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家族、友人、ペット、健康、時間、夢や希望、そして自分の命――私たちは様々なものを失う。できれば避けて通りたい出来事ではあるが、喪失は人生と切り離せず、また何も失わない人生が幸せとは言えない。では、命ある限り生じる「心の穴」といかに向き合っていくべきか? 死生学や心理学の理論、当事者の声、死別後の悲嘆に対処するグリーフケアの実践で得られた知見を学び、来るべき喪失に備え、「その後」の日々に生かす。
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Posted by ブクログ
〜〜 死は突然にやって来る。思いがけない時にやって来る。いや、むしろ、死は、突然にしかやって来ないといってもよい。いつ来ても、その当事者は、突然に来たとしか感じないのである。生きることに安心しきっている心には、死に対する用意が、なにもできていないからである。 しかも、死というものは、ひとたび来る...続きを読むとなると、実に、あっけなく来る。 〜〜 私の妻の死に直面して新たに抱いた『死』への認識と同じ表現だ。 男という者は妻に先立たれると実に情けない存在に成り下がることが多く、数年のうちに妻を追うようにして死ぬ者も多い。それは女性の場合に比べて圧倒的に多い。それは、何故だろうか。生活力といった具体的なことではない。 私の今の心境から推測すると、それは生きることの役割の無さを、連れ合いの死によって気づいてしまうこと。そしてもう一つは、根本のところで心的に生きることを自分以外のもの(会社、妻)に依存してしまっているからなのだ。 子どもの発達過程における親と子の親密で情緒的な絆は、親は子どもにとって外界へ探索に出かける際の安全基地であるが、いつのまにか家庭のなかの男もその安全地帯にしがみついてしまうようになっていくのだ。 悲しみの捉えかたの良い言葉が載っていました。 臨床心理学者の山本力氏の言葉です。 『仮に真実を星に喩えるなら、明るい昼間、星々は見えない。夜のとばりがおりて、真っ暗になればなるほど無数の星が見えてくる。悲しみは心に夜の闇をもたらす。そして、明るいときに気づかなかった星々が見えてくる』 私が最近感じるようになったことに、“深い悲しみ”を経験することは、その人を大人へと引き上げてくれるということ。 もう60歳を越えた私ですが、まだまだ自分を子どものように思えてならないけど、その子どもなりに、この経験が世の中の、特に人との関わりかたにおいて大きく成長させてくれたことを実感している。 そしてこの本のなかにも同様の体験をした人の話や、言葉が出てするのでそれを再確認することになった。 なんかね、世の中が少し低く小さくなった感じがするんだ。 自分があの世に近づいているのだろうかと思っちゃうんだ。
・死は先のことではなく常に隣り合わせである ・後知恵バイアス →過去の後悔、起こってしまったことを、その時にまるで正確に予測して回避できるものと思ってしまうこと。事後的に予測可能であったと考える心理を後知恵バイアス。 ・人間は喪失感のなかでも適応できる能力が備わっている。今はつらくても、これから人生...続きを読むが良くなっていく。 ・喪失は人生の一部である。喪失があるから不幸ではない
10年以上に渡り応援していた俳優が逝去され、立ち直るためにこの本を手にしました。 亡くなった方が自分よりも若かったのもあり、身内の喪失と同じくらい辛かったです。 帯にある通り、「喪失のある人生は必ずしも不幸ではない」と納得しました。 喪失感があるのは、自分と故人の間に何かが存在していた証なんです。 ...続きを読む死の受け止め方、悲しみ方は人それぞれだということがよくわかっている方が書いたのも好印象でしたし、無理に早く立ち直らせようとしないところも共感できます。
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