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創業120年余の老舗旅館を「家業から企業へ」
伝統を守りながら、組織を変える
世界遺産・嚴島神社のある宮島で、「錦水館」の6代目が挑んだ経営改革
長い歴史を持つ旅館には、その土地ならではの文化やおもてなし、長年培ってきた仕事のやり方があります。一方で、人手不足や働き方の変化、デジタル化、旅行者のニーズの多様化など、宿泊業を取り巻く環境は大きく変わっています。伝統を守るだけでは時代に取り残されてしまいますが、効率化だけを優先すれば、その宿ならではの価値まで失いかねません。老舗にとって難しいのは、まさに「何を変え、何を残すか」を見極めることです。
著者は、世界遺産・嚴島神社を擁する宮島で1902年から続く老舗旅館の6代目経営者です。ウェブマーケティングやDX、人事制度の整備、組織改革などを進めながら、トップダウン型だった組織を、スタッフ一人ひとりが自ら考え動く組織へと変えてきました。
その結果、離職率は約24%から10%台へ改善。経済産業省のDX認定も取得し、リピート率や新規顧客数も向上。利益は社長就任当時の約3倍になりました。
しかし、その改革は決して順調に進んだわけではありません。「昔からこうしている」という慣習、部門間の壁、曖昧な評価制度、デジタル化への抵抗――。著者自身も失敗や社員の離職を経験しながら、現場の声を聞き、少しずつ組織の仕組みを変えていきました。
本書では、オンライン集客への転換、業務のデジタル化、人事・評価制度の見直し、スタッフが主体的に動く組織づくりなど、老舗旅館が「家業から企業へ」と変わっていく過程を紹介します。一方で、単に古いものを捨てるのではなく、お客様への気遣いや地域とのつながりなど、長い年月のなかで育まれてきた価値をどう残していくかについても描いています。
伝統を受け継ぎながら、時代に合わせて組織や経営のあり方をどう変えていけばよいのか。人材定着や業務効率化、事業承継に悩む宿泊・観光業の経営者や、老舗・地域企業の変革に携わる人に、組織を次の世代へつなぐためのヒントを示す一冊です。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
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