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横浜の一等地にあるドヤ街、寿町。6年におよぶ執念の取材で、その全容を明かす。染みつき、絡み合い生きるひとびと。正常と異常、孤独とぬくもり、こちらとあちら……、読むほどに境界が曖昧(あいまい)になっていく。文庫版のための新話「寿町ニューウェイブ」も収録。
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Posted by ブクログ
面白かった。作中に出てくる「ここでは簡単に人助けしている気分になりやすい」的な言葉がなんかわかるというか。困っている人を、弱者を助ける善人ぶれる、やすいみたいな側面あるよね。作中で書かれている言葉でもあるけれど「こっち側」と「あっち側」で帰る場所がある人間の手助けってまあトラブルが起きた時、揉め事が...続きを読む起きた時の「よそ者に何がわかるのか」って心情になるんやろな……西成もだいぶ変わったけど寿町も今はだいぶまた違うんだろうな
横浜の住民なので言葉としての「寿町」は一応知っている。しかし、そこに住んでいる人々のことも町の成り立ちも歴史も何も知らない。普段は意識することもまずない。 正直言うと、多少の好奇心と怖いもの見たさもあり本書を読んだが、筆者が丁寧に取材し自問自答を繰り返しながら、人を町を理解しようとしている姿に心打...続きを読むたれて、そんな軽い読み方は許されないのではと感じるようになった。 特に寿町に落ちた人を見るときに、「あちら側にいる人なのか、こちらに側いる人なのか」を常に問われているのを感じながら、一つの答えに固執するのでなく悩みながら筆を進めていく様子は、自分も正しくその事を問われながら、どう向き合うべきなのかをひどく考えさせられた。 ここには人間理解の一つのヒントがあるが、分かったような気になるのだけは避けたいと思った。
横浜に住む人なら一度は聞いたことがあろうドヤ街•寿町。本書はそこに住む人、関わる人を追うドキュメンタリーだ。 人物や団体にスポットを当てた全12話からなり、ショッキングだったのが、文庫版に書き下ろされた第1話。家庭問題で寿町に流れ着き、見ず知らずの初老の女性に初体験を捧げた青年の話だ。 その他の章も...続きを読む濃いメンツが勢揃いしている。 寿町は終戦後、約10年に渡り進駐軍に接収され、戦前にそこで暮らしていた人々は別の土地に根付いてしまい、ほとんどが元の土地に戻ってくることはなかった。開発の進む港湾地区に近いことから、余った土地に労働者のための簡易宿泊所と職安が流れ込み、日雇い労働者の町として発展してきた。 その後の高度経済成長期に横浜市は以下の6大事業を策定した。 •みなとみらい21 •金沢地先埋め立て工事 •港北ニュータウンの建設 •高速道路の整備 •地下鉄の整備 •ベイブリッジの建設 この6大事業を推し進めるため、現場には寿町から日雇い労働者が送り込まれてきた。横浜市の発展の背後には寿町があったのだ。 寿町は青年期、壮年期を過ぎて「福祉ニーズの高い町」へと変貌した。 寿町は他の町では暮らせなかった人が暮らすことのできる包容力があり、何事も強制されない、管理されない、社会的には困った人たちが自分らしく生きることのできる町、と語るシーンは印象的だった。 私自身、寿町に住む人たちと関わることがある。親切な人もいるが、暴力的な言葉を吐く人、全く話が通じない人などは他の町と比べて圧倒的に多いのは事実だ。 しかし本書を読んだことで「お互いの違い」を知り、相手の背景を想像するキッカケになった。
横浜のドヤ街(日雇労働者)である寿町に関わった人たちを描いたノンフィクション。 14話+文庫本描き下ろしの親話含めた15話の短編。 最初は「ここは異界か、最後の砦か」という一文に興味を持って読み始めた。 精神的な病であったり、差別であったり、自身の信念や考えであったり、色々な理由があって寿町に行き着...続きを読むいた人たち、そしてその人達を支援するために尽力した人たちの人生が描かれている。 彼らの殆どは横浜の六大事業を陰ながら支えた日雇労働者であり、華やかな横浜にこのような街があることが驚きだった。 今では日雇労働者が栄えた街も高齢化による波で福祉ニーズの高い街になっているらしい。 おそらく、今後も横浜の一等地付近ということもあり、再開発などで街並みはどんどん変貌していくのではないかと想像できるが、こういった街があったことを覚えておきたいと思った。
