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読めなくて、学ぶのを諦めてしまった人へ
漢字が読めなくて、本を閉じてしまった経験はありますか?
読み方さえわかれば、意味が分からなくても、調べることができます。
しかし読めないと、学ぶこともできません。
複数の読みをもつ漢字を使いこなす日本語において、どの読み方が正しいのか、理解する必要があります。
そのためにも、漢字が読めることは、必須条件なのです。
漢字の読み方を助ける振り仮名は、昨今では、どんどん少なくなってきているのですが、
それはなぜでしょうか?
本書では、その謎を解き明かし、振り仮名があることは、学力の向上、学ぶ力になるということを伝えていきます。
第1章「振り仮名」「ルビ」とは何か
第2章 振り仮名があれば、学力は上がるのか
第3章 振り仮名がひらく日本語の未来
開成中学校・高等学校 校長 野水勉×ルビ財団ファウンダー・評議員 松本大
「読みたいのに、読めない」から始まる知の格差
東京大学総長藤井輝夫×ルビ財団ファウンダー・評議員 松本大
読める日本語が、世界をひらく―ルビが支える教育とは
※この本は、すべての漢字に振り仮名(ルビ)が振られています(一部を除く)
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
この本自体はとても面白かった。その上で意見を語るけど、総ルビは特に読んで欲しい読者の多い新書などでは、威力を発揮する可能性が高い。ただ、小説になると、円城塔の『文字禍』のように、作品のルビと意味が剥がれていくようなもの、あるいは私の「蟲医」の「シュ永デ琳宮(シュエーデリンク)」みたいなそもそも読みづらくすることが前提で使う独自表記、成合肇のルビと文字が併せて評論になっているケースなど、色々あるんですよね。問題提起としてはルビを増やした方が良いというのには同意できるけど(実際、日本は難読文字が多すぎる)、ルビであることの自由さ、表現のゆるさみたいなのもあっていいと思うんですよ。この漢字は絶対この読み、みたいな固定観念は破壊した方が良い。
Posted by ブクログ
最初に言っておこう。
「賛成です!」
私も、“振り仮名があれば学力は上がる”=“学力を上げる為のハードルが下がる”と、ずっと前から考えて実践してきたからだ。
理由がある。
本書でも触れている、小説家・井上ひさし『私家版 日本語文法』(新潮社1981)をリアルタイムで読んだ。その通りだと思った。
そのため、私は自分で作る文書には、極力振り仮名を使って作っていた(もちろん、文書作成ガイドライン内で)。たいへん有効だった。
【余談①】
先日、「中国古代の物語なのに、『三国志』は何故日本でこれほど人気があるのか?」との問いがあった。ゲームや漫画の存在やら何やら、直接的な理由は様々だろうけれど、最大要因を言えば、
【平仮名で振り仮名を付けて、江戸時代初期から多くの人に親しまれたから】
に尽きると思う。本国はもちろん、周辺のどこでも、そんな事は出来なかった。
これ無しには、その後の吉川英治も横山光輝も三国無双もなかったはず。
【余談②】
著者の出演する有隣堂YouTubeチャンネルを見れば、主張はほぼ分かる。面白いですよ。
Posted by ブクログ
本書は、振り仮名(ルビ)が単なる読み方の補助ではなく、言葉の理解や思考、表現力にまで影響を与える存在であることを、多くの実例を交えながら考察した一冊。ルビが振られることで、文字が持つ意味や情景、感情がより豊かに伝わるという、日本語ならではの表現の奥深さが語られていた。
特に印象に残ったのは、「人は文字ではなく音で考えているのではないか」という考え方。ドストエフスキーやシルマリルの物語など、人名や地名をすらすら読めるようになって初めて物語が頭に定着した経験があり大いに共感。また、「瞬間(とき)」や「肉体(からだ)」のように、漢字だけでは表現しきれないニュアンスや情景を補い、受ける印象を大きく変えることにも改めて気づかされた。日本文化として「文字が内包する意味の豊饒さ」という表現にも深く納得した。
一方で、WW2後の国語改革で振り仮名廃止論を謳った山本有三がルビを「黒い虫の行列」「不愉快な小虫」「むづかしい漢字をやたらに使ったためにわき出たボーフラ」とまで酷評していたというくだりは、そこまで嫌うのかと笑ってしまった。
普段は意識することの少ないルビだが、日本語の豊かな表現を支える重要な役割を担っていることを再認識できた。今後はルビにも注目しながら読書を楽しみたいと思う。
Posted by ブクログ
著者の言いたいことは,良ーく伝わりました。
まったくその通りだなとも思います。
総ルビは,少しやりすぎかも知れないけれども,ルビの必要性や,文学でのルビの多様性については,わたしも同感で,日本語の豊かさの一部なのではないかと思っています。
