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本郷先生を「メトロ」(BL)で知り、それから過去作品を買っているのですが、色々な作品が描ける作者さまです。
今回は「静かに流れる」作品でした。
あまりネタバレしない方がいいと思うので書きませんが、どちらかと言えば詩的な感じなので、ストレートに分かるお話が好きな方は苦手なお話かも知れません。
なんとも言えない空気感や読後感がとてもいいので、試し読みをしてもらって少しでも興味があれば、ぜひ読んでみてください。
オススメです‼︎
怖くて切ないんですけど。
誰でもある程度生きれば叶わない望みがあると知るし、諦めたり折り合いをつけて生きていくことになる。
よくわからない関係の二人の男性が再会し、特別感のない生活の中で、読者は推測しながら関係や状況を知ることになる。
永遠の別れとなった旅行先で芦花が雪景色の中クレアを求めて走り回るのを見て、思わず「行かないで。もう少し側にいて。」と書かれていない芦花の心情に完全にシンクロしてしまい、切なさに胸が痛んだ。
芦花はクレアの笑顔を見ながら近くで生きたかった。
クレアは孤独を癒してくれる唯一の存在である芦花に安全で幸せな人生を送って欲しかった。
二人の望みが同時に叶うことは難しく、クレアは芦花から去ることになったけれど....。
クレアが自分の心情を吐露し始めたとき、芦花は酔いが回って倒れてしまう。
詳細は描かれていないが、眠る芦花を見て冷静になったクレアは、芦花にとってのベストだと判断して何も残さず消えたのだろうことが分かる。
このように詳細を語らず、読者にとってもどかしい描き方がとても上手な作家さんです。
芦花はクレアに届けるお話を作ることで彼のいない人生に折り合いをつけるけれど、クレアはどうだろう?
彼の今後の人生にまた芦花のような彼の孤独を癒せる人は現れる?
誰にも近づき過ぎないように芦花の絵本を抱いて孤独に長い人生を生きていくことになるのでは?
それが彼の折り合いをつけた途方もなく長い人生になりそうで、怖くて切ないんですけど。
読んだことに後悔はないけれど、美しくて残酷に感じるお話でした。
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