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【第2回講談社科学出版賞】 現在の定説「放射線はどんなに微量でも毒」への科学的反証。放射線の健康影響資料と動物実験を厳密に調査し、少しの被ばくなら危険ではない多数の証拠を記述。最近の生命科学でわかりはじめた「人体防御機能のすばらしさの秘密」の一部を紹介。「放射線は少しなら心配無用」といえる科学の時代がきたことを本書は告げる。(ブルーバックス・1998年12月刊)
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Posted by ブクログ
発がんの危険率に”安全量”はないと考える直線閾値なし仮説の考え方は、1985年の最初の国連科学委員会で、遺伝学者が主張して、医学者の反対を押し切って国際的合意として採用され、以後、国際放射線防護委員会(ICRP)はこの考え方を基本としている。
池田信夫さんのブログ2011.04.26には、ICRPは「この仮説は放射線管理の目的のためにのみ用いられるべきものであり、すでに起こった微量の被ばくについてのリスクを評価するために用いるのは適切でない」と警告していると紹介してあった。
本書の様に、人体への放射線の影響を正しく理解し評価することが大切だが、日本では何故、魔女狩り的な新興宗教的な拒否反応をもって放射能を語る空気が出来上がってしまったんだろう。
Posted by ブクログ
著者は原爆投下後の広島で、実際に被曝サンプルを集めて調べたことをスタートとし、生物への放射線の影響を研究してきた、物理学と遺伝学と基礎医学の学者。
原爆被曝の急性症や放射性物質事故の白血病やがん発病などの統計と、胎児被曝も含む動物実験から、「直線しきい値なし説はどうも当てはまらない、それはなぜか?」を、細胞分裂とがん発病の仕組みに始まり、放射線や紫外線等の刺激で傷ついたDNAがどのように自身を修復するか、あるいは不完全な複製だった細胞が死滅するか、それらがなぜ細胞ががん化することにつながるのか、をタンパク質の分子レベルまで遡って説明する。
専門的で難しいところも敢えてそのまま、今分かっていることは詳しく入れてある。難しいことはすっとばして怖いだの安全だのいうのより余程マシ。
今分かっていることをつなげているので、わかっていない遺伝因子がある場合はどうなの?とか、DNAのコピーががうまくいってない細胞は自滅するからってそれは不妊ってことよね?とかは思う。
ただそれは昨今の遺伝子医学本でカバーできる。はず。
結論は、短時間に浴びるのではない、10ラド(100mSv相当)の放射線被曝のリスクは、酸素とか紫外線の影響で1日に自然発生するDNA二本鎖切断と同程度(P238)ということ。
※内部被曝も外部被曝も、放射線が細胞のDNAに対してやることは同じなので影響の仕組みは同じ。違いはその細胞が細胞分裂をする組織かどうか。III章のP99 以降に書いてある。
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