ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
13pt
予測不能の睦月都ワールドへの招待。角川短歌賞受賞作家による、短歌新時代の到来を予感させる歌集。第68回現代歌人協会賞、第25回現代短歌新人賞を受賞した『Dance with the invisibles』の電子版。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
2017年「十七月の娘たち」で 第63回角川短歌賞受賞されています。 この歌集は私にはもったいないものでした。 角川短歌の川野里子さんとの対談で何が書いてあるのかなんとなくわかったのですが、やっぱり難しい。 出てくるのは、女の子、いもうと、母、猫。 甘くて、女の子のつける香水と砂糖菓子の香りが漂...続きを読むってくるような歌集だと思いました。 装丁もとっても素敵で、この歌集にぴったりはまっています。 連作というところに意味があるらしいので、単独で短歌を載せてもしょうがないのかもしれませんが、意味がなんとなく掴めたもので素敵だと思ったものを載せます。 <婚なさず子なさずをれば一日がシロツメクサ のやうな涼しさ> <わが飼へる苺ぞろりとくづほれてますすべも なし春の星夜に> <そこらぢゆう木香薔薇が咲いている 夜なの に子どもの声がしてゐる> <花に雨かすめるやうなしづけさの母と妹 朝 のおしやべり> <風薫る五月の夜の屋根の上に猫やはらかに歩 みゆくなり> <もんしろ蝶 光の路地にあらはれてみるみる 燃ゆるまひるなるかも> <お母さんわたし幸せなのと何度言つても聞こ えぬ母よ 銀杏ふる日の> <妹が帰らぬ夜のひとつあり真珠のやうに寂し かりけり> <最後にみたあなたのなみだの一粒を記憶はう つくしくしてしまふ> <その日からいまも降りつづく白い雨 あなた が姉妹都市になる夢> <雨音のまどろみのなかを抱きよせて猫とは毎 朝届く花束>
睦月都さんの歌集ですね。 睦月都さん(1991年生まれ)「かばん」所属。 この歌集で、2024年、第六十八回現代歌人協会賞と第二十五回現代短歌新人賞を受賞されています。 『第一歌集で、二〇一六年から二〇二三年に発表した短歌を中心に三三二首を収めました。』と、あとがきに紹介されています。 栞文には...続きを読む、水原紫苑さん東直子さん染野太朗さんが寄せられています。 校則のさだめの通り咲くやうで 木蓮のふいに遠き十字路 あかねさす銀杏並木のはつ冬の 黄葉(くわうえふ)するつてきもちがよささう わたしたちの定員二名の箱舟に 猫も抱き寄す沈みゆかなむ 君の家に檸檬の木あり檸檬の 花咲けりとふ声けさは聞きたり 飼い猫が春の小庭にあそびては 連れかへりくる蜘蛛・蜥蜴など 花に雨かすめるやうなしづけさの母と妹 朝のおしゃべり 風薫る五月の夜の屋根の上(へ)に 猫やはらかに歩みゆくなり われを呼ぶ猫の小声に戸を開けば ただひた闇のひたやみしこゑ 猫といふさすらふ湖(うみ)がけさは わが枕辺に来て沿ひてひろがる 猫をわが全存在でつつみ抱くともだちに なつてくれたら魚をあげる 飼いねこをちひさな恐竜ちやんとよぶ 桃のにほへる夜のいもうと から風のやうな言語で喋りたり たがひの家の猫の話を 紫陽花の繁みのあたりの笛の音の その笛として仔猫出でかぬ 野良猫を抱き上げるときわれは崖 われは崖 風に額さらして 仔猫用粉ミルク溶くあけがたの、 あなたにとっては夜更けの おしゃべり 猫をそっと押し戻す手よ 境界のこの先にきみは行きてはならず 何万回でも逃げ出した猫追ひかける 七月、私たちの永久に続くトランジット 猫なでてゐるとだんだん鯉になる ここちするなり夜は泥なり 雨音のまどろみのなかを抱きよせて 猫とは毎朝届く花束 『かつての私にとって、短歌は自分と、自分を取り巻く世界を理解するための回路でした。歌集というかたちになることで歌は私のもとから離れ、自由になってゆくような気がしています。この本が誰かたったひとりの読者にとって、幸福な出会いとなることを夢見ています。』と、綴られています。 私にとって、この歌集との出会いはこのうえない至福の時でした。 若い息吹きと深い感性に、心が踊りました。もちろん、猫を詠んだ短歌がたくさんありましたが、装丁の美しさと、一つ一つの短歌に新鮮な風を感じました。 素敵な若い歌人さんですね(=゚ω゚=)
2024年の現代短歌新人賞を受賞された睦月都さんの歌集を読んだ。装丁もかなり美しく、付箋は水色一色でそろえてみた。お気に入りの歌を四首選んでみた。 ・われにある二十の鱗すなわち爪やはらかに研ぎゐるゆふべ ・もんしろ蝶 光の路地にあらはれてみるみる燃ゆるまひるなるかも ・五時の鐘鳴りておどろく 帰ら...続きを読むなくてはいけない家があった気がして ・散るといふよりも壊れてゆきながら体力で立つ桜みてゐる
「意味として言語化・論理化される手前の印象や雰囲気、手触りといったものをコントロールするのが本当に巧み(染野太朗)」←これにつきる 歌集として楽しめたが、栞分の染野太朗の言語化が的を得すぎていて驚き、もはや怖い すこしづつひとりに慣れるやうに風、小雨はらみて吹きつけるなり ↑のような、現象が意...続きを読む味を持つまでの間の移ろいを伝えるのが凄く上手いなと思いながら読んでいた。字余りによるリズムのとりにくさと古典仮名遣いが作者の世界観に入り込むのに少しハードルを上げているように感じた。
独特の詩的で美しい世界を持つ歌集。緑色のレトロで外国っぽい装丁も世界観を引き立てている感じ。印象的なモチーフは女の子同士の同性愛、猫、木蓮、角砂糖、いもうとと母など。静かだけれどどこか遠くから甘いにおいがしているような感じで、この歌集の世界にすっかり魅了されてしまった。 どの春も過去形になる 春だ...続きを読むった ターンで広がる風とスカート 低気圧近づく夜もそこにゐてスワンボートはすこし俯く かりゅーど、と異国語めいて 狩人よ冬の森には必ず愛を 後半のうっすら生活を感じる歌もいいのだけど、前半の情景を詠んだ歌の方が好きなものが多かった。 しんとした夜に一人で読んでいたい歌集。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
歌集 Dance with the invisibles
新刊情報をお知らせします。
睦月都
フォロー機能について
「単行本」の最新刊一覧へ
「小説」無料一覧へ
「小説」ランキングの一覧へ
一覧 >>
▲歌集 Dance with the invisibles ページトップヘ