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アウトドア旅の第一人者として活躍する著者が、息子とともに旅した忘れ得ぬ「親子旅」を記録した紀行文集。6歳のときの四国旅から27歳のときのネパールの旅まで、旅を重ねるごとにたくましく成長していく息子。同時に、一人前の親になっていく著者の姿が描かれていく。旅を通して紡がれた親と子の成長物語としても楽しむことができる。子連れアウトドアのノウハウやアドバイスも満載。子連れ旅に憧れるお父さんにぜひ読んでもらいたい一冊。
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Posted by ブクログ
シェルパさんが息子とその親としての自分自身を振り返って色々綴ってくれている一冊。 (子供に対してそれを表には出せないけど)、何だかんだで親っていうのは子供と一緒に人間として成長してもんだなってゆうのがつくづく伝わってくる一冊でした。 またシェルパさんが持つ価値観が本の節々で垣間見れて、なるほどそうか...続きを読む~、自分はどうだろうってちょこちょこ考えながら本を読めました。
シェルパ斉藤の親子旅20年物語 著者:斉藤政喜 発行:2021年2月16日 産業編集センター(わたしの旅ブックス) アウトドア雑誌BE-PALで30年以上連載を続けている著者(「シェルパ斉藤」のペンネーム)は、若い頃、仕事は順調ながらも明日の保証がないフリーライターの身で不安を感じながら、生まれ...続きを読むたての長男の一歩(いっぽ)を抱っこした。自分も父親であることを実感した彼は、自身37歳、一歩6歳の時から親子2人旅を始めたが、その体験を綴ったのがこの本。一歩が6歳、12歳、14歳、16歳、23歳、27歳の時に行った2人旅について書いてある(実際はもっと行っている)。すべて当時BE-PALに掲載されたようで、とある講演で2人旅について語ったことをきっかけに出版に至った模様。なお、長男一歩も特別寄稿している。 最後の締めくくりは、息子の成長を感じ、自分自身も息子に成長させられた、というありきたりのものだったけど、さすがに人気、実力とも抜群の著者だけに、一冊を楽しく、あっという間に読ませる。親子、しかも、父と息子という双方が照れくさいであろう旅をし、しかも正直に綴っている姿に好感が持てた。 一歩は、同年代の子が興味を持つゲーム機には一切興味なし。幼い頃は鉄道が大好きだった。大人になると一人旅を好むようになったが、父親(著者)より内気で無口。しかし、旅にはこだわりがあり、安易な移動手段や方法に頼らず、ちゃんと目的地に至るまでのプロセスを大切にし、地元に触れ、到達感が味わえる方法を選ぶ。 最初の2人旅は、鉄道と親子ヒッチハイクでの四国旅行。次が、バックパックでの熊野古道歩き(和歌山県)。どちらも一歩が6歳の時。小6の時は自転車での九州縦断、16歳の時にはスーパーカブ(50㏄)での信州ツーリング。さすがに企画がよい。そして最後は、27歳の時に行ったネパールでのMTBツーリング。27歳といえば、父親である著者がフリーライターになった歳。息子の一歩は、会社員になって初めての長期休暇。父親の目に、サラリーマンの息子の姿はどう映ったのだろう。 鳥取県にできたばかりの公立大学を卒業した一歩は、熊本へのボランティアへと行く。同時に青年海外協力隊に応募した(理科の教員として)が、結局、落ちてしまった。著者は自身が若い頃に体験したスペインのカミーノ・デ・サンディアゴの旅をすすめた。世界で一番有名な巡礼路。「一本の路を最後まで歩き続ければ前に進む自身と勇気が芽生える。自分が何をすべきか、歩けば答えは見つかる」と著者。 歩くこと、それが実に不思議な力を持っていることについては、大きく頷ける。この一くだりが、この本で最も響いた言葉だった。 ********** 小6の一歩は、佐世保で初めて厚切りベーコンエッグバーガーを頬張ると至福の笑顔になり、「大きくなったら佐世保に住みたいなあ」と真顔で言った。 スーパーカブには、新聞配達のために開発されたプレスカブというモデルがあり、新聞がすっぽり積めるフロントのカゴ大型リアキャリアが搭載されている。スタンドは丈夫でブレーキも強化されている。 著者の父親は20代で親の会社を継いだが、夜の街を豪遊するタイプで子供と遊ぶなどという発想が全くなかった。苦労知らずのお坊ちゃん社長で、借金が出来て自転車操業になっても派手な生活を続けた。そして著者が高校3年生の時に夜逃げをして姿をくらませた。著者一家は離散状態となり、著者は1人きりでアルバイトをして進学を目指し、高卒から大卒まで8年をかけた。そして、27歳の時にフリーライターになった。長男が出来た時の彼の不安は、自身の父親を見てきたことが大きな要素だったようだ。 一歩曰く「携帯電話がなければできない友達なんて、友達じゃない。本当の友達は携帯電話がなくてもできる」 一歩が23歳の時、親子でみちのくをトレッキング。一歩は卒論絡みで10キロも太ったせいか、著者から少し置いていかれがちだった。ラブラドールの飼い犬センポも一緒だったが、センポは先を行く著者の前で先頭を切ったかと思うと、著者のところまで戻り、さらに後ろの一歩のところまで行って寄り添ったり。その繰り返しで、まるで著者親子の仲をとりもっているかのような行動をした。 「ひきこもり」という言葉は、スペインでも通じると一歩は教えられた。「もったいない」のように訳す言葉が見つからず、そのまま世界共通語になった。 2019年にネパール2人旅。タトパニという温泉のある街。著者はその17年前、1人でここに来た時に一匹の犬と出会った。トレッキングの道中で著者についてきて、タトパニ滞在中はずっと寄り添った。しかし、タトパニを去る日の朝、犬は姿を消した。「僕に迷惑をかけないように犬は立ち去ったのだ」と著者。
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シェルパ斉藤の親子旅20年物語
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