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「遺族の極限の悲しみ、想像を絶する修羅場」を描きつくしたと、朝日新聞等で絶賛されたベストセラー、待望の文庫化。確認までの127日間が鮮烈に描きだされる。
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Posted by ブクログ
日航機墜落事故の検屍現場。警察官と医師達の記録。 何度涙が出たことか。 悲しすぎるので違う目線で読むことにした。 通常の事件における検死のルールを当てはめたらとんでもなく仕事がまわらない。それを現状の状況に最適化し、フォーマットを決め、進めながら見直していく。まさにPDCA。 現場を見てないから...続きを読む既存ルールを適用しようとする上位組織と、感情論で訴える遺族達。その全体を俯瞰しながら統制するリーダーはすごい任務だったろうな。 各方面の第一人者含めた役割分担。 遺族の気持ちに寄り添う日赤の看護婦(当時の呼び方)達の活躍も大きくあったろう。 未曾有の事態に対し、即席で作られた組織でどう対応していくか、その仕事の凄さを見た気がした。 もちろん、従事した全員の身体も精神も削りながらの仕事だったことも深く刻まれた。 驚いたのはキリスト教徒の外国人。最後まで一部でもいいから肉親の遺体を見つけようと執念を燃やす日本人に対し、キリスト教徒の考え方は精神と肉体は別だから、この有様では生きているまい、と確認できればそれでいいと。 海外で飛行機事故にあったら現地の土の中で眠ること確定。絶対に落ちませんように。
何年経っても忘れられない衝撃の事件が日航機墜落事故だ。 山肌から立ち上る白煙、生存者の救出、黒焦げの木々、、、 悲惨な墜落現場ばかり地獄絵図として取り上げられているが、もう一つの地獄絵図が体育館にあった。 猛暑、たちこめる悪臭、遺族の嘆きや叫び、怒りに満ちた空間。 そんな中で、犠牲者の身元確認班長を...続きを読む務めた筆者が検屍から身元確認引き渡しが終わるまでの127日間を振り返った本。 最初の4日間、不眠不休で検屍や身元確認に携わった警察官、医師、看護師の方たちの早く犠牲者を家族のもとに返したいという思いに胸を打たれた。 最後の一人、1体まで諦めずに絶対家族に返したいという情熱、執念には感動した。 また、日赤の看護婦さんたちのやさしさと強さにも心打たれた。 こんな闘いが遺体安置所で行われていたとは。 なんでこんな事故が起きてしまったのか なんでこれほど多くの犠牲者を出さなければならなかったのか。 なんで私はいまだにこの事故に囚われているのか まだまだわからない
読み始めは、あまりにも悲惨な情景が浮かんで読んでいて苦しかった。でも不思議にも読み進めているうちに慣れ?なのか、淡々と読み進めることができた。著者の追体験なんて大それたことは言えないけれど、少し近く感じることができた。 この事故、今までニュースで耳にしたことはあったけれど、正直被害者の方ばかり注目し...続きを読むて、関わった方々の心情まで心を寄せられていなかった。この本を読んだのは、自分の価値観に影響したような気がする。 これからも起こり続けるであろう大災害大事故、こうやって命をかけて仕事をしている人に感謝の気持ちを忘れないようにしたい。
昔から飛行機に乗ることが多く、航空機に携わる仕事に就きたいと考えたため、航空宇宙工学が学べる大学に進学して早4年が経つ。 もう二度とあのような悲惨な事故を起こすことがないように、人を殺さない航空機を作るためにこれからも学び続けなければいけないと強く実感した。 航空宇宙に携わる人は読むべきだと思う。
凄惨の一言に尽きる。もはや人間とは思えないほどの遺体を前に、遺族を想って身元確認にあたった隊員たちの極限状態が描かれている。 航空機事故がいかにすさまじいものであるか。乗り物の安全についてもう一度深く考えねばという気持ちになった。
