無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
見えない所にも花は咲いてる、静かに
『花のある静かな日』と題された角川文庫を底本にしたが、
全部で21もの掌編が収められている。
掌編同士は、まったく関連性がないようにも思えるし、
しかしところどころ、同じ名前の人物が現れたりもして
さてこれを「全体」としてどう把握したものか、困惑してしまう。
それぞれの掌編の空間に、「花」という語彙とともに咲いているものもあるが
しかしそのことには触れていない掌編のほうが多いのも不思議である。
それでいて、確かにどこかに花が咲いている、と気配で思わせる
この静けさのトーンはいったいなにか?
【目次】
桟橋にて
午後二時三十分、会議。四時三十分まで
水を飲むだけ
空の青さ
恐怖小説の発端
あの美しいグリーンを見てほしい
雨の彼方からの手紙
男性がふたりに、女性がひとりの場合
コーヒー一杯だけ
結婚して三年
結婚することになりました、と彼は言う
私たち五人
彼女との会いかた
ブルーベリーが落ちる
一杯の紅茶の、ずっとむこう
ブラックベリーの冬
現在は否定されざるを得ない
D・ホックニーのプール
防波堤で会話する
ふたりの湖面標高
なにか気になること
【著者】
片岡義男
1939年東京生まれ。早稲田大学在学中にコラムの執筆や翻訳を始め、74年『白い波の荒野へ』で作家デビュー。75年『スローなブギにしてくれ』で野生時代新人賞を受賞。ほか代表作に『ロンサム・カウボーイ』『ボビーに首ったけ』『彼のオートバイ、彼女の島』など多数。http://kataokayoshio.com/
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。