ゴキブリ・マイウェイ この生物に秘められし謎を追う

ゴキブリ・マイウェイ この生物に秘められし謎を追う

1,584円 (税込)

7pt

「クチキゴキブリのメスとオスは、互いの翅を食い合うらしい」
類を見ない不思議な現象に惹かれた著者が、採集・飼育・繁殖方法など、わからないことだらけのこの生物に秘められた謎を体当たりで追いかける。
沖縄・やんばるでの採集、トライ&エラーの飼育、予算がない中でのDIYな実験、そして翅の食い合いの意義とは――行動生態学の基本と最前線をわかりやすく解説します。
また、そもそも研究とは何のために行うのか、学会を活用するには? 論文はどうやって書かれているのか、といった一般読者は知らないけれど興味深い研究の現場、研究世界の歩き方についても語ります。

本文に収録した超細密で美しいイラストは、著者による作画。研究対象である生き物と、それに生涯をささげる研究者、研究という営みの魅力が詰まった一冊です。


■内容
第1章/やんばるの地に降り立つ
第2章/謎の行動、翅の食い合い
第3章/三度の飯より研究
第4章/クチキゴキブリ採集記
第5章/実験セットを構築せよ!
第6章/戦場でありフェス、それが学会
第7章/翅は本当に食われているのか?
第8章/論文、それは我らの生きた証
第9章/ゴキブリの不可思議
第10章/研究者という生き物


■著者について
大崎 遥花(おおさき・はるか)
1994年生まれ。日本に現存する唯一のクチキゴキブリ研究者。
九州大学大学院生態科学研究室博士課程を修了後、京都大学を経て、2023年よりノースカロライナ州立大学で研究を行う。日本学術振興会特別研究員。
狭い場所が好きなのにアメリカの家は広く、最近落ち着かないらしい(研究者と研究対象は似るという)。
面白いといえばゴキブリ、でもカッコいいといえばカミキリ。ゴキブリ採集の副産物の土壌動物も好物。
ペンで生物画を描くのが趣味。クチキゴキブリ研究に生涯を捧げることになるのだろうなあと腹をくくっている。

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ゴキブリ・マイウェイ この生物に秘められし謎を追う のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    研究を進めるうえで今の自分に足りなかった視点やもっとこうしたほうが良いなという気づきが沢山得られた。
    研究内容のクチキゴキブリの雌雄がお互いの翅を食べることが非常に興味深いなと思った。背景や考察の論理の展開が分かりやすかった。クチキゴキブリの生息環境が特殊なゆえにそうした性システムや行動が進化した可

    0
    2025年08月28日

    Posted by ブクログ

    クチキゴキブリは、卵胎生、そして両親揃っての子育てという珍しい習性をもつ。しかも、つがいになったオスとメスは交尾の前後に互いの翅を食べ尽くす。飛べなくなってしまうのに、しかもさほど栄養にもならないのに、なんでそんなことをするのか? 著者はこの疑問に挑む。フィールドワークから実験、プレゼンや論文執筆ま

    0
    2025年05月06日

    Posted by ブクログ

     栃木県民で、手のひらでモゾモゾ動く虫が好きだったあの大崎さんが、「Dr. 大崎」になるとは・・・家族でもでも何でもないけど感動でうれし涙です、よかったです。
     この本の主人公は、著者の大崎さんです。おもに、大学4年に生態科学研究室に所属して卒業研究を始めるところから、博士課程卒業までのおはなしです

    0
    2025年02月12日

    Posted by ブクログ

    2023年刊。害虫の大代表格としてのゴキでは無く、アジア圏の極限られた場所にしか生息しない、朽木にのみ住むゴキの研究者。世界中で他に研究者が居ないという生き物。しかも雌雄が互いの翅だけを食い合うという、全生物中で例の無い行動を取るとのこと。
    研究者の事、修士・博士課程、研究者は総合格闘技のプロ、何よ

    0
    2024年05月05日

    Posted by ブクログ

    小気味よくてユーモアたっぷりな文章でとても読みやすかったです。著者の研究に対する熱が伝わってきて、こちらもワクワクしながら読んでました!また、研究に対する哲学も書かれており、耳が痛いような内容もありましたが、良い刺激を受けることができました。

    0
    2024年04月06日

    Posted by ブクログ

    ゴキブリ研究の第一人者のエッセイ
    ゴキブリ!?と思って興味を持ったけど、1人の研究者として、その生き様と考え方、人生を書いているから、なんかそんな考えて生きてるの凄いなって思う。
    理系の、まして研究職の人なんて周りにいないから、新鮮だった。
    自分には無いことだったけど、連綿と受け続かれる知識の流れの

    0
    2025年09月28日

    Posted by ブクログ

    研究職にもゴキブリにも明るくないけれど、少しイメージと見方が変わった気がする。とてもじゃないけど混んでる電車で読めるものではなかった笑 どデカいゴキブリの挿絵に隣のおじさんがギョッとしてました。ごめんねおじさん。
    基本シャープでユーモアがあり、読み物としても楽しめる文体でありながら、たまに差し込まれ

    0
    2025年05月16日

    Posted by ブクログ

    ゴキブリ研究に生涯を捧げると腹を括っている研究者の話。

    進化と変体をポケモンで説明したり、学会を「フェス」と表現したり、言葉選びも面白く、文系でも読み物として楽しく読めた。

    研究者という、好きな対象のためには変態になってしまう姿に読んでいてニヤニヤしてしまう。

    昆虫は苦手な私には、ヤツはほぼイ

    0
    2025年03月10日

    Posted by ブクログ

    すごく面白かった!
    「研究は総合格闘技」...そうだよね、コミュ障じゃ貴重な人脈も作れやしない。研究だけじゃなく、他のたくさんの仕事にも当てはまる言葉。
    博士課程や研究についての話を、時々真面目に、時々軽妙に書かれてあって、とても読みやすかった。(「カビがルンルン」が特にお気に入り)

    0
    2024年04月02日

    Posted by ブクログ

    すごくいい!
    ゴキブリに学生時代を捧げた、良い意味でオタクな筆者
    大学院や研究職についても本音で書いてある
    自分の経験を重ね合わせて「わかるわかる」となった
    時折挟み込まれるギャグは筆者の好みなのか編集者の好みなのか、不要かなと思った
    昆虫の研究は興味があるが、今の自分にはもう出来ない
    筆者には代わ

    0
    2024年01月31日

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