日常世界を哲学する~存在論からのアプローチ~

日常世界を哲学する~存在論からのアプローチ~

ビジネス・実用
880円 (税込)

4pt

4.0

存在論とは、何かが「ある」とはどういうことかを考える哲学の一大分野。ある事実が成立するためには何が存在し、存在するもの同士はどんな関係にあるかを問題にする。例えば「安倍内閣は辺野古移転を正しいと信じている」という時の「信念」の主体は誰か、「パワハラ」は社会の中でどうあるか、「KY」の「空気」とは何かなど、世界がよって立つ基礎を考察する。哲学の最前線へ導くスリリングな講義。

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    Posted by ブクログ

    インパク知6・7
    かかった時間 120分くらいか

    存在論の専門家が、日常の現象を存在論的に説明しようとしている。おもしろい。素人にもギリギリついていける(ついていけるとは言っていない)ような、まさに筆者があとがきに書いているように、新書だからといって内容のうっすい本ではなく、ちゃんと読みごたえのある本で、おもしろかった。

    もちろん全部理解できているわけはないのだが、よかったところは、筆者がある問題(例えば「時計」というカテゴリはいかにして成立しうるのか、とか、虚構のキャラクターにおける同一性ってなに?とか)に対して、専門家たちの間でルーツとされている考え方や、マジョリティの考え方をわかりやすく示した上で、筆者自身の考えがそれらと「なぜ」、「どのように」違うのかが明確に示されている点。それによって読者も筆者と同じところで立ち止まって「そういやパワハラやったらダメってみんな言うけど、パワハラって言ってくる部下をうっとおしがってる人っているよなあ。その人たちの意志の集合と、集団の意志はズレてるかもなあ」とか「空気ってまあたしかに、他の人がそうしているから自分もそうしておこう的なところあるよなあ」とか、考えられる。あと、筆者の考え方というのが明確なぶん、ちゃんと読めばツッコミも対話も成立すると思われる(そういや最近の新書では「大家の理論の紹介」みたいなのも多くて、そういう場合、その元ネタをちゃんと読もうとは思うけど、それを噛み砕いた筆者と対話してるなって感じはあまりないな)。

    プロフィールによると、まだ40代のようで、この先も精力的に活動されるであろうことが楽しみ。前著も読んでみようかなと思った。

    0
    2019年10月14日

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