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Posted by ブクログ
最近の心理学概説書で目に触れることの多いヴィゴツキー。中でも<発達の最近説領域>の理論が有名だが、他にも偉大な教育心理学者であったことが本書から伺えた。なんと骨太な学者なんだろう。ピアジェの研究との異同も興味深い。また、日本でのヴィゴツキー受容に関する記述も。
・話し言葉の無意識性、書き言葉の意識性と随意性。書き言葉は話し言葉とは違って高度の抽象性を特質としている。二重の抽象性(音声的側面と対話者)。
・相似:生活概念と科学概念の発達、母語と外国語の発達、話し言葉と書き言葉の発達。物から概念。概念から物。
・書き言葉の前史に,身振り手振り、図式的描画、ごっこ遊びがある(象徴的機能の発生)
・低学年への文字学習の強制と児童中心主義のバランスをとるのが教育。書き言葉に対する動機は自然発生的に発達しない。
・概念的・論理的思考は思春期のはじまりに要求される。
・性的興味の現れ方は、社会的・歴史的性格を帯びている。
・芸術作品の受容が多義性を持ちうること。道徳的ドグマに追い込むべきではないこと。
・「美的反応の究極の目的は何らかの現実的反応を繰り返すことではなく、それに打ち勝ち、勝利すること」「美的体験は将来への高度宇へのエネルギーを蓄え、それに新しい方向をあたえ、世界を新しい目で眺めさせる」
・たとえば「悲哀」をうたった詩の究極の目的は、悲しみを伝えるだけではなく、それを乗り越えることが目的。
・「芸術における想像と知覚の活動の同一性は来補netキナ心理学的前提」
・一次的障害と二次的障害の立て分け。
・知的障害児教育における組み合わせの効果。
Posted by ブクログ
限りなく★5つに近い4。
その理由は、自分の理解力不足な部分があったため。
ヴィゴツキーはホント最近知った心理学者であるが、
この本を読んでいるさなか、職場の2年目の後輩が、
初任研の継続研修で、ヴィゴツキーを研究している方の講演を聴いてきたとのこと。
これは心強いなと。
教員としておすすめの章は、
第1章の2 〈発達の最近接領域〉の理論
第3章 話しことば・書きことば・内言の発達
第4章の3 ことばの自覚性と随意性の発達
第7章 障害児の発達と教育
第8章 教育における環境と教師の役割
この本をきっかけに読みたい本
『教育心理学講義』→『「発達の最近接領域」の理論』
Posted by ブクログ
ヴィゴーツキーの理論「文化的―歴史的発達理論」とは何なのか。
それは大まかに言えば「心理学の危機」を克服しようとした目的から構築された理論である。
心理学の危機とは、心理学の諸流派が心理学の理論を別の学問にまで広げ
新しい世界観を作っていることで、それは説明的なもの(意識を研究対象から外す)と
記述的なもの(非科学的)に2分される。
これの克服に努めた彼の理論は、自然で直接的な心理機能は
言葉の媒介によって間接的なものになり、人との関わりから学ぶことで
内部に高次の心理機能が生まれるという考えが根底にある。
その考えをもとに発した彼の理論について、ピアジェの理論と比較しつつ説明した本だった。
ヴィゴーツキーの面白さが、特に前半でひしひしと伝わってくる本だった。
思春期の心理や障碍児教育にまで章が割かれている点も良かった。
ただ、思春期の真理に関する理論は、ヴィゴーツキーもフロイトの
リビドーの理論から抜け出せていない気もした。
Posted by ブクログ
ほぼ理解不能だったので、星3つ。
ただ後半の7章「障害児の発達と教育」、8章「教育における環境と教師の役割」は、分かり易く興味深い内容だった。
私の知識不足で理解が出来なかったのが一番の理由だと思うが、あとがきの著者のまどろっこしい文章に触れたときに、私の知識不足だけではなく著者の言葉選びも本書を難しくしている一因ではないかと思った。
夭逝した彼は心理学のモーツアルトとも言われているのだが、彼が長く生きたらさらに素晴らしい見解を示してくれただろうと思う。
本書の理解は断片的だが、それでも彼の考えに興味を持ったので別の書物にもあたって理解を深めたいと思う。
Posted by ブクログ
子どもの発達状態を評価するとき、どのように見ればいいでしょうか。学校の成績も入学試験も、だいたいはペーパーテストでみますよね。これ、教科書を見たり友達に教えてもらったりしたら、怒られてしまいます。ペーパーテストはひとりで解かなきゃいけない。自力で最初から最後までやれてはじめて点数になるのです。
こういう評価の仕方って、実は子どもの一面的な部分しか評価していないのかもしれません。たとえばここに、小学5年生で、ペーパーテストの成績が同じくらいの2人の子がいたとしましょう。その子たちに、小学6年生の問題を解かせてみる。当然、ひとりで解くというのは出来ないのですが、先生とか親が手助けをしながらだったら解けるかもしれません。1人の子のほうは、小学6年生の問題までなら手助けありで解けた。もう1人の子のほうは、中学2年生の問題までなら手助けありで解けた。こういう差は出てくるものです。これを無視して同じ評価をするべきではない、むしろ、ヒントありでどこまで解けるかというほうが重要である。こう解いたのが、ヴィゴツキーの「発達の際近接領域の理論」です。
ヴィゴツキーは、心理学におけるモーツァルトと呼ばれるような早熟の天才(そして短命)であり、心理学の中でも、教育や発達に関する内容について多く研究しています。話しことばと書きことば、生活的概念と科学的概念といった対比を用いながら、どのように思考を獲得していくかについて、興味深い分析がなされています。
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