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Posted by ブクログ
広島の鞆町を舞台にした連作ミステリー。
鞆の浦の高台に佇むミント邸と呼ばれる洋館では、週末の夜だけイブニングティーのサロンが開かれる。
マダムの琴葉が淹れる美味しい紅茶と、義理の息子でパティシエの壮馬の作るスイーツによって、訪れる人たちの悩みや苦しみが解きほぐされていく。
紅茶とスイーツと洋館、そして美しい鞆の浦。
広島という舞台をふんだんに活かした仕掛けが、爽やかな連作短編だった。
琴葉と壮馬の程よい距離感の関係性や、鞆のあたたかな空気感がじんわり沁みる物語ばかりだった。
壮馬の作るスイーツがどれも美味しそうで、特にホットケーキが食べてみたい!
行間から紅茶の香りも感じられて、紅茶も飲みたくなった。
作者広島出身なのかな?と思いきや関東出身だった。巻末にしっかり福山出身の方が監修されていた。
続きが出ても楽しめそう。
Posted by ブクログ
涙が次から次に溢れてきた。
こんなに純粋に泣けてきたのはいつぶりだろうー。
胸がほっと温かく、優しくなる物語。
✾ミント邸で夜の茶会を
✾斎藤千輪
✾ポプラ社
瀬戸内海に面した小さな町の、
ペパーミントグリーンの洋館、通称“ミント邸”。
そこには琴葉と義理の息子の壮馬が住んでいた。
ミント邸は週末の夜だけイブニングティーを振る舞う
隠れ家的ティーサロン。
美味しそうなクロックマダム。
保命酒のアイス。
旬のフルーツを混ぜたホイップクリームを添えたホットケーキ。
パティシエの壮馬が作る料理の数々は天才的に美味しい。
壮馬のサポート付き、琴葉の紅茶占いとで、
今日もミント邸に来るお客様の悩みを解きほぐしていく。
⇒⇒⇒
“ミント邸”という響きがとても爽やかで、
発売前からポストで見かけるたびに惹かれていた本だった。
そして読み始めたら、そのまま最後まで読んでしまった。
なんて優しい物語なんだろう。
全編に流れているのは、
“対話”すれば関係は少しずつでも動き出すかもしれない”という、静かな希望。
私が特に没入したのが、壮馬の友だちとその父の物語だ。
『親だって、ひとりの人間だものね。』
ある出来事をきっかけとした大きな溝が、すれ違いが、
琴葉と壮馬の占いをきっかけに動き出していく。
“対話”の可能性と温かさに、
涙がポロポロと次から次に溢れてきた。
きっと私は、
関係が壊れるほどの状況でも、
勇気を出して言葉を交わすことで、
一歩進めるかもしれない、
その“希望”に心を動かされたのだと思う。
・人間関係のすれ違いに傷ついた人
・家族の形に悩みを抱えている人
・優しい気持ちになりたい人
ぜひこの物語を読んでほしい。
きっと、誰かともう一度向き合いたくなる。
わたしは、誰かに幸せにしてもらおうなんて思ってないよ。自分で選んだ人生に後悔なんてない。あなたは、わたしに生きる目的をくれたの。感謝しかないよ。
Posted by ブクログ
土日の夜だけ営業している〈ミント邸〉と呼ばれるペパーミント色の館でのイブニングティーを振舞うティーサロン。
そこでは、他に客がいないときだけ受けられる『紅茶占い』で客の悩みを解決してくれるという。
紅茶占いは知識として知ってはいたけれどこんなにも様々な『シンボル』と呼ばれるマークの見方があるとは思わなかった。
だが、実際はパティシエの壮馬が客の話を聞いてある程度の真実を見抜き、その推理に沿ったシンボルを見つけたかのように挙げ、壮馬の義母でマダムと呼ばれる琴葉がそのシンボルを紅茶占いにタロットカードを組み込んで意味を読み解いているだけ。
紅茶占いはあくまでも手段であって、壮馬の推理で悩みの真実を読み当てている。
しかし読み進めていくと、壮馬を探偵役にしたなぞ解きものというよりは、ドラマのように思う。
ミステリアスな恋人の言動の意味
関係が良くない父の寝言の意味
友人が急に怒った理由
どれも最終的にはホッとする話でホンワカする。
何より壮馬が作るホットケーキやケーキが美味しそうだし、琴葉が入れる紅茶も美味しそう。
途中途中に挟まれる、琴葉と壮馬がなぜ親子になったのか、なぜ東京にいた二人が琴葉のふるさとである広島・鞆の浦で週末営業のティーサロンを営むことになったのかなどが少しずつ明かされていく。
そして最終話、二人に関わる重要人物がミント邸に現れる。
二人と対決姿勢になるのかと思いきや、ちょっと違った方向へ。
結局みんなが正しいわけでも間違っているわけでもなく、それぞれが苦しんでいて、傷ついていて、それでも今出来ることをやっていた。
今後、新しい関係が始まりそうな一方で、琴葉と壮馬との絆がより深まったようで良かった。
個人的に好きだったのはヤス。お調子者のようだが懸命さがあって、素朴で良い。
時折出てくる広島弁も温かくて良かった。
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