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おばあちゃんの手編みのズボンを穿きたくないひろしが取った行動は?(「毛糸のズボン」)、「両親に似ていない」と言われたマリは不安のあまり弟を……(「マリはだれの子」)、家族旅行を楽しむさち子はアイロンを切り忘れてきたのではと不安に思い始める――(「はじめての家族旅行」。誰もが思い当たる人間心理を突き詰め、70年代の少女たちを恐怖のどん底に陥れた直野祥子のトラウマ少女漫画をここに集成!全収録作への自作解説付き。
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Posted by ブクログ
「トラウマ」とか「怖すぎる」とかいう評判がこの本にはあって「そんな事あるんかな」と半ば冷めた態度で読み始めたのですが冒頭の「マリはだれの子」を読んで「その通りだな」と納得。嫌な経験、忘れたい記憶を煮詰めた珠玉のホラー短編集です。 「マリはだれの子」は朝の通勤電車で読んでいたのですがしばらく世界が止...続きを読むまったというか、1話読み終えただけですごく気分が暗くなりました。普段からホラー作品は多く読んでいるのですがそれでもこの衝撃。1970年代の復刻ではありますが普遍的な恐怖を描いており読み継がれるべき名作でしょう。
トラウマ少女漫画、ってことなので、よくあるホラー漫画かと思いきやちょっと違うなあ。たしかにあからさまなホラー漫画もありますが、もっとささやかで身近でありふれている分トラウマになってしまいそうな恐怖が描かれています。めっちゃ嫌だこれ。でも面白い! お気に入りは「へび神さま」。タイトルからしてオーソドッ...続きを読むクスなホラーだと思ったのですが、そっちか! という印象。蛇を祀る風習といい人の心のおぞましさといい、どれもこれもが嫌だし怖い。そんな中で自ら「罰」を受けようとする少女たちの姿が切なすぎますよこれ。やりきれない。 「ひも」「かくれんぼ」あたりもじわじわ来て嫌な話。「宿題」と「はじめての家族旅行」は大人目線だとさほど怖くはないのだけれど、子供の頃に読んでいたら一番怖かったかもしれません。なるほどトラウマだろうなあ。そして全体的に、自分のしたことを罪であると認識することでさらに恐怖が増幅される、という嫌な構図になっている物語が多いと思います。善人ほど苦しむんだよなこれって……。
直野祥子が1970年代初頭に少女誌に掲載したホラー漫画を集めた文庫オリジナルの短編集。 収録作の中では同じちくま文庫の「トラウマ文学館」(頭木弘樹編)に収録されている「はじめての家族旅行」のみ既読(これは以前、ネットでバズったこともあり直野祥子の恐怖漫画としては一番知られているものだろう)で、それ...続きを読む以外は今回が初めて読むものばかり。 収録作は、ストレートに呪いの恐怖を描いた「おつたさま」を除けば、「はじめての家族旅行」がそうであるように、人間の思い込みや迂闊さ、臆病さ、猜疑心などの心理が引き越す悲劇を描いた「怖い」というより心に檻が溜まるような厭な気分にさせる作品ばかり。ストレートな人間の悪意を描いたものではないというのがどうにも質が悪い。 現在だとこういう話は何らかの批評性がないと許されないだろうが、そういう批評性を持たない単に厭な話ゆえの行き場の無さに余計に気が滅入る。
講談社の「なかよし」や「少女フレンド」に一九七一年から一九七三年にかけて掲載された短編漫画を復刻した文庫本。著者が阪神淡路大震災で被災され、原稿が消失してしまったため、掲載誌から起こしたと奥付にある。 トラウマという言葉を安易に使う風潮は、医療従事者として苦々しく思っている。そして、一九七〇年代...続きを読む前半には、わたしはまだ生まれていなかった。でも、当時少女だった人々にとっては、著者の作品は、もしかしたらトラウマになっているのかな。それならそれで、言葉の使い方として正しいんだろうな。著者が「これは私の黒歴史です」(p323)と自作解説している『シャイアンの大ワシ』(pp227-257)がわたしは一番好き。著者が西部劇映画をほんとうに好きだったことが伝わってくる。
