名もなき復讐者 ZEGEN

登美丘丈

八戸で水産加工場を営む佐藤幸造のもとに、突然「女衒（ぜげん）」を自称する男が現れ、偽装結婚を持ちかけてきた。相手は、病気の夫の治療費をまかなうため、中国から出稼ぎにきている李雪蘭。彼女は女衒に斡旋された歌舞伎町の風俗マッサージ店で働いていた。幸造は迷いつつも、男の話を承諾するが……。一方、偽装結婚を取り持ち、女たちの世話をする裏で、女衒は妻を自殺に追い込んだ男たちへの復讐を続けていた――。

• カテゴリ: 小説・文芸
• ジャンル: 小説 / 国内ミステリー
• 出版社: 宝島社
• 掲載誌・レーベル: 宝島社文庫
• ページ数: 285ページ
• 電子版発売日: 2019年09月13日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 3MB

[ブクログ · ★★★★★]

面白かった。

女衒といえば怖いイメージしかないけど、この道しか生きていくすべのない女性を大事に扱う主人公のような女衒も、もしかしたらいるのかもしれない。

天涯孤独だから誰かを大事に想って、それが真っ直ぐな故に間違った判断をしてしまったり、騙されてしまったり。
なんとも切ない展開が多かったけど、最後、幸造さんと雪さんに救われた。

[ブクログ · ★★★★★]

登美丘丈『名もなき復讐者 ZEGEN 』宝島社文庫。

なかなか良いじゃないか。魂を揺さぶられるブルースが聴こえてくるような復讐と再生の物語。宝島社からはベストセラー作家が数多くデビューしているが、この作家もいずれベストセラー作家の仲間入りをするに違いない。

ある日、八戸で水産加工場を営む佐藤幸造のもとに『女衒』を名乗る男が現れ、夫の治療費を稼ぐために中国から出稼ぎに来た李雪蘭との偽装結婚を持ちかける。佐藤は考えた末に『女衒』の話を承諾する。一方の『女衒』は新宿歌舞伎町で女たちの世話をする中、妻を自殺に追い込んだ男たちへの復讐を続けるが……

巧みなプロットと感動の結末。ネットTVで連続ドラマ化されるようだ。

本体価格680円
★★★★★

[ブクログ · ★★★★☆]

面白く、どんな展開になるか考えながらじっくり読みました。
陰惨な場面もあるし、悪魔のような人物もいるし、流血もあるのだけれど、起承転結の結が良くて読後感がいい。ひっかかりを残す終わりよりもこういう方が基本的には好き。

[ブクログ · ★★★☆☆]

八戸で水産加工場を営む佐藤。
ふらりと表れた「女衒」に中国人女性との偽装結婚を持ちかけられ迷いつつも承諾する。謎多き「女衒」は新宿で女たちの働き口を斡旋しながら、自分の妻を自殺に追い込んだ男を探しており…

この小説、ドラマになってたのか…
ちょっと見てみたいな～。

[ブクログ · ★★★☆☆]

復讐を成し遂げたい女衒さん中心に
ストーリー展開され偽装結婚のふたりも
それに加わるって感じでした
あとからでてくる事実に、え？ってなる
場面もちらほらありつつそれなりな展開で
まぁまぁそんなもんかなといったところです

[ブクログ · ★★★☆☆]

孤独で根は優しい主人公のハードボイルドな復讐劇を読んでいるつもりでいた。
復讐のために残虐な殺人も厭わない主人公の人柄がどうにも憎めなくて　じんわりじんわりとあったかさまで感じてしまう。
素直とゆうか単純とゆうか、でも魅力ある主人公。
後半は、まるで違う話になったかと思うほど
復讐と程遠い人情話に変化する。
読後感がとても良い。じんわりぐっとくる。

一気にあっとゆうまに読み終わった。
後半は文章にダラダラとしつこさも感じたけど、
やっぱり優しい気持ちで完読。
読んでよかった。