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「公害の原点」と呼ばれる水俣病事件から50年もの間、患者の側に立ち続けた医師、原田正純。世界のあちこちで公害病の人たちを診察し、水俣から社会のひずみを訴え続けた。原発事故後の今、過去を知り、未来に活かすことの大切さを伝える。
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Posted by ブクログ
子供たちにとって、「教科書の中だけの話」になりつつある、水俣病をはじめとした公害病。 でも、今現在も、その病気に苦しんでいる人、取り組んでいる人はいます。 戦争の話もそうですし、昨今では放射能汚染の問題もそうですが、目を背けたくなるような現実について書かれた本は、なかなか読まれません。 学校で勉強し...続きを読むている、という理由でもない限り、子供たちはなかなか手に取らない。 私たち司書がお勧めの本を紹介するときにも、やはり、楽しみのための読書として提供しようと思うと、楽しい気持ちだけでは読めないこの本なんかは、どうしても進めにくいのが現実です。 でも、こうやって、本を通してでもそれを読み、それを知ることはとても大事なことだと思うのです。 もちろんみんな、受けた体験も違えば立場も違う、なるべく数多くの本を読み、色んな事例を知ることが、それを「教科書の中だけの出来事」に留めない手段の一つだと思うのです。 もちろん、修学旅行や社会科見学なんかで、その現場を実際に見ることも大切だと思います。 でも、その前、その後に、またこうして本を読むことによって、その理解はより深まり、それが現実として認識しやすくなるのではないかと思います。 それを忘れないために、繰り返さないために。
弱い者を踏みつけにしている社会に生きていることが、つらい。平等に生きようと思っている人間なんて一人もいない。誰もが人より上に立とうと努力している。自分より下の人間はいないか必死で探し回っている。 『公害の起きたところに、差別が生まれるのだと思っていたけれど、ちがうね。もともと差別のあるところに、公害...続きを読むが起きる』本当にその通りだ。もしも水俣病にかかったのが総理大臣などだったら、必死で原因を究明して措置を講じただろう。被害にあったのが何の権力も持たない民草だったから踏みつけにされたのだ。 こんな昔から、国の不正に気づいて動いていた人がいたのに、また福島で同じような構造の差別が起きている。何をどうすれば国が変わっていくのか、見当もつかない。弱い者が踏みにじられるたびに、この世界に生きていることに嫌気がさす。
中学年、課題図書。 生涯、水俣病の患者に立ち続けた医師の50年ものノンフィクション。 この50年は、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそく、カネミ油症など様々な公害の50年でもあり、これらも紹介されている。 被害者たちが、おざなりにされてきた過去。害があると分かっていながら、動かない政府。読め...続きを読むば読むほど、原発事故が連想され、国の変わらなさを感じたが、最後にはやはり原発事故についても出てきた。 中学年には難しい内容ではあると思うが、このような過去があったことを知り、同じようなことを二度と起こさないと感じてくれることを期待する。
四大公害病については、小学生のころから教科書で学んだり、受験の知識として覚えたり、資料書籍の中で考えを深めたりしてきたが、現代においては特に大人の社会の中では風化してきてしまっているように感じる。 改めて水俣病のことを考えることで、様々な社会問題に目を向けることの大切さを再確認した。
2014年度青少年全国読書感想文コンクール中学年課題図書。 他の方も書いているとおり、なぜこれが中学年? 公害について学ぶ5年からが適切だと思うのに。 『カブトムシ、山にかえる』と交換すれば良かったと思う。 選書者のうちだれも気づかなかったのか? 本当にこの課題図書の選定をする人たちって 一体誰な...続きを読むんだろう? こういう本を高学年に読むチャンスを与えるのが この課題図書の大きな責任の1つなのでは? 仕事の怠慢を感じる。 対象学年はともかく、重たい話だった。 見てしまった者の責任。 よくわかる。 軽重のちがいこそあれ、人はなにかしらそういった責任を負っている部分ってある。 貧困をなくさないと公害を無くせないというのもわかる。 弱者に決して優しくないのが国や企業なのだから。 いろいろ考えさせられる。 『みなまたの木』も読んでみたい。
中学年向けの課題図書になっていますが、3年生では難しい気がします。4年生以上かな。ホントは5年生で環境問題を扱うからその時にブックトークできるといいのでしょうね。グループワークに適した題材を扱っているのかな今年の課題図書は?しかしこれらの問題はやはり誰かから伝えられないと気づかない問題でもあると思う...続きを読むので、課題図書とされたことは良かったかも。
水俣病認定の活動に長年携わった医師原田正純氏の伝記。作者は,原田氏との交流によって絵本「みなまたの木」を著す。その交流での内容がこの本のベースになっている。小中学生向けかな。
文章がときたま前後したり、あれ?と思う部分もあったのですが、 「この本を通して何が言いたいのか」ということが 最後までブレずにまっすぐ伝わってきました。 中学年の課題図書というのは確かに疑問です。 公害に関心を持つきっかけにはなるかもしれませんが。 課題図書の選定って本当にふしぎです…。
小学校中学年の課題図書。ちょっと難しいんでは?と思いました(^-^; でも、水俣病、公害問題の現状を学べる良い本です。 本の中に出てきた絵本も読んでみたい。
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