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二国家解決は潰えた、一国家解決も望み薄……
パレスチナはどうなっていくのか?
独創的なユダヤ文化研究家が、この膠着状態に新たな視座を与える、画期的マニフェスト。
長年にわたってユダヤ文化を研究してきた著者が、「ユダヤ人とは何か」という問いに関する相互に排他的な二項対立、〈宗教〉と〈国民〉の矛盾点を明らかにし、ユダヤ人のアイデンティティ問題に対する解決策(=ディアスポラ民族)を提唱する。
「ユダヤの民族意識」の新たな理解に向けた、画期的マニフェスト。
「イスラエルとパレスチナをめぐっては、いままさに「国家」そのものが争点となりつつある。だからこそ、幅広い学識に裏打ちされた反シオニストのユダヤ知識人による説得力あるイスラエル批判、とりわけ「無国家解決」という根底的な提起を日本の読者にあらためて紹介することに大きな意義があると私たちは考えた。そのことはまた、近年、シオニズムの言説のみならず一部の欧米諸国の政策にも反映されつつある、イスラエル批判を反ユダヤ主義と同一視する有害な風潮に抗うことにもつながるはずである。」――本書「解説」より
【目次】
まえがき
序章 新たなユダヤ人問題
第1章 もっともらしい物語──ディアスポラはいかにして生まれたか
第2章 悪しき信仰──ユダヤ人はなぜ宗教ではないのか
第3章 悪しき血──ユダヤ人はなぜ人種ではないのか
第4章 ジュダイチュード/ネグリチュード
第5章 イスラエルなきシオニズム
第6章 ディアスポラ民族(ネ イション)
第7章 ユダヤランドの子守唄
第8章 私は何を考えていたのか
謝辞
解説
原注/参考文献/索引
【著者プロフィール】
ダニエル・ボヤーリン(Daniel Boyarin)(著)
カリフォルニア大学バークレー校教授。ユダヤ文化研究。邦訳書に、『ユダヤ教の福音書――ユダヤ教の枠内のキリストの物語』(土岐健治訳、教文館、2013年)、弟のジョナサン・ボヤーリンとの共著『ディアスポラの力──ユダヤ文化の今日性をめぐる試論』(赤尾光春・早尾貴紀訳、平凡社、2008年)がある。
赤尾 光春 (あかお・みつはる)(訳)
国立民族学博物館特任助教。専門はユダヤ文化研究、ウクライナ・ロシア地域研究。1972年、横浜生まれ。総合研究大学院大学博士後期課程修了(学術博士)。
主な共編著書に、『ウクライナ文化の挑戦──激動の時代を越えて』(幻戯書房)、『ユダヤ人と自治──中東欧・ロシアにおけるディアスポラ共同体の興亡』(岩波書店)、『シオニズムの解剖──現代ユダヤ世界におけるディアスポラとイスラエルの相克』(人文書院)など。主な共訳書に、ドヴィド・ベルゲルソン+デル・ニステル『二匹のけだもの/なけなしの財産 他五篇』(幻戯書房)、ワシーリー・グロスマン『トレブリンカの地獄──ワシーリー・グロスマン前期作品集』(みすず書房)、S・アン=スキ+ヴィトルト・ゴンブローヴィチ『ディブック/ブルグント公女イヴォナ』(未知谷)など。
早尾 貴紀(はやお・たかのり)(訳)
東京経済大学教授。専門はパレスチナ/イスラエル研究、社会思想史研究。1973年、福島県生まれ。東北大学経済学研究科博士課程修了。
主な著書に、『いつの日かガザが私たちを打ち負かすだろう──早尾貴紀対談集』(青土社)、『パレスチナ、イスラエル、そして日本のわたしたち──〈民族浄化〉の原因はどこにあるのか』(皓星社)、『イスラエルについて知っておきたい30のこと』(平凡社)など。主な訳書に、ハミッド・ダバシ『ポスト・オリエンタリズム 新装版──テロの時代における知と権力』(作品社)『イスラエル=アメリカの新植民地主義──ガザ〈10.7〉以後の世界』(地平社)、イラン・パペ『イスラエル・パレスチナ紛争をゼロから理解する』(監訳、河出新書)など。
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