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Posted by ブクログ
幼児体験から音楽製作論まで多岐にわたる内容の濃さは読み応え十分です。
インタビュー冒頭が、港区白金台という、僕が子供時代に遊んでいた地理から出発するのも嬉しかったし、はっぴえんど後半に、細野氏自身が不安神経症に悩まされていたという証言は、たまたま自分も神経がくたびれてた時期に手に取った偶然もあって印象深い。
はっぴいえんど時代後期から、神経症と過喚起症候群に悩まされていた細野だが、それはある日を境に唐突に克服。すると今度は一転してハイになり、これまでの反動からか謎のトロピカル路線に。「TROPICAL DANDY」の製作に向かう。
つかみ所の無い細野の音楽スタイルと膨大な作品群を前に、むしろ細野の口からは、アーティストの創作の歴史が、隠遁する前の足の骨折も含めて単に個人の体質変容の連続性の結果でしかないことのように、この本では一貫して語られている。
無論、卓越した音楽プロデューサーとしての冷静な目線やマーケティング的視点も随所で発言に反映されていて読み所満載。
しかし平凡社ライブラリーの、文庫カバーがギリギリ装着できないこの中途半端な版形は何とかならないものなんじゃろかーい。
Posted by ブクログ
古書ビビビで買った。はっぴいえんどの頃の話が自分的には面白くて、その頃に細野が影響を受けた音楽や語られるアーティストが出てくると、僕は一度読むのをやめて、Apple musicで曲を調べてどんな歌かを聴いた。ヴァン・ダイク・パークスのOrange Create Artがとてもいい。細野曰く、ヴァン・ダイク・パークスは気難しかったらしいけれど。
仕事中の昼休みや旅行帰りの新幹線で読んでいたけれど、さっき自分の部屋の布団の上で読んでいたときにとてもしっくりときた。気になる音楽が出てくると、Bluetoothで繋いだコンポから細野のS-F-Xのepを流す。紫式部源氏物語、omni sight Seeingを流す。普段だったら聴くことのない不可思議なテクノの音が、本を読みながらだと遠くに聞こえてそれが心地よかった。文章で細野を感じながら、同時に音楽でも細野を感じられた。
色んな類の音楽を作ってきた細野に対して、今までどのような心境か想像するのも難しいほど広大に見えていたけれど、北中氏がどの時代のことも余さずひとつひとつ聞き、細野もそれに答えるから、読み終わって細野の見る景色を少し想像できるようになった。そのことに非常に充足感をおぼえている。
Posted by ブクログ
この人については、知れば知るほど訳がわからなくなる。とりあえず、この人と比べると私はそれよりもずっとマトモでフツウだ。それぐらいぶっ飛んだ人みたい。細野さんは。
これまで幾つもの山と谷を歩いてきた人だから、筋の通った自分をしっかりと持っている。自然や仏教や宇宙をも味方に付けた、どっしりした考え方をしているな、というのが私の中での総括。
最後の方は読んでいてもう何がなんだか分からなかったけれど、この人の音楽以外の部分を垣間見できたことだけでも大きな収穫だった。もうこれ以上深入りできないと思う。あとがきにもあったけれど、謎が謎を呼ぶんだもの、きりがない。
「分福茶釜」を読み終えたあとに持った感想とは全くちがう。あちらだけだと、「細野さんは経験豊富な、素敵なお爺ちゃん」で終わっていたもの。併せて読んでよかった。
Posted by ブクログ
1992年に出版された細野晴臣へのインタビュー集であり、幼少の頃からはっぴいえんど等における日本語ロックの創出から、トロピカル3部作に代表されるソロ作品、YMOの結成、そして再びソロ活動へ、という一連の活動が語られている。
私にとって細野晴臣というミュージシャンを始めて強く認識したのはSketch Showでのエレクトロニカ(最終的にはYMOの再活動に繋がる)と、HARRY HOSONO&WORLD SHYNESS名義でカントリー&ウェスタンを再解釈した「FLYING SAUCER 1947」であり、既にミュージシャンとしての”個”を強く感じていたものだった。一方、細野晴臣の音楽遍歴を辿ると、音楽プロデューサーとしても超一流であったということに気付く。それは本書に収められた本人の言葉を知ることで、ますます実感を新たにするものである。
そういう点では長らく廃刊状態になっている名著「レコード・プロデューサーはスーパーマンを目指す」について、早く復刊してほしい。
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