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薬物依存は進化のミスマッチ? なぜ鬱などのネガティブな性質は進化の過程で淘汰されることなく人を苦しめるのか。進化心理学の観点から心のダークサイドを考える。
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Posted by ブクログ
■パートナー間暴力に影響する「K因子」 パートナーへの暴力を行使する・しないという個人差を生み出す要因について「生活史理論」の観点からアプローチする研究が行われている。 「生活史理論」は生物の生活史が自然選択による適応進化の結果として形成されてきたという前提に基づいて、生物の種間や種内の生活史選...続きを読む択の多様性について理解するための枠組みである。「生活し選択」の代表的な例は「性急な戦略」と「緩慢な戦略」の二つである。 「性急な戦略」の特徴としては早い成長、多産、高い死亡率、短い寿命等が挙げられる。 「緩慢な戦略」は安定的で安全な環境におかれた生物に適していると考えられる。 今日では、個人がどのくらい「緩慢な生活史戦略」を採用しているのかを示す指標(尺度)が開発されており、「K因子」と呼ばれている。 「K因子」は外向性、誠実性、神経症傾向など個人の性格や行動傾向に基づいて、具体的な数値として算出される。ある個人について「K因子」の値が大きいということは、「緩慢な生活史戦略」の傾向が強い、言い換えると「性急な生活史戦略」の傾向が弱いことを意味する。 「緩慢な生活史戦略」はパートナー感暴力を抑制する。言い換えれば、「性急な生活史戦略」はパートナー間暴力を促進することを意味する。 「性急な生活史戦略」がパートナー間暴力を促進するということは、以下のように考えると理解しやすい。「性急な生活史戦略」を採用する個体は繁殖のための努力、特に配偶者獲得の努力にエネルギーを費やし、より多くの相手と短期間の性的関係を持つことが知られている。パートナーの片方或いは両方が性急な生活史戦略を採用する個体であった場合、不貞を行う可能性が小さくない。そうしたパートナー感で関係を維持しようとするならば、パートナー関係維持行動の中の特に強力で支配的な方法、すなわち暴力に頼ることが有効である場面が多くなる。 ■産業界において「心理的安全性」という概念が注目されている。 そのきっかけはGoogle社が2012年から約4年かけて行った、職場のチームの生産性を高める条件についての調査報告であった。「プロジェクト・アリストテレス」と名付けられた調査プロジェクトによりGoogle社のリサーチチームが導いた結論は、「効果的なチームは協力体制が優れている。チームの協力体制において特に重要なのは、心理的安全性であり心理的安全性が高いチームは離職率が低く、収益性が高い」というもの。 ■心理的安全性とは、ハーバード・ビジネススクールで組織行動学を研究するエイミー・エドモンドソン教授が提唱した概念で、チーム内で率直に自分の意見を述べても他のメンバから拒絶されたり攻撃されたりすることがなく、対人関係の悪化の心配はないという信念が共有されている状態のこと。メンバーの潜在意識に働きかけ、メンバーの判断や行動に影響を及ぼすとされている。ただい、必ずしも快適で居心地の良い集団の常態を意味するものではないという点に注意が必要。
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