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漫画家1本で生きいこう!一念発起して会社をやめたはいいけれど、連載するはずだった雑誌は休刊。勢いで東京に出てはみたが……。
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Posted by ブクログ
上京してプロの漫画家としての自立を目指す男性のお話。階段の踊り場を歩き続けるような、フワフワした閉塞感が丁寧に描かれています。 初期の『カラスヤサトシ』の、ギャグだけにはならない部分を昇華させたアナザーストーリーみたいな作品としても楽しめます。
漫画家を志し上京した著者の回想エッセイ四コマ。 周囲を出し抜くことも他者と協調することも出来ないほどに気が弱く、優しく、駄目な男の姿が、「笑い」というよりも「小さなおかしみ」みたいなものを忍ばせて淡々と叙情的に描かれてゆく。一貫した自分自身を見つめるリアリスティックな視線が印象的。 尾崎放哉の自由律...続きを読む俳句のようなユーモア交じりの自虐的な物悲しさが胸に迫る。
この人のエッセイが大好きな上に、題材が上京してから現在までの時系列に沿った物語ときたら、もう文句のつけようがない。後半で号泣。 これ以上何も言わない!読むといい。
帯にある"29歳目前にしてふと思う。そうだ、上京してみよう…。"という言葉に惹かれて、手に取った。1人で過ごす孤独や先の見えない不安など心が沈んでしまいそうな日でも、自分なりの楽しさを見つける姿は頼もしかった。しかし、所々でずーんと落ち込んだり大量飲酒することで現実に目をつぶって...続きを読むどうにかやりすごす姿は、胸が苦しくなった。 後半は、大きな出来事が重なり展開が忙しかった。 終始、周囲の人に対する関わり方から、優しい方なんだろうなと感じられた(可愛らしいイラストも相まって)。 つらい状況に1人で塞ぎ込んでしまいそうな時も、くすっと笑える何かを見つけられたら、もう少し大丈夫!なのかもしれない…
アフタヌーンで4コマを見たとき、あまりの絵のクオリティと内容に、これで食っていけるのかと他人ごとながら心配してしまったのだが、なんか順調に仕事も増えて単行本も何冊も出て、世の中分からんもんだなーと思っている。
作者は漫画家である。本書は29歳を目前にして上京した漫画家志望の青年の物語(自伝的マンガ)である。読んでいて大変面白い。東京デビューした時の初々しさが良く出ている。きっと大学生も気分的にはこんな感じなんでしょう。(私は生まれも育ちも信州人なので実感としてはわかりませんが) しかし作者28歳にしては...続きを読む余りにも無計画です。他人事ながら本が出せるようになって本当に良かったと思います。作者の日記的四コママンガは結構好きなので今後も活躍して欲しいと思います。
おもろうてやがて悲しきとはこのことか。 おなじみくだらない(いい意味)精神生活を送っているカラスヤ節の上京物語かと思えば、連載が進むにつれてカラスヤ先生なりの苦悩と孤独、別れの物語に発展していってどうしよう。 こういう話に朴訥な絵柄がまた合っていて、しばしば入るカラスヤ流ネタも人間シリアスな時でもヘ...続きを読むンなこと考えて笑っちゃうことあるよね的リアリティを出す小道具に変換されてしまう。 作者の新境地を高いクオリティでみせたまさしく快作だが、気楽に読める話でもない。しばらく読み返せないだろうなあ。 このカラスヤ新境地を描かせた桐くん(編集者)、ただの方向音痴で折り紙が絶望的に下手な男ではないようだ。この組み合わせから今度は何が生まれるのか、楽しみなような心配なような。
カラスヤサトシの上京物語。 きっかけは井上芳雄主演の映画。 すぐそばにあるような、日常が描かれていて、 力を抜きたいときなんかにふと読みたくなる。
セルフタイトルのエッセイ4コマ『カラスヤサトシ』で有名なカラスヤサトシの上京を描いた4コママンガ。上京という言葉から、望郷の念と夢を掴む野心の相克とかそういったものが描かれると思ったら大間違いである。カラスヤサトシは、退職してマンガもろくに描かない生活を続けるうちに、なんとなく東京の方がマンガを描き...続きを読むやすいのではないかと思い、特に動機も意志もなく上京を果たすのである。そしてこのマンガでは、上京して出会った都会の冷たさだとか、触れる人情の温もりだとか、転機を迎える出会いだとか、そういったものも一切描かれない。なぜなら仕事もアルバイトもせず、怠惰にマンガを描き、夜になると一人酒を飲みながら寝るという、ほとんど引きこもり同然に人間と交流しない生活を続けているからだ。そんな波風のないものを描いいるだけでも面白いのは、そういうほとんど非人間的とも言える日常を、彼固有のユーモラス(死語か?)な視点ゆえだ。そういった点で福満しげゆきとある種似た空気を感じる。おそらく読者層も結構かぶっているだろう。だが両者で決定的に違うのは、福満のメインテーマとも言えるコミュニケーション不全から来る悩みは、この作品にはほとんどない点だ。このカラスヤサトシのマンガを読んでいて、福満は卑屈ではあるがああ見えて実はすごく外向きな人間だったことに気づかされた。カラスヤの世界には人間関係の齟齬なんてものはないのだ。内側を向いているのだから。それが一番顕著に表れているのは、カラスヤサトシが齢30を過ぎていまだ独身であり、彼女さえいないのに対し、福満は美人の妻を持っているところだろう。そう、福満はリア充だったのである。なんと憎らしい。・・・まあというわけで、我々のような非リアにとっての本当の意味でのバイブルは『僕の小規模な生活』では断じてなくて、カラスヤサトシの『おのぼり物語』なのだ。
カラスヤサトシさん(73年生まれ)も 同じジャンルですね。 福満さん(76年生まれ)、 トリバタケさん(75年生まれ)ですか。
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