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東京大学在学中に、禅の世界からカトリックに改宗した奥村一郎師は、卒業後、フランスのカルメル会に入会し、司祭に叙階された。2年後に帰国してからは、他宗教との対話・交流にかかわり、キリスト教を日本人の感性から説いていった。祈りについて書かれた本書も、日本人独特の宗教心にそっている。初版は1974年だが、2008年に20刷を迎えたロングセラーだ。祈りとは単純なものであり、一方、生涯にわたって追求するに値する奥深いものである。呼吸のようなものであり、貴重な宝である。人間に欠くことのできない祈りについて、わかりやすく語っている本書は、新書版の200ページ足らずの本だが、祈りの導入の書としてまた解説書として名著である。
...続きを読むPosted by ブクログ 2019年12月20日
・信仰とは、知性の暗黒をとおして神を見ること
・祈りは、神に語りかけ願い事を言うよりも、「神に聞く」ということに重点がある。神の望みを望みとする願い。
・キリスト教の祈りは、生活の祈り流れをせき止めるダム=断つ祈り
・断つ祈りによって、すべて同じく虚妄に帰する人間であることを身をもって知る
・祈りの...続きを読む
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