無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで201万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
もともとサバイバルのノンフィクションが好きだ。その中でも、終戦を知らずにジャングルで隠れ生き延びた旧日本兵の話に興味があり、数冊選んだうちの1冊である。
一言でいうと、すさまじかった。感動した。
著者を含む日本軍17人は、ニューギニアに終戦直前に派遣されたが、敵の爆撃を受けてジャングルに着の身着のまま逃げ込んだ。そこから隠れながらのサバイバル生活が始まる。山に畑を作り、狩りをし魚を釣り、家畜を育て、現地人と交流し、現地語を覚え、監督者に発見されるまでなんと10年もの間、山奥に生き延びたのだ。
当時ろくなツールもないのに、著者たちの記憶だけを頼りに書かれた本書は克明な記録である。激しいマラリアや、終戦前には敵の銃撃を受け、仲間は次々と亡くなっていった。壮絶な苦労の末に山での生活に慣れ、食料の調達も改善していったが、彼らの心にあるのは母国だった。
最初の戦争の部分はあまり面白くなく、小さいフォントに挫折しそうになったが、サバイバル生活6年目くらいに現地人と知り合い、交流を深めるようになってからの描写がなかなか面白かった。
現地の官憲に日本に送り返されることになり、終戦を知った時の衝撃はいかに。それにしても、希望を捨てない彼らのメンタルの強さには感動した。日本に帰れて本当によかった。
Posted by ブクログ
激戦、籠城、原始生活、現地民との交流…。
心にささるのは、各年の正月の手記に書かれた筆者の思いである。祖国、肉親がどうなったか、もはや戻る場所も頼る人も自分を待つ人もいないのかもしれない、世界に忘れ去られたような離島に、わずかな日本兵とともに隔絶された孤独、寂しさ、不安、恐怖。そういった感情たるや、平和な世に生きる僕には到底想像もできない怖い暗いものだ。
農園の開拓や食料の確保のための創意工夫や、現地民との交流は、一見すると楽しそうではある。しかし、その活動の裏には前述の暗い気持ちが絶えずあったのであり、活動に打ち込むことにより、死につながる暗い気持ちを振り払おうとしていたのであろう。壮絶な、精神的なサバイバルでもある。
こんな苦労や辛さをしたくない、という正直な気持ちを大事にしたい。自分だけでなく、周りの人、後世の人にも。そうならないために、最近キナ臭いが、悲惨な戦争を再び起こさないように、そういった気持ちを今一度強くした。今僕に、僕たちに何ができるか、大事なことに思いをはせるきっかけとなる良書であった。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。