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Posted by ブクログ
60‘sロックの両雄ビートルズとボブ・ディランとの交流にテーマを絞って書かれた本。お互いに深い影響を与え合った関係が、クロノロジカルに跡付けられる。
とりわけ1964年8月28日、ニューヨークのホテルで両者が初めて顔を合わせた日の記録は興味深い(第5章)。仲介したロック評論家のアル・アロノヴィッツによれば「この日の出会いを境に、ビートルズが思索的な方向に舵を切り、ディランがエレクトリック・ギターを手に取った」。この時ディランはビートルズの4人にマリファナを教えたという。
ディランともっとも親密な付き合いを続けたビートルズのメンバーといえば、ジョージ・ハリスンである。1971年のチャリティー・コンサート「バングラデシュ」での共演から1988年のトラヴェリング・ウィルベリーズ結成まで、どちらかというとジョージがディランを「持ち上げる」形ではあったが、2人の友情はファンにとっても心温まるものがある。ジョン・レノンも勿論ディランから強烈な影響を受けたのだが、この2人はどちらかと言えばライバル同士であり、一緒にバンドを組むような間柄には絶対になりそうもない個性であった。
ポールとディランにはあまり接点が無さそうだが、80歳を超えてもなお音楽活動を続けるこの2人は意外と「似て」いるのかも知れない。
Posted by ブクログ
ビートルズ(主にジョンとジョージ)とボブ・ディランの交友が、それぞれの音楽に与えた影響を、史実やディスコグラフィー、本人や関係者へのインタビューをもとに紐解く一冊。
ビートルズは、アコースティックギターをかき鳴らすフォークシンガーだったボブ・ディランに、バンド編成とエレキギターという新たな表現の可能性を示した。一方でディランは、ビートルズに歌詞の世界を広げるきっかけを与えた。また、初対面の際にマリファナを教えたことが、『ラバー・ソウル』から『リボルバー』、そして『サージェント・ペパーズ』や『マジカル・ミステリー・ツアー』へと続く、あのサイケデリックな世界観につながっていくという「点と点のつながり」が面白い。
最も影響を与え合ったジョンとディランは、お互いに強い自負もあってか、創造的なパートナーにはなれなかった。でも、ジョンやポールの存在に窮屈さを感じていたジョージ・ハリスンはディランと深く親交を結び、後には一緒にバンドまで組む。しかも年下のジョージがリーダー。その人間関係の対比も興味深い。
それにしても驚かされるのは60年代ロックの進化のスピード。ビートルズの全アルバムが発表された時期と重なるように、ディランは『フリーホイーリン』(1963)、『Highway 61 Revisited』(1965)、『ブロンド・オン・ブロンド』(1966)といった歴史的名盤を次々と発表。さらに同時代にはストーンズやビーチ・ボーイズもいる。
わずか数年の間にロックは劇的な変貌を遂げた。本書は、その大きな源流としてエルヴィス・プレスリーの存在にもきちんと触れている。しかも読みやすい。
『While My Guitar Gently Weeps』にまつわるエリック・クラプトンのエピソードなど、他にもさまざまなミュージシャンが登場するのも楽しい。
ただし、本書はあくまで筆者が史実や証言をもとに「点と点をつないで」描いた一つの解釈でもあるので、その点は頭の片隅に置きながら読んだ。
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