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Posted by ブクログ
大沢氏が送る、ノワール小説。
最初から最後まで、暗い空気、重い雰囲気。これを日本を舞台にやれてしまうのは、さすがだな、と思う。
その反面、やはり少し設定に無理が生じている。いや、もしかしたらわたしの知らない世界では、こういう人物が日本でも存在しているのかもしれないけれども。
「烙印」とは、登場人物それぞれが持つ過去のこと。
元凄腕の傭兵。今は性転換してボディガードをしている、元ムエタイのトップ選手。元海兵隊の女性兵士。謎の女殺し屋。それぞれが、現在へ持ち越している過去が刻まれている。
それでは、主人公の烙印とは?そして、最後の最後に明かされる、影の主人公の烙印とは?
……大沢氏にも当たり外れはある。でも、たとえ「外れ?」と思った作品でも、他の作家の作品の数倍のクオリティが保てるというのは、氏の類稀な才能だと思う。単にわたしの好みにあっているだけ、という気もするけれど(笑)。
Posted by ブクログ
ふぅ。烙印の森を読み終えた。ふだん読み馴れない文体で少々疲れた。省略を多投した簡潔な文章。省かれて説明されなかった言葉やセリフをこちらで補わねばならない。ハードボイルドというのは頭の回転の速い者の読み物だってことを認識させられる。
メジロー、鹿屋(けや)、福耳、マーク、シェリル、L・T、そしてフクロウ。彼らは一様に不具者だ。まともではない。軍隊上がりの女、整形男、怒りが尋常でない男、片腕のない男色家、性転換美女、女装趣味の男、車椅子の機械通…。日頃の私の生活ではあまりお目にかかることのない、これら人種の一挙手一投足に巻かれないよう気をつけるのにも骨が折れた。
プロの殺し屋フクロウの行方を追う者たちのそれぞれの思いと動機。
フクロウとは何者か…。
メジローの隠された過去…。
シェリルがL・Tの実力をテストするため椿と闘わせるシーンはシビれる。フクロウと貢との関係は意外。だが私は、何よりラストで凄腕の殺し屋同士による銃撃戦や殴り合いを期待していた。裏切られた。あっさりすぎた。確かに一撃必殺で片が付くには短時間で済むには済む。しかしだ。
…いや、よそう。主人公が求めたのは説明だ。絆こそ命だ。仕方あるまい。どうやら私の体には、無抵抗の血が流れているようだ。
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