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慶長五年(一六〇〇)九月十五日、関ケ原の戦い――。東軍へ寝返った小早川秀秋の大軍を、大谷吉継は幾度も押し返したが力及ばず、無念のうちに切腹した。しかし、まばゆい光の中で目を覚ますと、目の前にはデウスの姿があった。「大谷刑部少輔吉継、この戦をやり直してみるか」三年前に戻った吉継は、再び関ケ原を戦うことに――。果たして、吉継は小早川の裏切りを防ぎ、盟友・石田三成を勝たせることができるのか!? 失敗しては繰り返し時を遡ることで、見えてきた真実とは! 『実は、拙者は。』で2024年啓文堂書店時代小説大賞、『一遍踊って死んでみな』でSNS推し本大賞2025発掘賞部門を受賞した著者による、タイムループ×歴史小説。文庫書き下ろし。
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Posted by ブクログ
2026.08.09
笑いと哀しみとを兼ね備えた作品。
切腹がうまくなるなんて哀しさしかないはずなのに、笑えるのはこの作品ならでは。大谷吉継という歴史を動かせそうで動かせない人物を主人公に据えての関ケ原のやり直しというのは着眼点が素晴らしい。そのやり直しを愚直に受け止め続ける大谷吉継というのもいかにもありそうなところがよい。歴史的のIFだと荒唐無稽というか、無理がありすぎる歴史にならざるをえないことが多い。しかし、本作では、そのバランスがよく、本当のこととして、ありそうで、無さそうで、と絶妙なバランスを保っているように思える。これが文庫書き下ろしというのだから、読者にはありがたい。
Posted by ブクログ
大谷吉継という現代の福井県は敦賀市の戦国大名。豊臣秀吉に仕え、同人の奔放さ、快活さ、そして身を震えさせるほどの残忍さを見てきた武将。
時を同じくした石田三成に比べればビッグネームとまでは言えない人物だが、関ヶ原の合戦を語る上では彼の名は外せない。なぜなら、小早川の寝返りで開戦後一瞬で戦国の世から消し去られることになり、彼の怨嗟と悔悟の残滓は、はらわたと共に関ヶ原へ垂れ流しになったであろうからだ。
そんな大谷吉継が、ひょんなことからタイムリープをし、何度も関ヶ原を繰り返すことになる本作。何度やっても足の引っ張り合いや「にん」の為す悶着が混沌としうまくいかない。
関ヶ原の合戦の繰り返しを終わらせる方法は、徳川家康に勝つこと。どんなバタフライエフェクトでもいい。徳川家康を倒すにはどうしたらいい?作中の大谷吉継と読者の想いとは裏腹に、結末は思いがけない仕掛けがからくりされていた。
最後の一行。まるで百万回のカルマをしても拭えない大罪人の名が出てきて、大谷吉継がタイムリープしてきたことは、すべてはこの人の煉獄を終わらせる証人出廷だったのだと分かりました。
白蔵盈太先生は天才です。
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小説・文芸
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