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三度笠に合羽姿でリングイン。ユニークな出で立ちとは裏腹に、強力な左ジャブを軸とする正統派のスタイルで世界の頂点に上り詰めた男です。スポーツニッポン紙上の連載「我が道」を編さんした本書、今回はボクシングの元WBC世界ライト級王者、ガッツ石松氏が登場です。
ガッツ石松こと鈴木有二氏は1949年(昭24)6月、栃木・上都賀郡粟野町(現鹿沼市)生まれ。66年にプロデビュー。74年4月にゴンザレス(メキシコ)にKO勝利してWBC世界ライト級王座を戴冠しました。通算51戦31勝(17KO)14敗6分け、防衛5回。現役引退後も俳優・タレントとして活躍し、お茶の間の人気者となっています。
貧しさにあえぎ、地元では札つきの不良だった少年時代。中学卒業後に上京し、16歳でヨネクラジムの門を叩いてからもガッツ石松の雌伏の時代はしばらく続きます。しかし72年、長女の誕生をきっかけに一念発起。74年に3度目の世界挑戦で王者に輝くと、歓喜のパフォーマンスはリングネームにちなんだ「ガッツポーズ」として世間に定着しました。
天然ボケとユニークなキャラクターが表の面ですが、本書を読み進めると、不断の努力と理知的な思考を随所にのぞかせる裏の面も見えてきます。人生の光も影も味わった。リングで負けてもへこたれず、成功を収めてものぼせない。そんなガッツ石松氏の素顔をぜひお楽しみください。
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