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急速に普及し始めた生成AI(人工知能)は、今後、日本に多大な経済効果をもたらすと予測される一方で、膨大なデータ処理に必要な電力需要や通信トラフィックの増大などの問題も急浮上しています。また、AIの利用拡大や通信トラフィックの増大によってデータセンターへの需要も急増しており、その整備は日本においても重要な政策課題となっています。 経済産業省および総務省は、今後のデータセンターの整備を見据え、電力(ワット)と通信(ビット)の効果的な連携(ワット・ビット連携)に向けた、「ワット・ビット連携官民懇談会」を2025年3月に発足し、同年6月に「ワット・ビット連携官民懇談会取りまとめ1.0」を公表しました。 一方、気候変動問題の解決に向けて、日本の「第7次エネルギー基本計画」(2025年2月に閣議決定)においては、2040年度の再エネ比率40~50%という、大幅な再エネの主力電源化の目標も設定されました。 本書は、このような背景を踏まえ、東京大学大学院 江崎 浩 教授の監修のもとに、電力・通信業界の第一線で活躍されている専門家の方々のご協力を得て報告書としてまとめました。AI時代のデータセンターを実現するために、脱炭素化の加速とともにどのように電力・通信インフラ整備を進めていくのか、AI時代に多様化・分散化するデータセンターについて読み解いていきます。
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