Posted by ブクログ
2013年08月28日
しっとり純愛系の記憶喪失ものです。以前にも1冊記憶喪失ものを書かれているのですが、新作はもっとスイートでロマンティックに仕上がっています。
1年分の記憶を交通事故でなくしてしまった昌紀。彼は、深窓のお坊ちゃまという印象の20歳の社長令息。
ワンマンな父親のせいで無理矢理政略結婚させられそうになったあ...続きを読むる月夜、昌紀の部屋に窓から忍び込んできたのは、とてもカッコいい男。しかも、「お迎えに参上しました。囚われの王子様」とキザな台詞を言ってきます。なぜか悪い人には見えないと、昌紀は彼と共に屋敷を脱出することを決意します。
少々現実離れしたストーリーですが、そこがまた楽しめるところなんですよね。昌紀を助けに来た頼もしい遠山と二人で、記憶をたどる逃避行です。程々にスリリングで、かなりの激甘。
恋人同士だったらしい遠山と、遠慮しつつも楽しいとドキドキしながら行動を共にする昌紀のトキメキが微笑ましかったです。
他人行儀な態度の昌紀に手を出せずに悶々として、辛抱たまらず徐々に距離をつめていく遠山も、残念すぎるほど愛がダダ漏れでニヤリとさせられました。
もう一度恋に落ちる、というシチュエーションがツボですね。もちろん、攻の悶々とした気持ちは置いといてww
恋の記憶がなくても好きな人はやっぱり好き、なのです。
昌紀の父親の酷さには呆れましたが、執事の浅井や遠山の片腕の布目など魅力ある脇キャラが光っていました。
欲を言えば、遠山と昌紀がどんな風に今まで愛を育んできたのか具体的に描かれていなかったのがもの足りなかったですね。そういう回想シーンがあれば、もっとグッときたかも。