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Posted by ブクログ
幸い、今のとこ、そんな経験はないのだが、幽霊か動く新鮮な死人に背後から抱きしめられた時に全身に広がる寒気と、この『瑠璃宮夢幻古物店』を読み終わった際に広がって、簡単に抜けなくなっているゾワゾワは近しいのではないか
単純な怖さじゃないモノが、緻密なストーリーの中に織り込まれている
内容は、“いわくつき”の古物を、心に重い悩みを抱えている人間が主役の女店主から買い、その古物を自分の器では扱いきれなくなり、破滅に到る流れを描いている
まぁ、『バベルハイムの商人』に近しい、と言ってもいい
なので、『バベルハイムの商人』に苦手意識を持っている読み手はあえて、こっちを読むと好きになれるやもしれん
人が手に入れて、使ってこそ、道具は道具になりうる。道具には善意も悪意もなく、即物的だ。詰まるところ、人は自分で自分を破滅に追いやっているのであり、その道具は分岐点に過ぎない。持ち主が、道具の魔力に負けない頑強な精神力さえ持っていれば、問題なかった。まぁ、心の強い人間ばかりが出てきたら、話が面白くならない訳だが
人は弱い、自分を上辺だけでも癒してくれる道具に振り回されても仕方ないのかも知れない、としみじみ思える
責任は、道具を売った人間でなく、道具を買うと自分の意志で決めた客が取らなきゃいけないのだ。だから、この妖しい店の店主・瑠璃宮真央のスタイルは真っ当だ
この『瑠璃宮夢幻古物店』と『バベルハイムの商人』、どちらにも互いに負けない良さがあるので、甲乙はつけづらい。ただ、どちらが面白いか、でなく、優位にするかと言えば、こちらだ。理由は一つ、瑠璃宮真央が美人だから。『黒犬』の優樹と言う漫画読みは、男より美しい女性を優遇するのですよ、えぇ
これはあくまで、私の勝手な推測ではあるが、店主の瑠璃宮真央は、かつて、強力な効果を持つ何らかの古物で、結果的にか、もしくは、自ら望んでか、は定かじゃないにしろ、今現在は人と人じゃないモノの中間に立っているんじゃないだろうか。でなきゃ、人と力を持つ古物を繋ぐ『存在』になれないはずだ
作品内に登場する品物は、各話に登場するキャラクターと縁があったからこそ、手に入ったものなので、欲しがった所で同じ物は私の元には訪れないだろうが、第一話に登場し、姉妹の関係性を粉々にした、銀細工の手鏡だけは御免蒙るな。逆に、縁があるなら来てほしい、と思ったのは消えない記憶を残せるアクリル製の万年筆かな
Posted by ブクログ
不思議な力を持った古道具を扱う古物店のお話。
店長はどこか謎めいた女性・瑠璃宮真央。いわくのある古物を売る。そのあとはもう、道具を手にした人間次第。
道具は手にした人間によって良くも悪くもなるというお話で、前半は1話完結形式、後半は話が続いている。
1話目は心を映す鏡の話。道具の設定は目新しくないけれど、鏡をきっかけに吹き出る姉妹のやりとりが面白い。
2話目は過去を映す老眼鏡。幻だとわかっていても手放せない。
3話目、ぬいぐるみのお友達。ゆいかちゃん、超いい子!ほんのりあたたかいお話。一番好き。
4話目5話目、おじいちゃんの香炉。一家をまとめていた人が亡くなり、遺品を手放すことになったが、そのことについて家族の中で揉め事があり…。段々家族がひずんでいく、その過程が怖かった。
6話目、渡りの同業者・横溝ゆかり登場。どんな形であれお客様が幸せになれるものを売るのがモットー。真央さんよりもやりたいことがハッキリしているけれど、不気味さはどっちもどっち。2話で出てきた家族が再登場する。
7話目。4・5話で出てきた少女が瑠璃宮古物店へ、雇ってくれと押しかける。次巻へ続く。
6話目まではダークな雰囲気で良かったのに、7話目で少女が出てくることで賑やかな雰囲気に変わってしまう。また、6話・7話では今までに出てきた人物が再登場する。これがとても残念だった。不幸な道を辿った人を救いたいのかもしれないけれど、物語のその後を想像するという余韻に浸りたい私は、がっかりした。
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少年・青年マンガ
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