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“絶体絶命”の状況を、人はいかに生きうるのか。突然の膵臓がん宣告、生きるための治療の選択、何を食べればいいのか、術後の戸惑い、届かぬ患者の声、死の恐怖……。患者となって初めて実感した〈いのち〉の問題を、赤裸々に真摯に哲学する。「がん時代」を生きる人へ、そして未来に向けて書き遺された、いのちをめぐる提言。
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Posted by ブクログ
何度も何度も読みました。 大切な人がどんなに辛い思いをしているのか知って、少しでも寄り添えたなら、と思ったから。 これからも読むと思う。忘れたくないから。 もっと早くこの本をきちんと探し当てていれば良かった。そうしなければならなかったのに。
著者に代わって詠める、「発病を『異任地異動』と言い切ってがんと生きる人生始める」「喜びを失わぬこと最期まで生ききることが私の願い」。
著者はドキュメンタリーなどを中心としたテレビ製作者だという。本書は著者による自身の闘病を記録したドキュメンタリーとみることができるだろう。「文系」を自認して、科学技術について正確な理解を心がけつつ簡潔に自身の心身の状況を記していこうとする姿勢には、率直に敬意を覚えた。 膵がんというきわめて困難な病と...続きを読む向き合い、「集学的治療」という言葉を実感から意味づけ、再発後の抗がん剤治療体験から「生き切る援助」が不足する現状を描く筆致は、平明ながら鋭く、また重いものがある。キューブラー・ロスの「死の受容」モデルに疑問を呈しているところなど、ひじょうに勉強になった。安易に人を励まそうとしたり、逆に悲惨な状況を感情的に描いたりする、ある種の「説教臭さ」とは無縁であり、それゆえに訴求してくる力が強い一冊と感じる。 著者が年来追いかけていた遺伝子技術について、出生前診断とがん治療を重ねながら記そうとした部分は示唆的である。テクノロジーの進歩の両義性に言及しようとしていたのだろうか。もうその時間は残されていなかったのだろうが、より十全な展開がされていればと残念に思う。
あくまでひとりのがん患者としての目線で書かれていた本であり、がん治療に関わる全ての人に対して今何が必要かを考えさせる内容でした。ラボレベルでの研究成果ももちろん重要だが、臨床試験やTRを通したscientific evidenceの重みをより深く痛感できた一冊。
五年生存率10%以下の膵臓癌にかかり、二年少しの闘病生活をテレビディレクターの眼であくまでも患者として生と死をみつめ、最後まで生きることに頑張った記録である。
報道していた著者が、手探りで情報を得て決断してきたことがわかった。情報をどう咀嚼してきたかが具体的にわかる。
私も2011・6月に胃がんステージ3の進行がんで手術。胃と脾臓を全摘。TS-1を服用。1年間の休職を経験しました。今のところ再発もなく生きています。とても他人ごととは思えず、思い出して読みながら涙することもしばしば・・・。本当に悲しい。
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〈いのち〉とがん 患者となって考えたこと
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