どんな街にも過渡期はあるが、今まさに黄昏を迎えている横浜・寿町に関わって生きる人々に取材したルポ。 黒船来航、関東大震災、第二次世界大戦、高度経済成長からのバブル崩壊、そしてリーマンショック。寿町には連綿と続く歴史がないのだと筆者はいう。なるほど。それはそのまま横浜という都市の性格にも通ずると思う。...続きを読む港町という特性上、新しいものがどんどん入り、人もモノも流し流される。だからこそ生きてこられた人たちもいる。 いわゆるドヤ街と呼ばれた寿町は、今や「福祉ニーズの高い町」となり、かつての面影は薄い。熱さも勢いも若さも失って、それはつまり日本の抱える問題が先鋭化した形で存在するのが寿町だということだ。 では、寿町に未来はないのだろうか。 ちょっと違う気がする。寿町は身寄りのない高齢者を筆頭に、ホームレス、貧困層、精神障害(から来る未就学・育児放棄・就労不適格・貧困)といった「社会の爪弾き者」たちが流れついている。分離しない、内包するというのが今の福祉の大前提のようだが、理想と現実は乖離する一方だ。本書を読んで感じたことの筆頭は、今や健常者しか普通に生きられない社会を、彼らの方が見限っているように思えるということだった。 徐々にあちこちで、こういうコミュニティが増える可能性はないだろうか。 万人が満足できる社会・福祉は永遠に実現不可能だ。その純然たる事実から目を背けるな、ということなのだろう。
恥ずかしながら興味本位で寿町を通りがかった事があり、想像していたドヤ街では無く老人と福祉の町だった事に驚いた 今の寿町が形成されるまでの経緯というか、住む人とサポートした(している)人達の歴史や葛藤が描かれていた
山田清機『寿町のひとびと』朝日文庫。 横浜の一等地にある『ハマのドヤ街・寿町』を6年に及ぶ取材で、その全容を解き明かすノンフィクション。文庫版のための新話『寿町ニューウェーブ』が冒頭に収録。 人に歴史ありという言葉の通り、様々な人びとが様々な事情と悲しい過去を抱えて寿町というドヤ街に暮らしている...続きを読む。多くはアルコール依存症やギャンブル依存症から抜け出せない人びとが、世間一般の考える普通の暮らしが出来ずにその日暮らしをするために寿町に集まるのだ。 さらに寿町には簡易宿泊所や角打ちの酒屋を営む人びとが暮らし、極めてグレーな貧困ビジネスを行なうNPO、新興宗教に携わる人びとが集う。まさに魑魅魍魎、百鬼夜行が跋扈する小さな街が寿町だ。 横浜というと洒落た街のイメージが強いのだが、寿町のような所もあるのには驚いた。 何だかんだ言っても、衣食住が満ちたりた今の自分の暮らしに満足すべきなのかも知れない。 本体価格1,050円 ★★★★
横浜のドヤ街、寿町の人々に話を聞き調べまとめたノンフィクション。東京の山谷、大阪の西成は聞いたことがありましたが、寿町は初耳でした。 登場する人たちが高齢男性ばかりで、悲しいやらよく分からないやらで読むのに時間がかかりました。 そんな中、平成生まれで当時23歳の女性が登場。バビ語、キマ語という独自の...続きを読む言葉を話すとのことでした。 たとえば「今日は雪になりました」を バビ語では「キョボウボハバ ユブキビニビ ナバリビマバシタ」 キマ語では「キヨキマウハ ユキマキニ ナキマリマシタ」 となるそうです。異世界ですね。
寿町と聞けば どんな街かは 横浜の人間ならイメージがつきます。 説明するなら 東京とかの 山谷地区のようなものと 言いますけど。。。 私は 近くに中華街などもあるので 通過した事もあったかもしれません。 特に意識していませんでした。 というのも この本にも書かれていましたが この地域に人が大勢...続きを読むいたのは かなり前の事。 横浜博覧会などが終わってしまえば 肉体労働の人々は 違う地域に流れていってしまいます。 著者は この寿町に 何度も通って 色々話を聞いていくのですが どちらかというと 寿町の人々をサポートしていった人を メインにしていました。 ので どういう風に成り立っていったのかがよくわかる内容でした。 この場所は ちょっと怖い場所かなというイメージでしたが 保育所などがあったり 教会があったというのは 意外ですが 驚きと共に ちょっと 怖さが薄まりました。
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