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Posted by ブクログ
6ヶ月にわたるアパラチアン・トレイル踏破の記録。著者は2005年の4月に南北に広がるアパラチアントレイルの南端のスプリンガー・マウンテンから出発し同年の10月に北端のマウント・カタディンに到着した。本書にはその全行程の記録、どのように歩き、誰に出会い、何を思索し、感じたのかが綴られている。620ページ。けっこう長いが、写真が多くページ・レイアウトも悪くないので読んでて意外と疲れない。なお、アメリカではこういったロングトレイルを歩くスルーハイキングは誰しもチャレンジできるものであり、決して踏破自体が稀というわけではない(既に日本人で踏破している人もいる)。著者はジョン・ミューアをはじめ、特に本書については終着点となるメインの森について著作を残したヘンリー・D. ソローなどの自然保護の哲学に詳しく、随所に政治、都市、産業など、人と自然の関り方についての思索が散りばめられている。ただ、いずれも大きく持論を展開しているというよりは、トレイルの生活の中での思索という体に留められておりそんなに重くない、むしろコンセプトとしてはあくまでアパラチアン・トレイルの本質を著者の生活を通して追体験できるような内容になっていると思う(ネイチャー・トレイルというより、ソーシャル・トレイルであり、人と人との絆を認識させてくれる偉大な自然という感じ?)。持論に大幅に偏ることもなくただの旅日記で終わることもなくという感じで個人的にちょうど良いバランス。アパラチアン・トレイルはネイチャー・トレイルというよりは、ソーシャル・トレイルという存在。実際、本書にあるアパラチアン・トレイルの美しい自然の写真にも心引かれるが、それ以上に同じ目的地へと歩くバックパッカーとの仲間意識が印象的だった。6ヶ月というひとつの人生にも似たこのスルーハイクの中で同じ目的地に向かって全く別々の人生を背負っていろんな人間が出会い助け合いながら歩いてゆく・・・。このような経験が出来た人達が本当に羨ましい。
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