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脳はどう心を生み出すのか? 数学、物理学、脳科学を横断しながら、脳と心の仕組みを解き明かす過程でたどり着いたのは「カオス理論」だった。 天気のように、気温・湿度や風など、わずかな条件の違いが最終的に大きな変化を生むカオス的運動。 この予測不能ながらも規則的な動きが、実は私たちの脳内でも起きている。 1000億個もの脳細胞の集まりが心を生み出す秘密は、一見バラバラに思える細胞たちの動きの中に潜む、秩序を創り出す力にある。 数学者が数式を一切使わずに「心の正体」に迫った知的興奮の一冊。
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Posted by ブクログ
星5つでは足らん。 名著。 書名のテーマを津田一郎先生の研究をもとに、数式なく説明されている。 あっという間に読めるのにものすごく深い。 脳、心、意識、無意識、言語、身体・・・、扱っている大きなものを、これほどわかりやすく書くことのできる筆者の力量に舌を巻く。 内容紹介はしない。 読めば感動するし、...続きを読むすごさもわかる。 そして、もう一度読もうと。
とても刺激的なタイトルである。完全に解き明かされたわけでもないだろうと思いつつ、何か謎の解決に向けたヒントが示されているのでは?と思い読む。実体のある脳から、実体のわからない心がどのように生まれるのか。ドキドキする心は脳の反応が可視化されているのだろうか。数学を通した解説は面白い。数学では0次元は定...続きを読む義はできるが見えない。だが動くと1次元(線)、2次元(面)、3次元(空間)と目に見えるようになる。これと同じことが脳と心の間に働いている。脳には約1千億個のニューロンがあり、それぞれが約1万個の他のニューロンと繋がり、脳全体では1千兆の繋がりになる。これだけ多くの原子、分子が複雑に絡み合うと臨界点を超えて、全体の性質が急激に変化する。そこで脳が心を創発するのでは?と著者は提起する。カオスという言葉を数学的に再定義している。無秩序ではなく、状態の移り変わりが非周期的で予測できないが、その移り変わりは時間発展的には分散的でなく秩序立っている。脳の働きから心が生み出されるプロセスには、こうしたカオス的動きが関係しているかもしれない、らしい。こうやって考えている脳と、まだるっこしいと感じる心、人間とは不思議な進化の産物であることを改めて感じる。
神経細胞の集合体として物理的に存在する「脳」、そして実体はないにも関わらず、自分の中にある「心」。 多分、脳が心を生み出していると思われるが、それはどのように為されているのだろう? という、人間存在の根本的な問いに迫る著作。 だが、はじめに断っておくとまさしく人知を超えた問いに近いため、本書でもこ...続きを読むんな考え方もあると思うし、それを裏付ける根拠も多少はあるから、秘密の迷宮のホンの一部はわかるかも。 というスタンスである。 それでもそれを解明しようとし、それらしきモデルを考えられたのは稀有な天才のなせる業でしょう。 興味深いのは著者は医学者でも生物学者でもなく。数学者であること。 専門はカオス理論。 何かしらの規則性を有しながら、特定不能なカオス系を観察することは、さながら摩訶不思議なブラックボックスに何かを入れて、出てきた何かを取り出して、そのブラックスの性質を調べるというもの。 確かに脳という人知を超えた複雑さを持つものを観察するには合理的に思える。 そして脳と心の関係は物理学と数学の関係にも当てはまるという視点も面白かった。 内容は非常に興味深く、脇道にそれた話も面白かったが、本筋がぼやけてしまった感があり、理解が追い付かなかった。 しかしながらヒトとは何なのかを洞察する上で面白いテーゼを提起してくれたと思う。
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