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よく考えると不思議です。なんでイヤミスはいやーな感じ『しか』残せないのでしょう?
イヤミスを考えました。
それでやっぱ『告白』の場合、「小説が下手!」というのが「いやーな感じ」の原因の気がします。だってそうです。「いやーな感じ『しか』残せない」のがイヤミスだとしたら、「いやーなとこ以外はダメ!」にしかなりませんでしょう。
という、どうでもいいといえばどうでもいい研究をしているのですが、「そもそも読者をいやーな気持ちにするつもりなど湊には無かった。そんな作家じゃない」という推論も出してます。はい。
【目次】
一章 「聖職者」の凄味と後味
1 「聖職者」の凄味とミステリーの弱さ
2 「聖職者」の不出来とミステリーの形
3 「聖職者」の後味とミステリーの正義
二章 「聖職者」は『完全自殺マニュアル』に似てる
1 「聖職者」と『完全自殺マニュアル』騒動
2 曖昧さにも色々ある。少なくとも二つはある
3 にも拘わらず決定打は無い。にも拘わらず決定打はある(気がする)
4 衝撃的な背徳性の副作用(てか主作用)
三章 歴史という大きなふところ
1 この結末は後味がよくない、と歴史も言う
2 「こっそり血液」とはそもそも卑怯である
3 ところで森口はどこまで本気なの?
4 古い歴史は案外今風の理想であり、今風のドラマは案外に旧態依然である
5 森口はせこい
【著者】
宮崎研治
1968年、横浜生まれ。高卒。書籍製作者・校正者、出版レーベル・カズノpub.運営。
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