プロジェクト・シン・エヴァンゲリオン 実績・省察・評価・総括

プロジェクト・シン・エヴァンゲリオン 実績・省察・評価・総括

小説・文芸
1,760円 (税込)

8pt

4.3

映画『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の制作という「プロジェクト」がいかに遂行されたかを『シン・エヴァ』制作スタッフ自らが振り返って分析・記録するとともに、制作関係者によるプロジェクト評価と、『シン・エヴァ』総監督の庵野秀明によるプロジェクト総括を行った公式プロジェクト記録書籍。

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プロジェクト・シン・エヴァンゲリオン 実績・省察・評価・総括 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    元JAXA職員、現カラー株式会社という異色の経歴をを持つ成田さんが、コロナ禍で興行収入100億円を超えた超有名アニメ映画の制作プロジェクトの振り返りをまとめた本。
    アニメ映画の制作を「プロジェクト」と捉え、巨大プロジェクトの企画と進行管理がどのように行われ、どのように遂行されたのかを超ロジカルに綴っていく。

    単純にオタクバイアスがかかりまくっていることは認めるが、それを差し置いてもビジネス書としてめちゃくちゃ面白かった。アニメの進行にWBSが出てくると思わんかった。

    そしてクリエイターとしての才能ばかりが取り上げられる庵野さんだけど、優秀なマネージャーでもあると思わされる。

    プロジェクトを持つ人、現マネージャーや準マネジメント層の方はぜひ読んでほしい。

    1
    2025年11月09日

    購入済み

    シン・エヴァの全て

    この本を読めば、シン・エヴァンゲリオンの舞台裏が全て理解できます。アニメーション映画は、総監督のみならず、多くの人たちの力によって成り立っていることを実感させられます。

    #深い #タメになる #憧れる

    0
    2023年11月10日

    Posted by ブクログ

    特定企業のプロジェクトの詳細を総括しているという点で、これまでにない画期的な「ビジネス書」ではないでしょうか。巷に溢れるビジネス書は抽象化された一般論がほとんどで、企業の事例紹介はあくまで取材で出てきた限られた内容だけです。普通の企業だと秘匿情報が多いので、体制からお金からスケジュールから実際のスタッフのコミュニケーションの様子まで、ここまで細かく開示した例は他にあるんでしょうか。アニメという「クリエイティブ」が競争要因である(と作り手が思っている)特殊な業界だから、制作の仕組みの部分を出し惜しみなく開示してくれているのかも。JAXA出身の成田和優さんが制作システムを解説する文章がすごくロジカルで精緻で素晴らしく、読んでいて気持ちよかったです。後半に主要スタッフそれぞれの総括や資料集もあり、エヴァ好きためのファンブックとしても面白いです。

    メモ
    ・才能ある人たちが集まって一つのプロジェクトでどう仕事をしたかのサンプル
    ・アニメ制作という特殊な業界だけど、自分の仕事に活かせる要素が多々ある
    ・スタッフを社内外から募る、来てもらう、という視点
    ・コミュニケーションについての話は刺さる。
    ・リソースを使ってこだわるところと、完成を目指す部分でバランス取る
    ・クリエイティブな現場を支えるのはロジカルなプロマネ
    ・Unknown unknownsがあるからリテイク期間などのマージンが必要
    ・一般企業でこういうプロジェクトの振り返りってなかなかやらなそう
    ・総括することの難しさに対する解像度が高。個別も抽象も全体を表せない
    ・著者の分析力がすごい。とんでもなく高度な飲み会での愚痴話って感じ
    ・方向性を選択した後の成果物チェックではなく、偶有性も含めた検討
    ・探った結果最初のになることも。10人の監督にやらせて選びたい
    ・トップが責任取るから自由に、ではなく実際に作品をよくするためにリメイク出す、その態度を見せる
    ・庵野の作家性と、売る意思、外部意見の取り入れのバランスがすごい

