとなっている。
本書は、山本氏が、「猫町倶楽部」の歩みと活動内容、読書会の効果、山本氏の「猫町倶楽部」にかける思いとそれ故の運営方針等を綴ったもの。
私は習慣として読書はするものの、これまで読書会に参加したことはなく、「猫町倶楽部」のことも本書で初めて知ったのだが、このような興味深いコミュニティがあることに少々驚いたし、ネットの「猫町倶楽部」を、少し時間をかけて覗いてみようと思った。
尚、読書会の効果については、概ね想像される内容だが、「予定調和な人生における良質なノイズ」という表現は極めて的確だと感じたし、「日常の延長線上には決して発生し得なかったであろう偶然の出会いを求めて、書を持って街へ出ましょう。家の中で一人で本を読むのでなく、家の外で、みんなで読んでみましょう。知らない誰かに指定された課題本を読み、それについて知らない人と話してみる。その場には日頃あなたが読まないような本を読む人がいて、日頃接することのないような分野で働いている人がいる、日頃訪れることのないような場所で開催されている・・・そんな会に身を置いている瞬間のあなたは少なくとも、日頃あなたを包んでいるフィルターバブルの、一歩外側に出ているだろうと思うのです」というくだりは、「読書」という行為に留まらず、改めて心に留めておくべきものだと思った。
加えて、本書の大きな読みどころは、「読書会」をコミュニティとして運営するための、山本氏の様々な心掛けや工夫であり、インターネットの普及により誰もが24時間他者と繋がっていられる環境にありながら、同時に孤独を抱える人が増えている現代社会において、コミュニティとはどうあるべきかを考える上でのヒントとなることも多い。(無論、集団の性格によって、取り入れられるものも取り入れられないものもあるが)
読書会について語りながら、読書について、また、コミュニティについて考えさせてくれる、なかなかの良書である。
(2023年4月了)
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
ビジネス・実用