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まえがきより
中国の漢王朝は、高祖劉邦が項羽を倒して皇帝に即位してから約200年の後、
一度滅亡を挟んで約200年続いた後に曹操(そうそう)、曹丕(そうひ)親子によって再び滅亡した。
漢王朝と言えば『項羽と劉邦』や『三国志』等、王朝興亡の群雄割拠の時代は物語などでも人気だが、
漢王朝が最も巨大となったのはその治世約70年目に現れた、7代武帝の時代である。
武帝は中国の歴代皇帝と比較しても皇帝であり続けた期間が長く、
中国古代史の中でも特に際立った存在感を放っている。
その在位54年の生涯の中で、彼が行った政策とその生き様が前漢王朝の命運を決定したのだ。
前漢王朝を理解するには、武帝の生涯を理解するのが一番の早道なのである。
漢の武帝や前漢王朝について述べた書籍は既に数多く存在するが、
専門書には難解な用語や漢字、人名が出てくるために、読むにはどうしても時間がかかる。
そこで本書では中国史に興味はあるが本を読む暇がないという人のために、
漢の武帝と前漢王朝全般について出来るだけわかりやすく簡潔に説明していきたい。
本書を切欠に漢の武帝と前漢王朝、
そして複雑な興亡が入り混じる中国史の面白さと彼らの人間的魅力について興味を持って頂けたら幸いである。
目次
生い立ち=天運に恵まれた、青年皇帝の誕生=
対外戦争=代々の夢を叶えたい、皇帝の野望=
制度改革=形を変えていく、巨大帝国=
神仙思想=不老不死を願って、盲進していく=
孤独な晩年=奸臣と呪術を信じて、皇太子を自害に追い込む=
残したもの=武帝とは何者だったのか=
著者紹介
いちたか風郎(イチタカフウロウ)
1991年広島県広島市生まれ。
2013年愛媛大学法文学部人文学科卒業。
一旦は就職するが、大学で学んだ中国史の道を再び志して退職。
在職中にweb上でのフリーライターの仕事を知り、
現在はフリーライターで中国史関連の執筆を手がけながら中国史と中国語、PCスキルを勉強中。
改めて中国史への道を模索している途中である。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
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