    1
    2025年01月04日

    Posted by ブクログ

    興行収入100億円超えの「シン・エヴァンゲリオン」を、作品ではなく株式会社カラーのいちプロジェクトとして総括した、発表資料のようなつくりになっている。エヴァは年代的にも触れる機会がなく、テレビシリーズからひとつも観たことがなかったのだが、気になってシンエヴァを劇場で観たところ、あまりに面白く、その内面を見たいと読んでみた。なんとも斬新な手法によるアニメーション映画の製作と、綿密なマーケティング、庵野監督・プロデューサーの強い意志が相まって、あのような作品が世に出たかと思うと、中にいた人々は大変だったろうけど、なんとも羨ましいことだなと思うほかなかった。

    0
    2024年05月19日

    Posted by ブクログ

    借りたもの。
    『シン・エヴァンゲリオン』制作、公開に至るまでのヒト・モノ・カネについて言及されたビジネス本。
    全てを網羅している訳ではない。絵コンテやCGなどのクリエイティブの内容に関しては省かれ、ヴィジュアル面という表舞台?に現れないものについて、その結果をまとめている。
    『エヴァンゲリオン』という作品の制作に留まらず、ファンといかに結びつけるか、そのビジネスモデルの模索を垣間見る。

    1997年に完結した(私にとっては、絶望の内に閉じて、不確定な希望と共に、昇華不良で映画館から放り出された)映画を、2006年に“新シリーズとして完結を目指す”。それがこのプロジェクトの目標。それは(ある意味未完の完の)エヴァ(≒庵野監督)の自己浄化を会社で行う、という凄いプロジェクトの様に思った。

    劇場作品の興収だけでなく、会社の制作体制、制作人数、製作費にどの位かかったかといった収支、劇場版エンドロールに出てくる(制作など)会社がどの様に関わっているかといった組織構図まで書いてある!
    あらゆる項目が興味深かった。

    自分の人生では今まで関わった事が無い、アニメ制作の工程やスケジュールなど興味深かった。細かい日程などは無いけれど、納期…と考えると私は胃が痛くなりそう…
    宣伝効果の測定を、観客動員数や物販販売状況の推移、そしてSNSの反応で計っていたとの事。

    映画公開時、気になった新型コロナウィルスの影響についても言及。
    やはり度重なる公開延期や外出自粛、海外でのロックダウンの影響によって〟ファン同士のリアルでの交流”が不可能になったことは残念でならない、と……
    リアルタイムでの共感と共有、鮮度のようなものだろうか?1ファンとしても同感。

    庵野監督自身のプロジェクト総括の問答集も。
    その中で『キューティーハニー』での経験で、「実写の現場は予算、スケジュール、現場のリソースを考慮した撮り方をしないとひどい目に遭う(p.245)」という苦い経験を語っていたが……(シン・仮面ライダー…)

    0
    2024年04月06日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    シン・エヴァ好きな人か、プロマネに何かしら関わっている人は必読!
    まあ、とりあえず損はしないはず。色んな制作物進行に応用できる気がする。

    予算とか費用周りはもちろんとして、オフィスでの机の配置(3つフロアがあって庵野の席は全てにある)とか、電話担当は誰とか、差し入れが誰からでどういう内容だったかとか、ネット速度の見直しとかサーバー容量の改善とか、こんなにようデータ残ってたなと思うくらい、ほんとにプロジェクトの隅から隅まで説明があり、自分のプロジェクトのためになるかは別として…というか規模がでかすぎて純粋には絶対に役立たないんだけど、仕事への心がけとかシステム構築とか、コミュニケーションのやり方とかチームの結びつきの強さと互いの思いやりとか仕事の進め方とか、細部は少しずつ役立てられること請け合い。
    それ以外にも、あのシン・エヴァはこう作られていたんだ、とわかるだけでも読んでて面白い。
    ただ、時折エヴァQがもう10年前ってことを思いださせてダメージを与えてくる。