壮絶。 墜落したら人間の体ってバラバラになってしまうというのを嫌でも突きつけられる。 ただでも被害者の数が多いのに、バラバラになった遺体もそれぞれ数えるから遺体の数がすごい数になる。それを可能な限り遺族のもとに帰すという大変な作業。生々しい描写に苦しくなる。
悲惨すぎる。初めて読んだ類で難しい言葉も出てくるが、興味引かれる内容。突然の飛行機事故。被害者、遺族の無念の想いは計り知れない。 日本と海外の思想の違いが遺体の扱いによってわかると書いてあったが、自分は完全に日本型とおもった。遺族の遺体はやっぱり持ち帰りたいだろう。 愛する人に看取られるということは...続きを読む本当に幸せなんだと思う。突然の死というのは、本当に突然訪れる。読後の感覚を忘れなければ、周りの人をもっと大切にできるだろう。
1985年8月12日、今から30年前に、群馬県の御巣鷹山に日本航空123便(羽田発伊丹行)が墜落し、乗員乗客524名のうち520名が亡くなった。本書は、その現場で遺体の身元確認の責任者を務めた群馬県警高崎署刑事官(当時)による、127日間の壮絶な記録である。 著者が警察官を退官後執筆し、1998年に...続きを読む発刊、2015年に文庫化された。 本書には、著者がまえがきで述べる、「窓という窓を黒い幕で覆った体育館の中で、汗みどろで作業をつづける医師、看護婦、警察官らの集団。おびただしい数の死体が放つ悪臭と、もうもうと漂う線香の煙。時折、館内の喧騒をつんざいて走る女の悲鳴、号泣、そして叫喚の声。まさしく地獄絵図としかいいようのないおぞましい光景」が約300頁に亘って描かれており、ときに涙を堪えられない、心に迫るものである。 「死んで神に召されたので、遺体を引き取る必要はない」という西洋人がいる一方で、人としての形を留めず、一見、木の根や火山石にさえ見える離断遺体や部分遺体の身元確認を続ける、現場の医師、看護婦、警察官たち。。。生と死の捉え方は宗教や文化により一様ではないが、こうした宗教観・死生観・価値観を体現する人々が、日本を日本たらしめ、支えているのではないかとさえ思う。 ノンフィクション作家による取材ではなく、現場の警察官だからこそ、センシティブな心の動きが描き得ている作品とも思う。 全世代の必読書のひとつと言える。 (2015年7月了)
520人が一瞬で犠牲となった日航123便の墜落事故。その遺体の検屍、身元確認と遺体の引き渡しの最前線で責任者として現場を指揮した警察官の方が自らの体験を記したノンフィクション。航空機が墜落する事故というのがいかに凄まじい衝撃を搭乗者に強いるのか、本書に記録されている遺体確認の現場の描写によって描かれ...続きを読むています。頭部、胴体、手足がバラバラになり、場合によっては隣り合ったり前後の座席の乗客の胴体にめり込んだ部位を丁寧に分けながらの身元確認。腐敗の進行が著しく早い真夏の現場で、凄まじい死臭と格闘し続けた警察、医療関係の人々の献身的な活動の記録です。どんなに小さな部位も身元の誤認をさせない、少しでも綺麗な状態で遺体を遺族に引き渡したいという執念に近い矜持をもって作業にあたった関係者の人々の姿は自分たちの仕事に対する尋常ではない責任感とプライドを感じさせます。大きな犠牲を伴う事故の現場の記録ですから、綺麗ごとではなく、かなり残酷で読み進むのが辛くなるような描写もたくさんあります。しかしそういう状況の下でこそ「誠意をもって対応する」とはどのような事なのかを本書は読者に訴えているように思えます。
描写される遺体の状態や現場の状況があまりにも悲惨。遺体の中に別の人の遺体が入っていたり、遺体からはがれた指の皮をはめて指紋を取ったり、とてもむごい。そんな状況の中で、職務を全うした警察官や医師、歯科医師、看護師、ボランティアの方々の懸命な働きに頭が下がる。
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新装版 墜落遺体 御巣鷹山の日航機123便
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