Posted by ブクログ 2022年06月14日
分かりやすい要素がない。そう編集者に評されたとされるこの作品だけれど、じっさい人生にわかりやすい盛り上がりも展開なんてものもない。他人のこと以上にわからない自分のことで手一杯で、だからこそ傷つきながら、迷いながら、傷付けながら手探りで進んでゆく。生きるのは痛いこと。誰もが痛みを抱えている。すぱりと切...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年10月20日
本当に、切れ味鋭いナイフのような。勢いよくではなく、静かに刃先が引かれてそっと血が出るような作品。
それはそれは静かに痛く、これまでの漫画の在り方をひっくり返す天才的な作品じゃなかろうか。
面白いか?
ー痛い。
もう一度読みたいか?
ー痛い。
あとがきがまた興味深く、「作品として成り立ってない...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年08月21日
あとがきの言葉を読んで、「わかりやすい要素がない」ことこそがこの漫画の魅力なのだと気づいた。
大仰な喜怒哀楽、ドラマチックな過去なんかは確かに作品のインパクトにはつながるけれど、そのぶんキャラクター自身を殺してしまう場合もあるんじゃないかな。
『花と頬』に出てくる、頬子や八尋くんを始めとするキャラ...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年06月12日
本を閉じてから、はぁぁ〜ってなんとも言えない溜息が出た。
あとがきにも、「わかりやすい要素がない」なんてあったけど…なんてことない会話ややり取りが非常に丁寧で、とても大切なものなんだなぁって伝わってきた。
温度とか、空気の質感、匂いとかこんな感じなんだろうなぁ〜と容易に想像できる作品が基本好きなので...続きを読む