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現代社会に警鐘を鳴らす歴史的名著。南海の酋長ツイアビは、はじめてパパラギ(=白人)たちの「文明社会」に触れた驚きを、島の人々に語って聞かせる。お金、時間、都会、機械、情報、物欲……。その内容は、深い洞察と知恵、素朴にして痛烈な啓示に満ちた文明批評として、今なお輝きを失っていない。豊かさを追い求めてモノと時間を切り刻み、無辺の闇にたどり着いてしまった私たちが、今こそ真摯に受け止めるべきメッセージ。
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Posted by ブクログ
都市化された日本や欧米文化でなかなか実感出来ない価値観を本を通して衝撃的に知らされ、何十年も印象強いです。戦争や天災など決して人事ではない災難を乗り越えたり、世界の人々と交流したりする時などに人間の原点として何処か心に留めておきたい世界観です。
現在の人間たちを昔の人が見た時にありのままに感じる姿が描かれていた。今の生活は便利に思えるが、時間など心に余裕がなくなってきていると改めて感じた。
考えがまとまらないので、あとでまた書こう。 仕事の分業が人をいらいらさせ、憎悪を育ませるというのは納得。手だけ、足だけ、頭だけを使って生きるようには、人間はできていない。
シンプルに、恥ずかしいなと思った。 そしてこのところ感じていた、この世の全てがまやかしで、本質的でないような感覚に的確な説明が与えられたようにも思えた。 必要以上にあふれるモノ、必要もないのに生み出されるモノ、そのモノのために頭を悩まし生きる我々。自らうみだした概念で自らを縛り、心を乱す我々。考える...続きを読むばかりで、自分の身体と心で世界に触れようとしない我々…。 編者や訳者の文中には、ツイアビ氏の文明描写や、提示したりする考えを笑いやおかしみをもって受け止める様子が多く見られるが、ぼくには笑いが込み上げてくるような瞬間は一切なかった。不思議でしようがない。このどこに、そんな面白みがあったか、わからない。彼の言葉は常に賢明そのもので、かつシンプルにこの世の真実を描き出している。 訳者あとがきで取り上げられている、原書の挿絵をかいたエールト=シェンクの、自分たちはもう戻ることのできない流れの中にいる…そんな言葉が胸に残っている。実はぼくだけでなく、多くの人々が本当は戻りたい、立ち止まりたいと感じている。どうやったら、紛い物ばかりのこの文明の中で、生き生きと真実の魂の輝きをもって生を全うできるだろうか?今後生きていく上で重要なテーマを与えてもらったと感じている。 まずは、考えてばかりいるのはやめて、自分の身体と心で世界を感じることを、はじめなくては。
サモアの酋長が見たパパラギ(白人)社会の文化や生活様式 なんとも奇妙なものに見えて非常に面白い 文明は私たちを幸せにするのか?考えさせられる本 マンションは「石の箱」 ドアは「木の翼」 インターホンは「女の乳首のかわいいにせもの」
2018/3/9 ・「パパラギは、巻貝のように堅い殻の中に住み、溶岩の割れ目に住むムカデのように、石と石のあいだで暮らしている。」 p.34 →価値観、文化が違いすぎて凄い文章。この章は色んなモノがさまざまな表現で形容されていて普通に面白かった ・「ーーー息をするのにもすぐに丸い金属と重たい紙が...続きを読む必要になるだろう。なぜなら、あらゆるヨーロッパ人が四六時中、新しくお金をとる理由を探しているのだから。」p.51 →痒い所に手が届くいいサービスだーーと思っていたものが、この文章を読んでから、がらっと価値観が変わった。 ・「もてなしをしたからといって何かを要求したり、何かをしてやったからといってアローファ(交換品)を欲しがるような人間を、私たちは軽蔑する---という尊いならわしを、私たちは大切にしよう。」p.59 →僕も大切にしよう。 現代社会に埋没し、見失っていた価値・感覚を呼び覚まさせてくれた良本。
サモアの酋長ツイアビが欧州視察の旅で見聞きした白人文化を、サモアの人々に語って聞かせる演説をまとめたもの。ほぼ100年前の話だが、不思議と現代と何も変わらない。忙しさ、お金、時間、仕事、機械、物欲、家族、住まい、都市・・・。白人(パパラギ)の家には光も風も届かない。腕に機械を巻きつけ、時間ばかりを気...続きを読むにしている。仕事を一つ覚え、一生その仕事から離れず魚も取れなければ畑を耕すこともできない。自然のままに生きてるサモアの人々から見ると、白人の生き方は不思議で危険なのだろう。ツイアビがサモアに人々に語りかける内容は、そのまま自分に言われているようで、なんとも気恥ずかしい気分。
痛烈な文明社会批判。耳に痛いというか胸に痛いというか……。ツイアビが生きていたのは19世紀だけれど、今読んでもまさにその通り。技術力はどんどん向上しているけれど、人間は殆ど変わっていない。 でも最早文明社会でしか生きられない身としては、ここまで軽蔑されるのはやはり哀しい。 最初に彼らと触れ合っ...続きを読むたパパラギたちが、もっと彼らを尊重し尊敬していれば、ツイアビもここまで頑なにはならなかったんだろうか。考えたところでどうしようもないけれど、つい考えてしまう。考え過ぎると不幸になるって、真理だな。 “自分探し”している人たち、自己啓発本を何冊も読み漁るより、これ一冊を読む方が色々ガツンと来るんじゃないだろうか。
読んでると、生きるってシンプルなんだなと。 何かをできないととか、何かを持っていないと、という心配や悩みは、人間としての本質じゃないのかもしれないなと考えた。 …私、悩む方向性間違ってた?悩まなくていいとこで悩んでた??みたいな、自分の悩みが、実は悩む必要なんてないんじゃないかと思えたというか。笑 ...続きを読む 子どもの頃から詰め込まれた知識、教養。その環境でのみ適用される常識。 それらにがんじがらめになっているパパラギは、知識病である… 「たったひとつ、知識病にかかった人をなおす方法は、忘れること。知識を投げすてることである。」 最近、知らない国に旅に出たいなとおもっていたけど、旅って知識を投げすてること(いらないものを壊すこと)なのかも。と思った。
西欧社会を原始的な生活をしている人からの視点で説明している一冊。 (以下、本を読んで現代社会に思ったこと) 人間はいつのまにか自然を忘れて自分だけが得するようにとばかり考えてしまうようになったのかもしれない。 世の中は資本主義、拝金主義、物質主義が蔓延っている。 現代はSDGsなどを掲げては...続きを読むいるが個々人の理解を促進するには至っていないように感じる。 今や70億を超える人間の生き方というのは地球に合っているのだろうか。 きっと隣人を愛するだけでは事足り無い。 自然を愛するまではいかなくとも自然に触れていくことが現代に求められているような気がした。
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