    チーム全員でとにかく庵野という天才に好きなことをさせてあげよう、そのために一番効率の良いやり方を進めていこうというのが後半のスタッフインタビューなどでもすごくよく分かる。
    また昔の庵野だと全部一人でやってしまうが、今は使える人は上手く使うようになっていて、スタッフにアンケートを投げたりもして、自分では思いつかない、自分以外の目線からもアイデアをもらってきて、できるだけシン・エヴァという作品を面白くするかだけを追求していく。
    そのために、別に庵野監督だけに情報が集約するのではなく、コンテは主要な制作スタッフ全員に共有されるとか、会議のデータも全部保存されていつでもアクセスできるようになってるとか、プロジェクト説明本というだけではなく、ドキュメンタリーとしても成り立っている。

    費用のところも細かい内訳まで全部載っていた。11年制作で1172人関わって制作費32億円… あれ、安くない?まじで全員数えて1172人だから、カラー社員だけで言えばもっと少ないし、その社員ですら全員が11年ずっと働いていたわけではないか。そして興行収入102億円だから儲けが70億円。11年のプロジェクトとしては十分大きい儲けのだろうか。一応借金もしてないし年に何度か社員旅行もしてるようだし、そこらの会社よりよっぽど経営状況は良さそうだが。
    ただ、最初だけ読むと無収入で11年過ごしていたように見えたが、実際はこれを成し遂げられるようにまず庵野が行ったのが「プロジェクト遂行に適した環境の構築」。エヴァグッズのライセンス事業を別会社に全部お任せして、グッズを作ってもらって売り、活動資金にする、と。
    そのグラウンドワークスという会社の代表の振り返りもあり、グッズ会社経営としても良い知識集。

    体制として、庵野監督が全てをチェックする、というかどの工程の人でも直接連絡できるという形になっている。でもSlackだとログが流れすぎるので監督への連絡はメールに限り、監督は24hr以内には絶対に返事するとか。システムがしっかりしてるとすごいなぁ。
    というか、監督が全部を見るということそのものも十分頭がおかしいが、それをできる環境の構築がされているというのが更にすごいよなぁ。
    まあ、本にはキレイなことしか書いてないが、実際はもっとギスギスしたりぐちゃぐちゃしたりあって、苦労だらけのプロジェクトだったんだろうけど。

    そんなこんながありながらも、11年かけてあんな素晴らしいシン・エヴァを作ってくれたことにとにかく感謝。もう既に内容だいぶ忘れてるけど。また見直したいなぁ。

    余談だが、9/1に続きを読み進めていたときに挟まっていたチラシが、8/31必着のカラー求人チラシだったので、別に応募する気もな…くもなかったけどなんか勝手にガッカリしてしまった。
    でも改めてリンクにアクセスしてみたらまた制作進行のポジションが残っていて、9月末までになってた。まだ…行ける!

    0
    2023年09月06日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    プロジェクトには光もあれば闇もある。
    プロジェクト・シン・エヴァンゲリオンには成果として光がある。アニメーターという技術者を尊重する風土も光である。一方、本書ではほのめかしにすぎず、読者はアニメ業界に対する一般的な認識で労働そのものはブラックであろうと想像できる。これは語られない闇である。

    映像作品の製作を個人的にプロジェクトとして見なしてこれなかったのは、聞き及ぶ滅茶苦茶な労働環境に起因していると思われる。予算があり納期があるという点でプロジェクトであることに間違いはないがが、過程がカオスすぎるためそうとは思えない。

    こういう側面があることは当事者でも否定できないと思う。そういう立ち位置にあるものをプロジェクトとして語るという試みに惹かれたのだが、プロジェクトとしては普通、という印象にとどまった。成功しちゃってるので。わやくちゃなことがあったとしても書かれていないので。コロナが最大の災いみたいな扱いなので。

    読み手が属しているIT業界と比較できる部分があるかと期待したのだが、光の部分はまばゆすぎ、闇の部分は書かれなかった。
    ただ、プリヴィズという工程はプロトタイピングの一種であろうと感じられた。

    おそろしく空白の多いレイアウトであり、図像ではない文書の部分のフォントも一定しておらず、資料間に矛盾か誤字かのいずれかがある。書き手のポエムもある。プロジェクト報告書というよりは映画制作舞台裏みたいな読み物である。

    0
    2026年05月08日

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