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Posted by ブクログ
ここ5年で読んだビジネス書の中で、僕にとってはこの本がベストでした。筆者のロバート・アラン・フェルドマン氏は、日本の大手証券会社で長年仕事をされているとはいえ、生まれもアメリカなら大学も地元アメリカの大学を卒業されています。日本の経済の歴史や国の政策や日本人の性格や働き方について、著者が日本人なんかよりよっぽど深く理解し考察されている事をこの本から知るにつれ、生粋の日本人である僕は恥ずかしさすら覚えました。この本を好きになった理由のひとつとして、経済的視点から具体的数字を出して物事を考察している点にあります。いま日本が抱えている「原発の存在とエネルギー問題」、「少子高齢化」、「教育」、「年金」、「介護」、などの問題について、ある解決策をとったら日本経済はこうなるし別の策をとったらこうなる、という考察を、データと数字を元に冷静に論じられている点です。国の総資産はいくらあって、その資産をどう分配するか、その配分を変えるには何が変わらないといけないか、という風に、極めて現実ベースでの議論がされており、なおかつ難しい言葉の解説もされているので、学問としての経済に無知な人(僕です)にとっても、非常に読みやすい本でした。この本で知って驚いた事のひとつが、社会保障費の歳出総額です。社会保障費の歳出総額は、占める割合が多い順に、(1)年金受給対象者への年金支払い費用が五十九兆円、(2)医療費(病院にいって僕らが払う3割以外の費用)が四十・九兆円、(3)介護費が十七・九兆円、(4)生活保護費が九・六兆円、(5)その他、の総額なのだそうですが、この総額は百二十七・六兆円となります。驚きなのが、この社会保障費は、政府が1年間に使う全てのお金の三分の二に当たるそうです。この(1)~(5)ってほとんど高齢者の方の為に支払われていますね。一方で、エネルギー政策(例えば原発に代わる発電システムが作れないかを研究開発する費用など)の総額は一・二兆円で、社会保障費の百分の一です。これから、エネルギー政策や子供の教育、少子化、待機児童など、未来の子供たちや未来の技術開発の為にお金を使いたい(使うべき)日本なのに、現実は、国のお金の三分の二はお年寄りの為に使われている事になります。この歳出の配分率をどう変えるか、というのが、著者がこれからの日本経済を考える上でのキーポイントのひとつであると訴える点です。こういった事を、まず知る事が出来ただけでもこの本を読んで良かったし、何か物事を考える上では様々な視点から見る事の大切さを学びました。
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