「トラウマ文学館」で「はじめての家族旅行」を読んでしっかりトラウマになっていたところ、直野祥子トラウマ少女漫画が文庫になったと聞いて喜び勇んで買いました。 著者自身の解説にもある通り、現代ではコンプラ的に絶対NGな表現もあり、口当たりのよいエンタメ作品の後味悪さではなく、本気で心を抉りにくるとこがよ...続きを読むいです。 解説から引用させていただくと、"刺激的で露悪的で開放的で、どんなものでも認めてくれる空気に満ちて"いた時代を生きた昭和生まれに刺さるはず。おすすめです。
直野祥子『毛糸のズボン 直野祥子トラウマ少女漫画全集』ちくま文庫。 なるほど、直野祥子は『月刊漫画ガロ』出身の漫画家であったか。確かに画風やちょっとブッ飛んだ感覚は『ガロ』っぽい。学生時代、ジャズ喫茶で『月刊漫画ガロ』を読みながら、珈琲を啜っていたのを思い出す。 『月刊漫画ガロ』でデビューした直...続きを読む野祥子は、その後、『少女フレンド』や『なかよし』で連載をしていたようだ。 1970年代に少女漫画雑誌に掲載されたトラウマになるような少女漫画の数々。当時はコンプライアンス的に問題無かったかも知れないが、現在ならアウトという表現も多く、時代の流れを感じる。 本作では著者による全収録作への自作解説付きとなっている。随分と印刷が酷いなと思ったら、元原稿が阪神淡路大震災で焼失してしまったため、掲載誌から起こしたためであるらしい。 『マリはだれの子』。子供の頃に誰もが経験するようなことをトラウマレベルにまで仕上げた作品。大人が話したほんの些細なことでも子供は異常に気にするのだ。トラウマ度★★★★★ 『毛糸のズボン』。昔の子供はジジ、ババに異常に可愛がられたものだ。可愛さ故の行き過ぎが、イヤになることもある。『マリはだれの子』と同様、救いの無い結末はトラウマだ。トラウマ度★★★★ 『おつたさま』。正統派の怪談ホラー。現代のSNSやネットの世界で囁かれるウワサよりも、昔のように口伝てで伝わるウワサの方が破壊力があるような気がする。トラウマ度★★★ 『宿題』。そこまでトラウマにはならないような話。むしろ、あるある話ではないか。夏休みの宿題で思い出すのは、自分の7歳下の弟が小学1年生の頃、夏休みの終わる3日前の段階で全く宿題をやっておらず、家族全員で徹夜で片付けたことだ。読書感想文にドリルに絵日記を何とか終わらせ、工作は自分の作った木彫りのドラえもんで誤魔化した。それが小学1年から6年くらいまで続いたのだから呆れてしまう。トラウマ度★★ 『ひも』。テレビのサスペンスドラマになりそうな話。『毛糸のズボン』と同様『ひも』が重要な鍵を握る。勘違いから自らの犯した罪に一生苦しむことになる少女。トラウマ度★★ 『かくれんぼ』。昭和の子供の遊びの定番、かくれんぼ。かくれんぼの最中に居なくなった3歳の子供が12年後に九州で見付かる。昭和の頃は子供の誘拐事件が多かった。 『復讐』。勘違いの復讐。この話も救いが無い。交通事故で亡くなった父親の復讐を果たそうとする娘は加害者の男を車で轢き殺すというトンデモなストーリー。トラウマ度★★ 『こじきの死』。何でそうなるのという奇妙なストーリー。今の若者は『こじき』なんて知らないかも知れない。浮浪者とも違う乞食は見ず知らずの人たちから金を恵んでもらって生きていた。トラウマ度★★ 『はじめての家族旅行』。この話は『トラウマ文学館』というアンソロジーで読んだことがある。火の元の始末、戸締りは出掛ける時の基本なのだが、この話を読むと出掛ける時には何時も不安になる。そこがトラウマなのだ。トラウマ度★★★★★ 『首かざり』。トラウマはどこに。盗まれた母親のエメラルドの首かざりを巡る物語。トラウマ度★ 『雨』。これもトラウマの薄い話。母親を亡くした幼女を雨の日に迎えに来る若い少女。トラウマ度★ 『シャイアンの大わし』。西部劇風のインディアンの呪い物。著者自身もこの作品を黒歴史と言ってい。トラウマ度★ 『血ぞめの日記が空を舞う』。どうしてそうなるのという、トンデモなストーリー。タイトルも凄い。トラウマ度★ 『へび神さま』。怪奇物。トラウマは感じない。トラウマ度★ 本体価格1,000円 ★★★★
ただあの薄気味悪い夕景の思い出が今では懐かしく美しいのです 因みにアメリカバイソン激減の躍動感理由はインディアンの食糧を断つ作戦だったといいます
あの頃の女の子たちはこんなものを読んでいたのか。まだ夜は暗く、情報も人づて、恐怖はより増幅していく。
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毛糸のズボン ――直野祥子トラウマ少女漫画全集
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