ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
相次ぐJR北海道の事故・不祥事を招いたものは何か? 背景にあるいわゆる「JR三島会社」の経営難や、国鉄民営化の際の見通しの甘さを踏まえ、その構造的問題を指摘する。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
2011年から13年にかけて、JR北海道で相次いで起こった脱線事故や車両の不具合の原因を分析し、安全が担保できない程の経営難であることを含め、JR北海道が抱える構造的な問題を指摘した本。事故の解説については技術的なことも含め、鉄道経営の話についてはデータを駆使して、問題点と筆者の提言がなされる。 ...続きを読む 『JR崩壊』というのは物騒、というか落ち着かないタイトルだとおれは思ったが「JR北海道をはじめとする鉄道事業者が共通して抱える問題を放置しておくと、いずれ危険な状況に陥るから改めなければならないとの願いを込めたもの」(p.195)らしい。正直鉄道の経営とか、あるいは北海道についても全然馴染みがないので、読むのに苦労するのかと思ったし、実際興味の持てないデータの話も多々あったけど、主張自体は明確で読みやすい。なんといっても国鉄民営化、でJRグループが出来たけど、「経営状況が脆弱」なJR三島会社(JR北海道、四国、九州)&JR貨物と、本州にあるJR東日本、西日本、東海の二分化できる、というのが、印象に残った。ロゴの色が違う、とかそういう話ではない、ということが分かる。 第3章までは筆者の分析や提言だが、第4章は「識者の意見」として交通評論家、という肩書の人と元JR九州の社長の2人が現在と今後のJRについて語る章になっており、この章は極めて分かりやすく、興味深く読めた。特にJR九州の元社長の話は「常に改革し続けていかなければ改革ではない」(p.168)とか、「消費者が何を基準に選ぶかと言ったら理性的な価値ではなくて、感性的な価値で選ぶ」(p.177)とか、「現場と現物と現実」の「三現主義」(p.183)とか、ビジネス書みたいになっている。「ななつ星」をヒットさせる思想、というのが経営を立て直したハウステンボスやUSJの話みたいで、面白かった。確かにJR北海道だってこの元社長の言うように「開拓使的な原野的なロケーション」(p.190)を活かしたビジネスなんてできそうだけどなあ、と思うけど、同時に経営はそんなに簡単なものじゃない、というのも分かるし、もう1人の識者も言うように「技術屋さんと営業屋さんと労務屋さん」(p.144)のバランスが悪いということで、そういう発想に至らないという、まさに構造的な問題というのもあるらしいので難しい。 今から7年前、なので、こういう不祥事を受けて今はどういう状況になっているのかよく分からないということと、北海道はよく分からないのでJR東日本の場合はどうなのかということを知りたいと思った。(20/09/18)
民営化の中ですべてがうまく行ったわけではないことがよくわかる一冊。特にJR北海道含む三島各社と貨物の状況はなお厳しい。べき論だけで片付く話ではないことを認識しつつ、鉄道事業の存在意義を再認識するべき時であると思う。
由々しき事故が相次いだJR北海道だが、同情すべき点も多い。広大なエリア、人口密度の低い地域に張り巡らされた鉄道網、冬の過酷な厳しさ。最悪の環境下にあることは十分に考慮する余地がある。極寒の中、列車の運転が全面休止されてもおかしくないような状態でも時刻通り動かさなければならない。しかも主力車両はディー...続きを読むゼルカー。メンテナンスが複雑なうえ冬季は一晩中アイドリング状態にしていなければならない。内地に比べ莫大なコストを必要とするにもかかわらず、運賃は公共料金扱いで営業収益が悪化しても変更するのは極めて難しい。いきおい管理職はコストの削減だけを言い、お客様や現業部門の声を軽視してしまう。現場から破損箇所、故障したものを修繕したいとの申請があっても社員の落ち度と撥ね返してしまう。事故前、現業部門は軌間が基準値より広がっていたことに気づいていたにもかかわらず、管理部門には報告しなかった。JR北海道の復権には、固定資産税、軽油引取税、都市計画税の減免、経営安定基金の活用等、実質的な公的支援の議論も大事だが、まずしなければならないのは、管理部門と現業部門の風通しの悪さの改善。人と人との信頼関係を取り戻すことが最も大切と思う。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
JR崩壊 なぜ連続事故は起こったのか?
新刊情報をお知らせします。
梅原淳
フォロー機能について
「角川oneテーマ21」の最新刊一覧へ
「ビジネス・経済」無料一覧へ
「ビジネス・経済」ランキングの一覧へ
エアライン戦国時代
最後の国鉄直流特急型電車
試し読み
最新 新幹線事情
進化する路面電車 超低床電車はいかにして国産化されたのか
新幹線、国道1号を走る N700系陸送を支える男達の哲学
新幹線の科学[改訂版] 進化し続ける日本の「大動脈」を支える技術
新幹線を運行する技術 超過密ダイヤを実現する高速鉄道の秘密
水素車・リニア・MRJ 水素4兆円市場の「ミライ」
「梅原淳」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲JR崩壊 なぜ連続事故は起こったのか? ページトップヘ