わたしの経験をいうと,漢字が苦手な子が,他教科のテストを受けるときに,漢字が読めなくてテストを投げ出すことに気づき,横について,すべて読んで上げたら,ちゃんと正解を答えることができていました。これは,本書でも紹介されていた日本語習得途中の外国人の資格試験等に関わることですね。
また,孫が持っているき恐竜図鑑が恐らく総ルビだったと思います。子ども向けの図鑑だからなんだろうけれど…。
今改めて,手元にある『世界遺産ふしぎ体験大図鑑』(小学館,2001年)を開いてみたが,なんと,ちゃんと総ルビだった。目次や絵の中の説明文にまでルビが振られている。すごいなあ。
『アグロエコロジー』(B5版,農文協,500ペ,2023)という翻訳本を開いてみたが,こちらには,時折,ルビが振ってありました。原虫,雨滴,礎石なんて言葉には,ちゃんと「げんちゅう」「うてき」「そせき」ってね。どんな判断なんでしょう。
読めなくて困ったわけではないので,わたしとの相性はいいけど。しかし,これを中学生が読むとなると困難かもしれません。
そして,これと同じことは,専門外の本を読もうとするわたしたちにも言えることです。日本歴史に興味を持って読み始めても,人の名前や土地の名前,役職などの言葉にルビがなかったら,それだけでくじけてしまいます。
実際,わたしは,これまでもそういう本を読んだことがなんどもあります。
星を3つにした理由は,本書の内容に〈繰り返し〉が多かったこと。これくらいの主張なら,もっと薄くていい。
なんなら,著者たちが作ったという〈「ルビフルボタン」の導入の仕方〉をもう少し詳しく説明して欲しかった。
「コードを一行追加するだけで、ウェブサイトに自動的に振り仮名を追加できる」(本書220ぺ)
と書かれているのだが,各自のパソコンへの導入方法はまったく説明されていない。
これでは,「ネット上の常識をしらない人は使えない」ということで,まるで〈ルビのない説明書を読まされた〉と同じ印象を受けた。
「ルビ財団のサイトから無料配付」しているとも書かれているので,ちょっと覗いてみるか。せめてQRコードくらいは欲しいではないか。
それが,ネットのバリアフリーでもあるのではないですか,松本大さん!
わたしは,検索して,ルビフルボタンの導入方法を見てみました。
しかも試しにやってみました。
固有名詞に間違った読みがつくのが気になります。
この部分だけをルビをつけないようにすることはできないので,自分のサイトに導入するのはちょっと躊躇しています。
でも,子どもも見て欲しいページも作っているので,そちらでの導入を考えてみます。
Posted by ブクログ
某ミミズクのYouTubeから、ルビに対する取り組みを知った。
本書のなかでも記載されているとおり、言われてみて「確かに」と思い、この取り組みについては同意しているし、応援もしている。
本書で指す「学力」の部分は、学校的なものとはニアリーイコールで、ルビを振った結果として興味範囲に対しての学びの力が向上するのではないのか、ということと読み取っている。
本書内でも何度も書かれている通り、本や文章を読んでいて読めない漢字が出た時、読みがわからないから調べるのも面倒くさいし、躓く感じもあるし、読むのも少し嫌になるような時もある。それがルビが振られていれば…と。それは知的好奇心の入口で躓いてしまって、そこから先に入れないまま終わってしまうケースが日本人にはままあるということ。
そういった障壁をできるだけ無くすというのが、ルビの存在である。記載もあったが、まさに好奇心を満たす道筋のバリアフリー化だ。
読む人のレベルによってルビの量を変更できる仕組みの実装は日本語の未来のためにも実現してほしい。
Posted by ブクログ
漢字かな交じりの文章は、日本独特の文化である。韓国のようにハングルだけにすれば読みやすくなる一方で、日本語の豊かな表現を支えてきた漢字かな交じりの文化も大切にしたい。本書は、漢字が「読める」ことが学ぶための大切な条件であり、振り仮名(ルビ)が学力や学ぶ力を支える可能性について考えた本である。
確かに、漢字が読めなければ、意味を調べることさえできない。そう考えると、読めない漢字を助ける振り仮名は、とても大切だと思う。ただ、すべての漢字に振り仮名を付ければよいというわけでもない。読める漢字と読みにくい漢字を考えながら、必要なところに振り仮名を付けるのがよいのではないか。
「読めると、わかる。そして、学べる」。振り仮名を単なる読み方の補助ではなく、学びへの入口として捉える視点が印象に残った。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
ビジネス・実用
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